宮澤賢治、風の世界

宮澤賢治の作品を彩る言葉と風を追って宮澤賢治の世界を訪ねよう。 賢治は風という言葉に何を託したか。風を描くためにどんな言葉を選んだか。 賢治は何を求めて風の中に身を置いたのだろう。 そこに少しでも近づきたくてページを埋めていく。
 
永野川2018年11月中旬

   風も無く、よく晴れた探鳥日より、9:30に出発です。

二杉橋のすぐ上流で、ダイサギ7羽が群れていました。1羽が小さかったのですが、すべてがダイサギでした。この場所で群れていることは、珍しいことです。

小ガモは2羽が二杉橋の定位置、睦橋下流で10羽確認できました。

トピックスはツグミ初飛来です。睦橋手前で東岸から西岸に一瞬飛び移っていきました。公園の川でも1羽、やはり川を越えて行きました。渡ってきてから、もう散ってしまったのでしょうか。

もう一つのトピックスは猛禽たち。久しぶりにチョウゲンボウが、公園の上空でカラスに追われていました。ここの猛禽は常にカラスに追われている感じです。

もう1羽の猛禽はノスリです。大岩橋の山林の林縁の、途中で切られた低めの木のてっぺんでしばらく停まっていたので、ゆっくり観察できました。鈎型の嘴、褐色の縦半に黄色い腹部、眼も黒くて可愛いのです。図鑑で確かめました。

 ウグイスの地鳴きが増え、二杉橋〜睦橋で2回、大岩橋の河川敷林で1回、笹藪が健全になっているのを信じたいと思います。

 相変わらずホオジロの地鳴きしか聞き取れない草むらの鳥たちです。今日はホオジロの姿だけ3回確認できました。大岩橋河川敷林では樹木のてっぺんで囀りに似た鳴き方をするホオジロが見られました。

 大岩橋の林のカケスは、今日は声のみでした。

アオサギは相変わらずあちこちで7羽、公園の西池では、胸まで水に浸かったものがいて一瞬白鳥の仲間かと思いました。

カワラヒワは二杉橋近くで9羽が飛び、公園の木で4羽が停まっていました。姿をゆっくり見たのは今季初です。

 赤津川、泉橋の上の橋近くで、カワセミが鳴いてくれたので発見できました。至近距離まで近づけたのでであることもわかりました。暫くしてダイビングして、見えない場所に行ってしまいましたが、餌は取れたのでしょうか。カワセミが鳴くのが、何か私へのサインのようで嬉しいと思います。大変非科学的な思いですが。

スズメが多く、40羽、30羽の単位で群れて飛び、総計105+(13)となりました。

セグロセキレイ9、ハクセキレイ6とセキレイ類も元気でした。

ハシブトカラスが増えているのが気になります。今日はまだ11羽でしたが、時にゴミ袋を川に投棄する人がいると早速集まります。袋に入れたら集積場におけば済むことなのだが理解に苦しみます。

落ち葉が散り始め、これからの冬空に広がる木の枝を考えると楽しくなります。

 

鳥リスト

カルガモ、コガモ、カイツブリ、キジバト、カワウ、ダイサギ、アオサギ、ノスリ、チョウゲンボウ、コゲラ、カワセミ、モズ、カケス、ハシボソカラス、ハシブトカラス、ウグイス、ヒヨドリ、ツグミ、スズメ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ

 

 

永野川緑地公園、ビギナー探鳥会のお知らせ

日時 12月22日() 9時集合 11時解散 申込不要、  雨天中止

集合 栃木市岩出町 永野川緑地公園西駐車場(栃木工業高校西)

問い合わせ:日本野鳥の会栃木県支部
пG028−625−4051(火・木・金9〜16) 

        Mail;wbsj-tochigi@nifty.com

または事務局ホームページをご覧下さい。

 セキレイ類、カワセミ、カイツブリ、カワラヒワなどのほか渡ってきたツグミ、シメなど。うまくいけばカルガモのほかにヒドリガモ、ヨシガモも見られます。

今年は公園内のカモ類の飛来が少なく心配です。








永野川2018年11月上旬

永野川緑地公園、ビギナー探鳥会のお知らせ

 日時 12月22日() 9時集合 11時解散 
                      申込不要、雨天中止

 集合 栃木市岩出町 永野川緑地公園西駐車場
                     (栃木工業高校西)

    問い合わせ:日本野鳥の会栃木県支部
    
пG028−625−4051(火・木・金9〜16) 

     Mail;wbsj-tochigi@nifty.com
   
または事務局ホームページをご覧下さい。

 
  セキレイ類、カワセミ、カイツブリ、カワラヒワなどのほか渡ってきたツグミ、シメなど。うまくいけばカルガモのほかにヒドリガモ、ヨシガモも見られます。

7日

このところいろいろな行事が詰まっていて、今日しか時間が取れないので11時過ぎましたが出かけました。

順序を変えて、上人橋から入り、赤津川を遡ってみました。

上人橋を渡ったところで、ハシブトカラスが電線に次々に7羽舞い上がり、また川のほうへ飛んでいきました。7羽だけですが、大きいのでかなりの迫力でした。ここで低空を群れ飛ぶことは滅多にありません。ハシボソガラスも公園のなかの永野川の上で3羽が旋回していました。

今日のトピックスは、草むらの小鳥たち。

上人橋上の川岸の草むらで、小鳥の声が聞こえる季節になっていました。しばらく待ちましたが、ここではホオジロの声しか確認できませんでした。

公園の川岸の草むらで、雀が群れて移動するそばで、チッチッという別な声が聞こえ、一瞬深緑色の物体がよぎりました。しばらく待って今季初アオジ1羽確認し、少し離れたところでもう1羽みつけました。アオジは自分で確認できた最初の鳥なので、とても嬉しく、またこの季節を迎えることが出来たのも嬉しいことです。

 滝沢ハム近くの草むらで、草が刈られた結果、今はススキとヨシが場所をわけて生えています。どうかこのままヨシ原、ススキの原として保護してほしいと思います。成長しないうちに刈ると、また雑草の生い茂る原っぱになってしまいます。ここでも小さな鳥の声がしていましたが、ホオジロを1羽確認できただけでした。でも小鳥のくる草地として残りそうで嬉しいことでした。

 上人橋付近では、ダイサギ、アオサギが点々と3羽、アオサギは赤津川、永野川とあちこちで1羽ずつ川岸などの草むらで隠れるように静かにしている気がします。全部で11羽になりました。大岩橋から下を覗いた時、アオサギが腹部まで水に浸かっていました。これも私には珍しい風景です。

 赤津川で、額板が色づき始めたバンが1羽、まだ色づかないものが1羽、一週間前には、もっと小さかった気がします。ここで成長しているのだと嬉しいのですが、或いはどこかから飛来しているのでしょうか。

 泉橋のところで、カワセミに似た声がしてしばらく待っていました。3分ほどしてやはりカワセミが1羽下っていきました。

カワラヒワは大岩橋うえの河川敷で30+の群れが行き過ぎました。今年は枝に留まった姿をまだゆっくり見ていません。枝に群れている姿や、川岸から黄色い模様を広げて飛ぶ姿を見たいものです。

 今年は、公園の池にはカモがめっきり少なくて、今日はヒドリガモ2羽、カルガモ12羽のみでした。探鳥会の時までに、もっと増えて、ヨシガモも来てくれるといいのですが。

 二杉橋近くの川岸に草むらで、青い塊を発見。双眼鏡に入れるとキジの顔でした。このところキジを見なかったのは、草むらにすっぽりと隠れていたせいかもしれません。今、冬が近づき草むらが勢いを無くしてきたのでしょう。

 木々は黄葉を始め、紅葉とは違う静かな雰囲気の公園となっていきます。

 

鳥リスト

キジ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、カイツブリ、キジバト、カワウ、ダイサギ,アオサギ、バン、カワセミ、モズ、ハシボソカラス、ハシブトカラス、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ、アオジ

 

 

 








永野川2018年10月下旬

永野川緑地公園、ビギナー探鳥会のお知らせ

 日時 12月22日() 9時集合 11時解散 
                      申込不要、雨天中止

 集合 栃木市岩出町 永野川緑地公園西駐車場
                     (栃木工業高校西)

    問い合わせ:日本野鳥の会栃木県支部
    
пG028−625−4051(火・木・金9〜16) 

     Mail;wbsj-tochigi@nifty.com
   
または事務局ホームページをご覧下さい。

 
  セキレイ類、カワセミ、カイツブリ、カワラヒワなどのほか渡ってきたツグミ、シメなど。うまくいけばカルガモのほかにヒドリガモ、ヨシガモも見られます。

 

26日

まずまずのお天気になり、9:00に家を出られました。

二杉橋近くの電柱にカワウが停まっていました。光線の関係で色がカワウらしくなく白っぽかったのですが、嘴の形で判明しました。

二杉橋にでるとすぐに、コガモ3羽が元気に泳ぎ回っているのに出会いました。今までは、動きも少なかった気がしましたが、落ち着いたのかもしれません。その後も上人橋までの間に1羽、5羽の群れ、合流点のうえに12羽、赤津川でも2羽、本格的に増えて来たようです。

上人橋から下を覗くと、川岸の砂地からカワセミが飛び立って上流に消えました。ここで見つけるのは珍しいことです。

その後もカワセミは多くて、公園の川で1羽、赤津川では上流に遡っては川岸に停まるカワセミを追いかけて2度見つけましたが、その後は見失いました。

高橋付近で、ウグイスの地鳴きも久しぶりです。1羽分の声でした。

上人橋でカケスの声を聞き、少しして、山林の中を移動している4羽確認できました。カケスも本格的始動かしれません。

セグロセキレイが元気で、ほぼ永野川赤津川全域で14羽確認できました。ハクセキレイも9羽、これは公園の芝生が中心でしたが、アスファルトの上で何か採餌している1羽にも出会い、本に出てく“公園の鳥”ハクセキレイを、ここで初めて見た気がしました。

カイツブリは、公園の池に1羽、赤津川で2羽、良く育って元気に動いているようです。赤津川のバンも小さいけれど元気でした。

カワラヒワは散ってしまったようで、大砂橋付近で鳴いて飛び回っている2羽のみでした。ヒヨドリも大きな群れは見えず1,7,4,1,3,2で18羽でした。

キジバトが赤津川の路上を3羽で歩いていました。ここでは間近にキジバトをみるのは珍しいことです。

シジュウカラ、コゲラの声もどこかで聞こえ、秋の気配です。

 

鳥リスト

カルガモ、コガモ、カイツブリ、キジバト、カワウ、ダイサギ、アオサギ、バン、イソシギ、カワセミ、コゲラ1、モズ、カケス、ハシボソカラス、ハシブトカラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、スズメ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ

 








永野川2018年10月中旬

永野川緑地公園、ビギナー探鳥会のお知らせ

 日時 12月22日() 9時集合 11時解散 
                       申込不要、雨天中止

 集合 栃木市岩出町 永野川緑地公園西駐車場
                     (栃木工業高校  西)

 問い合わせ 日本野鳥の会栃木県支部
  
пG028−625−4051(火・木・金9〜16) 

     Mail;wbsj-tochigi@nifty.com
 
または事務局ホームページをご覧下さい。

 セキレイ類、カワセミ、カイツブリ、カワラヒワなどのほか渡ってきたツグミ、シメなど。うまくいけばカルガモのほかにヒドリガモ、ヨシガモも見られます。

 

17日

天気予報が外れて良い天気になりました。予定していた金曜日が雨のようなので、11時に時間を取って出かけました。

風が強く北西の空が真っ黒な雲で覆われ迷ったのですが、太平山が全部綺麗に見えていたので、少し気を強く持って決行しました。

太平山予報は的中し、二杉橋に着いた時は黒い雲もなくなっていました。川の水は綺麗に澄み水かさもあったので、カルガモが元気に泳いでいました。12羽の群れが最大ですが、大きい群れが多くて全体で57羽になりました。

コガモはカルガモに混じって3羽発見しました。まだ増えてきません。ヒドリガモはいなくなっていました。

今日のトピックスは、今季初カワラヒワです。

睦橋付近で、7羽の群れが岸から岸へ行ったり来たりしていました。スピードがあって1羽1羽の模様を眺められませんが、その軽い動きと小さな声はこの季節のものです。その後も群れでの移動が多く、18羽、12羽、で37羽になりました。

キセキレイが、合流点の堰の上をなぜか危なっかしく横切っていましたが、赤津川のほうに飛び去ってしまいました。セグロセキレイも永野川、公園、大岩橋などあちこちで見え6羽になり、ハクセキレイは公園の芝生で2羽、ここで見られる全部の種類を見ることが出来ました。

モズは電線や、梢などで4羽が鳴いていましたが、はっきり姿を見せたのは赤津川沿いの電線のみで、これは高鳴きといえる声でした。

二杉橋付近でカイツブリ、赤津川でバン、どちらも1羽ずつ、豊富な水の上ではとても小さく見えました。

カワセミは公園の東池の岸にいたのが目の前を横切ってきえました。また赤津川でも川を遡っていくのが見えました。一瞬の青い光です。東池は浮き草が繁茂して水も汚れていますが、必ずしも清流にいないのがカワセミで、そのために皆の憧れになるのでしょう。今年ももうじきビギナー探鳥会ですが、この会だけに足を運んで下さる方の前に現れてくれることを祈ります。

公園の秋咲きのサクラが咲いていました。これは台風のための狂い咲きではなく、れっきとした今咲く桜です。5本のなかの3本の元気がなく心配です。ただでさえ公園の外れに、あまり顧みられずひっそりと咲く桜ですから、どうか元気でいてほしいと思います。

桜の葉は、ほとんど散りました。ほかの木でも鳥が姿を見せてくれるのももう少しです。

 

鳥リスト

カルガモ、コガモ、カイツブリ、キジバト、カワウ、ダイサギ、アオサギ、バン、イソシギ、カワセミ、モズ、ハシボソカラス、ハシブトカラス、ヒヨドリ、スズメ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、キセキレイ、カワラヒワ,ホオジロ

 

追記

18日朝、住宅地の我が家の庭にジョウビタキが今季初飛来しました。

我が家を縄張りにしてしばらくいてくれるので楽しみです。

 








「石と賢治のミュージアム」(一関市東山町松川)を訪ねて

石と賢治のミュージアム」の主催で毎年行われる「グスコーブドリの大学校」は、とても充実した内容で、参加したいと思いながら、日程や体力などを考えて望みが叶いませんでしたが、一人でも短時間でも、「石と賢治のミュージアム」だけなら行けると思い立ちました。また昨年お亡くなりになった斎藤文一先生のご蔵書が寄贈され閲覧可能であることを知ったのもその大きな理由でした。

 

 この地で長く農村改革の思いを発信していた鈴木東蔵氏は、大正13年土地改良材としての石灰石粉を製造する「東北砕石工場」を創業しました。賢治との関わりは、昭和4年、東蔵氏が製品の改良のための相談に、病床の宮沢賢治を訪ねたことから始まります。共に農村の救済を目指していた2人は、以後往復書簡を交わします。

昭和6年2月、病癒えた賢治は、「東北砕石工場」に技師として就任します。炭酸石灰の販売や斡旋のために、パンフレットの作成や商品の命名、重い見本を持ってのセールス活動などに従事し、同年9月に主張先の東京で倒れるまで続きます。

「石と賢治のミュージアム」は陸中松川駅近くのゲートから始まるトロッコ道と「太陽と風の家」。旧東北砕石工場を主な施設として、平成11年4月に開館しました。

きっかけは、東山町が平成6(1994)年〜8(1996)年、「宮沢賢治・みちのくフォーラムin東山」を開催し、平成7(1995)年10月に『グスコーブドリの町』を宣言したことです。加えて、平成6(1994)、「東北砕石工場」が東山町に寄贈され、平成8(1996)年に産業分野の近代化遺産として登録されたこともありました。賢治と東蔵氏の農村にかける思いが、東山町及び「東山賢治の会」に引き継がれ、結実したのだと思います。

 

斎藤先生と「石と賢治のミュージアム」との繋がりは、「石と賢治のミュージアム」立ち上げに携わった吉成信夫さんが、平成11 (1999)年、斎藤先生に「第一回グスコーブドリの大学校」の講演を依頼されたのが最初でした。先生はその講演で、東山のエネルギー、精神、風土に惹かれたとおっしゃられたそうです。その後、賢治が全精力をかけて活動した東北砕石工場のある東山町こそが賢治を勉強するのにふさわしい場所だとして、ご自分の全資料・書籍の寄贈を町に申し出られました。それを受けて、平成15(2003)年、斎藤先生のご蔵書5000冊と東蔵氏のご子息鈴木實氏のご蔵書3000冊を所蔵する「双思堂文庫」が開館しました。「双思堂文庫」の名前は、「農民救済」、「みんなの幸せ」に賭ける、宮沢賢治と鈴木東蔵氏の2人の想いと、図書を寄贈くださった斎藤文一先生、東蔵氏のご子息實氏お2人の賢治への思慕に由来するものです。

 

 今から50年近く前だったと思いますが、賢治がまだマイナーだったころ、斎藤先生の小さな記事が新聞に載りました。賢治作品と科学的な事象との関係を述べられたもので、そのような作品へのアプローチを私は初めて知り、それ以来先生は私の秘かな目標となりました。でも斎藤先生は遙か雲の上の存在で、実際には読んだご著書も2冊のみ、晩年になられてから一度だけご講演をお聴きしただけで、ご業績に近づくことなど出来ませんでした。

後に見つけた、私の大好きな童話「十力の金剛石」についてのご論文、「「十力の金剛石」――「黙示録」風の光のヴィジョン――」(『国文学解釈と鑑賞61−11』(至文堂 1996年10月)では、主題となる露の輝きに、水の科学的変化と仏教の「一切衆生悉有仏性」の融合を説かれ、私のこの作品への想いが、一層明確なものになりました。 

 

初めて乗る大船渡線はかなり混んでいたのに、最寄り駅の陸中松川で下車したのは私一人でした。 賢治が通っていた当時は、石灰の輸送や従業員の足も列車で、もっと活況だったのでしょう。少し離れた山には石灰を切り崩した山肌が見え、いくつかの石灰関連の事業所が点在していますが、山並みに包まれて、ひっそりとしていました。

 陸中松川駅は無人駅の上、人影も全く見えず、ミュージアムへの道を聴くこともできませんでしたが、少し離れて所に小さな目印と入り口ゲートがあり、枕木を模した道が続いているので辿っていきました。途中に「蛙のゴム靴」をイメージした彫刻や、「月夜のでんしんばしら」、クワガタ、アンモナイトなどのオブジェ、「太陽と風の塔」など、青い空に溶け込んで、もう賢治の世界でした。

 ミュージアムの中心部「太陽と風の家」では、いつも「グスコーブドリの大学校」に参加している友人が、前もって知らせてくれていたので、館長さんがご案内下さいました。

展示室では東北の気候や農村の貧困、それを石灰によって解決できると信じた賢治や東蔵氏の熱い想いを感じることが出来ました。

化石展示室では、東山町内で採集された鱗木や日本最古のアンモナイト、世界の化石など豊富な収集品があり、一部を除いて触れることもできます。身近にあったという豊富な化石は、賢治の土や地球に対する強い想いにつながっていったのだと思います。

紫外線で光る石、音の出る石、その他岩手県以外からも幅広く蒐集した美しい鉱石の数々、知識は無くても美しさだけでも圧倒されます。職員の方々の賢治や石に対する深いご見識と情熱を感じました。

 

 「双思堂文庫」は一部を除いて開架式で手に触れる事ができる、というのも希有なことです。斎藤先生のご蔵書は、ご専門の科学書はもちろん、賢治研究書、仏教関係書、賢治の本棚にもあったという『化学本論』、また美術雑誌『みすず』、「月面着陸」や「オウム真理教」関係のスクラップなど、その幅広さに圧倒されました。

 賢治の高等農林学校時代の同人誌『アザリア』のガリ版刷のコピーに初めて触れて胸が熱くなりました。また、なかなか目にすることが出来なかった、賢治研究誌『イーハトーボ』のコピーもありました。 

そのほか、東蔵氏あての賢治の書簡や「雨ニモマケズ」手帳も、高品質コピーで見ることができます。蒐集、保存にかける職員の方々の姿勢に心から敬服いたします。

 

 その後の予定もあって2時間ほどで失礼しました。心に残る暖かさや宝石の輝きは、農村のために命を賭けた賢治や東蔵氏、その想いを引き継いだ東山町、東山賢治の会、ミュージアムの職員の皆さんの想いなのだと思いました。

付近の山から、まだ私の居住地では聞けないカケスの声がしました。今度はもっとゆっくりと、双思堂文庫の本を読み、化石や宝石を見て、賢治も歩いたはずの工場跡や周辺の石灰の山、砂鉄川の水辺も歩きたいと思います。