表千家 梅月軒 茶道教室
 
2015/07/23 19:52:00|茶事茶会
善徳居士400回佐州忌
7月22日は、吾家初代である本多佐渡守正信侯のご命日でございます。通例通り、当茶室で佐州忌を営みました。

今年は徳川家康公薨去400年祭として、4月に静岡市で開催された顕彰イベントに参加して参りましたが、正信もまた家康公の後を追うかのように、2か月後(旧暦6月7日)に亡くなります。

節目となる今年は、佐州ゆかりの徳本寺に伺う予定です。ご住職も倅さんに代替わりされているので挨拶も兼ねて。

法号納誨院善徳


先日、来年の大河ドラマ「真田丸」の制作発表のニュースを観ました。

本多忠勝に藤岡弘さん、本多正信に近藤正臣さんがキャスティング。




近藤さんといえば「白虎隊」では土方歳三を(世代的にわかる方にはわかるかな…)、「龍馬伝」では山内容堂を熱演していたのが印象的な俳優。最近では北野武監督の映画にも出演していましたね。

倅たちに真田信繁の調略や、関ヶ原の役後の真田父子の処遇を指示するなど、主役である真田氏との絡みは、上田城攻め前あたりからでしょうか。

御年78歳にして甲冑を着用して大坂の陣に出陣していたパワフルな老臣をどう演じてくださるのか、非常に楽しみです。












2015/06/27 19:40:00|茶事茶会
英玄居士380回羽州忌
東北地方は、昨日梅雨入りしたそうですね。

去る6月25日は、三代本多出羽守正勝(正孝)侯のご命日でした。

羽州忌では、一服の献上茶を点て、父正純を慕って横手の地へ
向かい、35歳の若さで白玉楼中の人となった孝子を偲びます。

浄徳院殿従五位下前羽州守雄山英公大居士







2015/05/12 17:16:00|梅月便り
ちょっとした日墺文化交流
10日の稽古には、思わぬお客様が来庵くださいました。

麻布のオーストリア大使館に、5月から研修員として来日している若い女性職員が、当庵で茶道体験です。通訳は当社中で語学が堪能であるお弟子さんが務めてくれました。

洋服の上からではありましたが、着物を着用して来てくださりました。この世界、形からは大切でありますから、まずは身なりから整えて日本文化に触れてくださったことに感心。

蹲(つくばい)、にじり口、床の間の拝見、お菓子の頂き方から抹茶の頂き方を一通り体験してもらいました。

せっかくの折ですから、彼女にはお点前も体験してもらいました。
こんどはホスト役です。すべてがいままで経験したことのない、未知の動作と思います。しかし、熱心に説明を受け、一つ一つの動作をこなしていらっしゃいました。

「オーストリアで流行りの日本文化は?」「日本の印象は?」「オーストリアはどんな国?」「大使はどんな方ですか?」聞いてみたいことは色々あったのですが、私も通訳を通して、茶の湯の理や道具のことを説明したり伝えるのに精一杯、彼女も興味津々の茶道具に触れることや、お弟子さんたちのお点前風景をカメラに収めることに夢中でしたから、会話はなかなか…。

ただ、最後に「大変良い勉強になりました、また機会がありましたら、こちらに伺いたいと思います。」と感想をいただきました。あれこれ聞きたいことはありましたが、このひとことが何よりと感じましたね。

私も「大使館の方たちにも、今日の茶道体験を話してね」と挨拶を交わしました。彼女も、来庵したときの緊張感はすっかりなくなり、にこやかに会釈で返してくださいました。

また、いつでもいらしてください。今回、セッティングと通訳をしてくれたお弟子さん夫婦も、お疲れ様でした。







2015/05/05 18:57:04|茶事茶会
繁桂寺はなまつり供養茶会
本日は、藤岡町の潜龍山繁桂寺「はなまつり供養お茶会」に出かけてきました。
はなまつり供養お茶会は、24年の歴史がある行事とのこと。

曹洞宗繁桂寺山門


初めて伺ったのですが、新緑の中、静寂に包まれた境内で茶会を催すには恵まれた場所ではないでしょうか。

鐘楼とつつじ


方丈庭園


藤棚の下では、煎茶東阿部流による煎茶のお席も


藤は見ごろを終えているので、皆さん頭上を愛でるよりもお点前に集中。

さて、点心(お昼)をいただいた後に書院お席へ。席持は表千家流の岩波宗芳先生。先生には昨年、他のお席でお会いしておりますのでトークがてら正客席を失礼することに。

寺院ならではの書院造りの茶室も趣がある






初夏の一日を楽しむことができました。

また、当寺は藤岡佐渡守清房公なる戦国期の国人領主の菩提寺でもあり、公の墓所がありました。藤岡氏は代々、藤岡の地を領有していたが、天正五年(1577年)に、唐沢山城主の佐野宗綱により藤岡城は攻め落とされ、自刃したとのこと。





多くの下野国の大小領主が辿ったように、北条氏、上杉氏、佐竹氏に翻弄されて果てた、国人領主のひとりだったようです。

最後に、今回はお寺さんということで茶道にも通ずる、なるほどなと響く説法を、いただいた案内状より抜粋して掲載したいと思います。

言語道断
禅語の一句である。現在は「あまりひどくて何とも言いようがない。もってのほかである」という強く否定する言葉として使われます。(中略)
この言葉の本来の意味は、人知、言語を越えた仏教の覚りの境地は人間の言葉を以って表現できないことを言ったものです。
言も語も言葉であり、道断の道は「言う」「述べる」の意味です。覚りの境地は筆舌に尽くし難しいほど奥深いことであり・深遠な心理をほめて言う言葉です。「不立文字、教外別伝」や「以心伝心」につながる言葉です。








2015/05/02 18:38:19|梅月便り
畳の一新
炉の稽古も終わり、風炉への設え(切り替え)の時期。

初風炉は立夏の直前後が望ましいと申しまして、道具組の衣替え(初夏の清涼が感じられる設え)のため、梅月軒も暫しのゴールデンウィークです。

本来ならば、道具の出し入れだけに時間を費やしてきたところもありましたが、今年は退職して身体が空いたこともあり、茶室の畳を数十年ぶりに新調、さらに襖の張り替えも。作業は、大平町の業者に依頼し、1日掛かりで完了しました(襖は後日)。

なんということでしょう(笑)


炉周り


躙り口周り



畳を敷き替えただけですが、茶室が見違えましたよね。

熊本産のい草は、復元された彼の熊本城本丸御殿にも使用しているものと同じとか。い草の芳香が漂います。

これならばゴールデンウィーク明けから稽古に来る生徒たちも清々しい気分で、初風炉の稽古ができることでしょう。

何にでもそうですが、キレイに使って保つことも禅宗の修行のひとつです。茶室という道場、道具や家具も常にキレイに使うことを意識し、心掛けて精進しましょう。