宮澤賢治、風の世界

宮澤賢治の作品を彩る言葉と風を追って宮澤賢治の世界を訪ねよう。 賢治は風という言葉に何を託したか。風を描くためにどんな言葉を選んだか。 賢治は何を求めて風の中に身を置いたのだろう。 そこに少しでも近づきたくてページを埋めていく。
 
永野川2025年8月下旬
24日 5:30〜7:30 晴 28℃

 よく晴れていましたが、蒸し暑くなく歩きやすい日でした。
 睦橋に出ると、セグロセキレイが活発に動いていました。
 カルガモが4羽、1羽、3羽、と見えます。
 ツバメが2羽、遡っていきました。
 高橋のそばの大きな民家のケヤキに、ヒヨドリが2羽、飛んで入りました。ヒヨドリに会うのは久しぶりです。
 
 公園の池にはまた変化があって、東池の赤い粉は減ってきましたが、浮草が出てきました。西池の浮草は枯れてきたようです。ひょっとして、ここにも除草剤を撒いたのでしょうか。
 そんなわけで、鳥は一羽も見えず、カイツブリの消息が気がかりです。
 サクラの木で久しぶりにコゲラの声を聞きました。サクラも弱っているのでしょうか。
 
 大岩橋の少し上の電線に4羽、鳥が止まっていました。尾が長くスズメではありません。ホオジロの目立った特徴がなく細身でしたのでホオジロの幼鳥かと思いました、すぐに河川敷の草むらに消えていきました。ホオジロの幼鳥は初めて会いました。ここでも生命がうけつがれているのを知って感動しました。
 大岩橋河川敷の樹木が伐採されたあとは、2メートルを超す大きな強い雑草だけが生い茂っているように見え、これからどうなるのか不安です。
 大砂橋近くの取水口にアオサギが2羽留まっていました。少し小さめに見えましたが幼鳥の特徴はありませんでした。
少し離れた林の中に1羽見え、この2羽も移動していきました。もしかすると営巣しているのかもしれません。また見に来たいと思います。
 林の中で、ヒヨドリによく似た少し大きな声が聞こえ、調べるとオオタカの餌乞いに近かったようですが、確認できないのでカウントはやめました。この頃猛禽にめったに会わないので、つい希望的観測をしがちです。
 
 赤津川の泉橋の上の小さな橋の下に、カワセミが止まっていました。あまり鮮やかではないように見え、やはり幼鳥でしょうか。ここでも順調に棲息が進んでいるのだったら嬉しいです。
 赤津川の中頃で、ずっと鳴いているモズがいます。またここでも増えていくでしょうか。
 いつもの鳥たちでしたが、確実に次世代が育っている感じで、少し楽しい探鳥でした。
 
キジバト: 赤津川岸の土手に1羽。
カルガモ:永野川睦橋付近4羽、1羽、3羽、公園2羽、計10羽。
ダイサギ: 大砂橋付近1羽。
チュウサギ:滝沢ハム付近水田3羽。
アオサギ: 大砂橋付近、2羽、1羽、合流点1羽、計4羽。
イカルチドリ: 永野川睦橋付近2羽。
モズ: 赤津川、水田で1羽。
カワセミ:赤津川、陶器瓦店付近橋の下で1羽。
コゲラ: 公園池近くのサクラの木で1羽。
スズメ:永野川睦橋付近1羽、1羽、計4羽。
ハシボソカラス: 永野川睦橋付近1羽、1羽、滝沢ハム付近1羽、
 赤津川3羽、計6羽。
ツバメ:永野川睦橋付近2羽、公園2羽、計4羽。
ヒヨドリ: 永野川高橋付近民家で2羽。
ウグイス:公園1羽、大岩橋付近1羽、計2羽。
セッカ: 赤津川水田1羽。
セグロセキレイ:永野川上人橋から二杉橋、4羽、2羽、2羽、1羽、  
 公園1羽、2羽、大砂橋付近1羽、合流点1羽、赤津川1羽、
 計15羽。
シジュウカラ: 公園樹木で1羽。
ホオジロ: 大岩橋付近河川敷近くの電線で幼鳥4羽。
ガビチョウ:永野川二杉橋付近1羽、公園1羽、大岩橋付近1羽、
 滝沢ハム付近1羽、計4羽。

 







永野川2025年8月中旬
15日 晴 26℃ 6:30〜9:30 
 日差しはありましたが、蒸し暑くなく歩きやすい日でした。
 合流点付近は大きな中州と草むらがあり、たくさん鳥たちが隠れていそうです。
 草むら近くにカルガモのファミリー5羽がいました。
 一瞬カワセミが橋の下をくぐっていきました。
 草むらの岸をキセキレイが歩いていました。先先回も見たので、ここに生息しているか、と嬉しくなりました。
 護岸にハクセキレイの幼鳥が歩いてきました。セグロセキレイも来て、ここは水辺の鳥の棲み処のようです。
 電線に堂々としたハシブトカラスガ留まっていました。
 ここを中心にして鳥見をしてみたいと思いつつ、なかなか果たせません。
 赤津川には、セッカの声がしていましたが、いつもいるチュウサギなどのサギ類、ツバメなど全くいませんでした。
 
 大岩橋付近の林縁の大木に、何種類かの鳥が来て鳴いていました。残念ながら姿は見えません。一羽、小鳥らしい声で鳴く鳥がいました。帰って鳴き声図鑑に当たってみると、ムシクイ類ではなさそうで、おそらくはメジロと思います。メジロは時折観察されています。
 ガビチョウが何か所かで聞こえましたが、大岩橋河川敷から1羽が特に大きな声で鳴いていた、と思うと目の前に飛び出して鳴いていました。特定外来生物ではなければ、声もきれいで、会うのも楽しみなのですが、声の大きさや、増え続ける予感がして、今一感動できません。
 
 公園の東池はいまだに赤く、その中でカイツブリのヒナ1羽は無事に成長しました。顔の模様が消えてきて、嘴の黄色が目立つだけになり、今日は巣を離れて泳いでいました。他の2羽は、かなり離れたところで、潜水を繰り返していました。
 西池にも1羽います。こっちの方が少しは状態がいいようなので、東から移ってくればいいのに、と思いますが、やはりいろいろな条件があるのでしょう。
 
 公園の法面の草は、少し遅れて刈り取られましたが、何とかキツネノカミソリは無事開花していました。去年より勢いはないようですが、今年も咲いたことが嬉しいです。気遣って刈り取りをしてくれたのなら、なおのことですが……。
 
 クズが茂り始めました。宮沢賢治は温泉施設の花壇設計にあたり、縁取りなどにクズや林の樹木を移植しました。花巻市郊外の広大な場所で、きっと自然にマッチしたものになったと思います。
 少しの配慮があれば、自然をうまく取り込むことができ、費用も抑えられるでしょう。緑地公園としては、考えてみても良いと思います。
 
カワウ: 大砂橋付近1羽。
カイツブリ:公園西池1羽、公園東池1羽、1羽、1羽(ヒナ)
 計4羽。
カルガモ:合流点付近5羽(ファミリー)、2羽、永野川1羽、1羽、
 2羽、大砂橋付近1羽、永計12羽。
ダイサギ: 合流点1羽、1羽、大砂橋付近1羽、計3羽。
チュウサギ:滝沢ハム付近水田2羽、永野川二杉橋付近1羽、計3羽。
アオサギ: 合流点1羽、公園1羽、公園西池1羽、
 永野川二杉橋付近1羽、計4羽。
モズ: 大岩橋付近山林で1羽。
カワセミ: 合流点で1羽。
スズメ:合流点5羽、公園7羽、計12羽。
ハシボソカラス: 滝沢ハム付近3羽。
ハシブトカラス: 合流点1羽。
ツバメ:合流点付近2羽、2羽、永野川3羽、計7羽。
ウグイス:大岩橋付近1羽。
セッカ: 赤津川水田1羽。
セグロセキレイ:合流点付近1羽、1羽、公園2羽、永野川3羽、
 計7羽。
ハクセキレイ: 合流点1羽。
キセキレイ:合流点1羽。
メジロ: 大岩橋付近山林で1羽さえずり。
ガビチョウ:滝沢ハム付近2羽、2羽、永野川1羽、計5羽。

 
 







永野川2025年8月上旬
3日 6:00〜8:00 曇28℃

 少し出遅れたせいか、早朝なのに暑く感じました。日の出は遅れていても気温は高いようです。
 睦橋付近で永野川に出でると、セグロセキレイが元気、カルガモもヒナは独立したらしくみな大きくなっていて9羽そこここに見えました。
 おそらくコチドリが2羽、大きな声で鳴きながら下流へ飛び去って行きました。その後公園でも2羽、上流へ飛びましたが、さっき見たのと違う個体と思います。
 
 公園の西池は浮草、東池は赤い色で、依然としてよい状態ではありませんでした。
 東池には、カイツブリが2羽、1羽、別々にいて、中央に巣のようなものが見受けられ、まだ顔には模様があるヒナが1羽、あまり移動せずにいました。親は離れてしまっているようです。ちゃんと育つのか心配になりました。この赤粉は何なのでしょう。
ヒクイナ?はいませんでした。
 公園の川は川の流れが変わってしまって、中洲が大きくなっていて、草むらをホオジロが3羽、移動しながら囀っていました。この草むらがこのまま育つなら、草むらに棲む鳥が集まるでしょう。でも川の流れを考えたら、この草むらが最初に取り除かれるでしょう。
 
 大砂橋付近の中州で、キセキレイが3羽、下流へ飛びました。またその後も上流から3羽下ってきて下流へ飛んでいきました。この地域でこの数は初めてです。
 カルガモが小さなヒナ3羽をつれていました。今年初めて小さなヒナを見ました。
 
 赤津川のチュウサギ、今日は5羽でした。
 その近くの畔を、キジが1羽のんびり歩いていきました。キジも減ってしまいました。
 九反田橋から合流点を覗いた瞬間、コサギがちらっと黄色い脚を見せて飛び去りました。良い瞬間!コサギを確認できました。
 思いがけない暑さで、なぜか体に応えました。あと30分早く来ないと、鳥たちにも会えないのかもしれません。
 
キジ 赤津川田の畔に1羽。
カワウ: 永野川睦橋付近上空1羽。
カイツブリ:公園東池1羽、2羽、1羽(ヒナ)計4羽。
カルガモ:永野川睦橋付近2羽、3羽、4羽、
 大砂橋付近4羽(ヒナ3羽)、合流点3羽、7羽、2羽、1羽、
 赤津川3羽、計29羽。
ダイサギ: 大砂橋付近1羽。
コサギ: 合流点1羽。
チュウサギ:赤津川水田5羽。
アオサギ:公園池1羽、 合流点1羽、大砂橋付近1羽、計3羽。
コチドリ: 二杉橋付近2羽、公園2羽、計4羽。
モズ: 滝沢ハム構内1羽。
スズメ:公園5羽、3羽、2羽、赤津川7羽、12羽、計29羽。
ハシボソカラス: 滝沢ハム付近1羽、赤津川1羽、公園1羽、計3羽。
ハシブトカラス: 合流点1羽。
オナガ: 赤津川1羽。
ツバメ:永野川2羽、滝沢ハム付近2羽、赤津川2羽、計6羽。
ウグイス: 合流点1羽。大岩橋付近3羽、計4羽。
セッカ: 赤津川水田3羽。
セグロセキレイ:永野川2羽、1羽、2羽、公園2羽、合流点2羽、
 計9羽。
キセキレイ: 大砂橋付近3羽、3羽、計6羽。
ホオジロ: 公園、川の中州で3羽。
ガビチョウ:公園1羽、大岩橋付近2羽、計3羽。

 
 
 







永野川2025年7月下旬
27日 6:00〜8:00 晴 28℃
 
 少し遅れてしまいました。
 合流点ではアオサギが1羽、中洲の水辺でたたずみ、少し離れた永野川のワンド付近でも1羽見えました。 久しぶりで、カイツブリが2羽泳いでいました。
 セグロセキレイが2羽、1羽と舞う中、1羽が少し細い声で鳴きながら飛び立って錦着山の裏手の水田に飛んでいきました。ちらと見えたおなか、キセキレイでした。1羽でも来てくれるのは嬉しいことです。
 赤津川の水田、今日もチュウサギ10羽の群れが来ていました。今日は他のサギはまじっていません。ここは何の変哲もない水田ですが、セッカ、ケリ、ヒバリ、コチョウゲンボウなど数多くの鳥に会えます。

 今日のトピックス、ヒクイナ?です。
 公園の西調整池は、今年も浮草が一面にはびこって鳥の場所がありません。中にアオサギが1羽、頑張って採餌していました。
 その近くに1羽、カルガモ?と思って見ると、嘴の黄色がなく細くて小さく、羽の模様がなくて、姿勢もたっている感じです。ふと、ヒクイナ?と思ったのですが、顔の赤みがあまり感じられません。脚も水につかっていて赤色が確認できず、いろいろ不安のまま家に帰り、図鑑をあたってみましたが、似たものはヒクイナが一番でした。
 バードリサーチでは、ヒクイナの可能性が高いとはおっしゃってくれましたが、肝心な脚、顔の色の確認ができず、やはりここでヒクイナとカウントするのは無理かと思います。
 もう一度見たい、と思っても無理なのが探鳥の悲しさです。この住みにくそうな池に再び来てくれるかもわかりません。もう一度見たら絶対確認!を誓いました。
 
 もう一つ、悲しかったのは、隣の東池が一面、赤く染まっていたことです。ここだけなぜでしょうか。
 さらに辛かったのは、そこに今年はあきらめていたカイツブリの親子3羽がいたことです。ヒナは1羽、親鳥の半分くらいで、もう巣はよく見えませんが、そこから離れていない親鳥にくっついていました。ここで成長できるのでしょうか。隣の池に行けばいいと思いますが、それもハードル高く、そこも浮草がいっぱいです。
 
 公園の広い範囲の草地は刈り取りが終わっていました。やはり除草剤の影響はなくならず、枯れた草が残った汚い広場になりました。専門家ならば結果を見通して作業をしてほしい、この広さに撒いた除草剤はどれほどの費用が掛かったのでしょう。+人手間、+薬剤の危険性、考えてみてほしいです。
 
 ツバメやスズメは新しい命が生まれたようです。電線にならぶ幼いツバメ、道路を警戒心なく群れる小雀、カウントが追い付きません。ここが命の誕生の場であること、大切にしたいと思います。
 
カワウ: 永野川二杉橋付近上空1羽。
カイツブリ: 合流点2羽。公園東池3羽(ヒナ1羽)計5羽。
キジバト:赤津川2羽。
カルガモ:合流点1羽、8羽、赤津川1羽、5羽、永野川2羽、
 計17羽。
ダイサギ: 大砂橋付近1羽。
チュウサギ:赤津川水田10羽。
アオサギ: 合流点1羽、1羽、大砂橋付近1羽、公園池1羽、計4羽。
スズメ:赤津川12羽、大岩橋付近5羽、永野川5羽、計22羽。
ムクドリ: 公園12羽、
ハシボソカラス: 赤津川1羽、公園1羽、計2羽。
ハシブトカラス: 永野川1羽。
ツバメ:合流点1羽、赤津川4羽、9羽、公園5羽、計19羽。
ヒヨドリ: 大岩橋付近2羽。
ウグイス: 合流点1羽。
セッカ: 赤津川水田2羽。
セグロセキレイ:合流点2羽、1羽、大砂橋付近3羽、永野川3羽、
 計9羽。
キセキレイ: 合流点1羽。
カワラヒワ: 赤津川2羽、永野川上空3羽、計5羽。
ホオジロ: 公園1羽、大岩橋河川敷1羽、計2羽。
ガビチョウ: 合流点1羽、公園2羽、永野川1羽、計4羽。
 

 
 







2025/07/25 10:16:23|わたしたちと兄
姉たち  二
追悼
 5月末、姉妹の中で一番元気だった長姉キク子が96歳で亡くなりました。昨年12月には電話で元気な声を聞かせてくれていました。その後施設の関係で電話も難しく、そのままになっていました。
 5月初めに、絵葉書を出しました。お嫁さんから電話があって姉が喜んでいて「返事を書きたい」と言っていることを聞きました。
 そのとき、今年に入って転んで大腿骨骨折し車椅子生活となり施設も変わり、すっかり元気が無くなったようだとのことでした。私はいつもの悪い癖で、そんな重大なこととは考えず、自身の手術を控えていたこともあって、落ち着いたら行きたい、と思っていました。 そして訃報、もう一度会えるとばかり思っていたのに……。
 
 葬祭はいつもあわただしく過ぎます。
 葬儀場に着いたとき、フルートとピアノの生演奏で迎えられました。音楽好きだった義兄や甥の想いが伝わる気がしました。
 棺の中で、姉は一回り小さくなったようでしたが安らかでした。そして棺に入りきれないほどたくさんの花が用意されていて姉を包みました。祭壇よりも何よりもこの豪華さが一番の手向けだった気がします。
 甥の話では、最後に施設を訪ねたときは普通に元気だったのですが、その2日後に施設から息を引きとった旨知らせを受けたとのことでした。
 姪から死の3日前に面会に行った時の写真を送ってもらいました。最後まで、きちんと生きた証拠と思い写真を保存しました。
 
 姉は、大塚布見子氏主催の短歌結社「サキクサ」に結社終了まで所属し、第一歌集『ともしび』(平成3年)に続いて第二歌集『雨夜の花火』(平成11年)を上梓しました。第一歌集については、「姉たち一」にも触れたので、ここでは、第二歌集を少し読んでみたいと思います。
 第一歌集が若き日から綴られた日記のようなものであったのに対して、第二歌集は、充実した日々を描いた余裕あるものだと思いました。家庭裁判所の調停員をしていた時の逸話や大病を克服した折の歌もありますが、多くが旅行の折に書かれた優れた羇旅歌でした。私自身は旅先ではなぜか詩作も文章も書けないことを思うと、やはり姉は優れた歌人だったのだと思います。
 巧みに風景を映しとった短歌のなかで、津和野を訪れた際のこの歌は
 
  この町に住むはどの人殿町を歩めるはなべてよそびとと見ゆ
 
違った面を鋭く突いた歌です。
 
 姉は晩年、住まいが近かった群馬県立土屋文明記念文学館でボランティアをしていました。一度私も訪ねたことがあり、真新しい施設の豊富な資料の中にいる姉が、誇らしくもあり羨ましかった気もします。そこに訪れる子供らや知り合いとの交流の短歌とともに
 
  閲覧室の大き窓より見ゆるもの古墳ゴルフ場遠き山脈(やまなみ)
 
は、記念館の風景を一筆で描いています。最初に私が惹かれた文明の短歌
 
  故郷の山の写真を引きのばし雲ある空にこひつつぞ居る(『小安 
   集』)
 
の現在を描いていると思います。
 
 私の思い出と重なるのは、
 
     烏瓜の花
  幼な日の遠き記憶に咲く花の烏瓜は白しまぼろしに似て
  学校の長き生垣に連なりて夜目にしろしろ咲く烏瓜
 
 実家のそばの小学校だと思います。ここの生垣は長くて烏瓜がたくさん絡まり、私が幼いころにも夕方家族で見に行った覚えがあります。きっと姉の幼少のころからの記憶の中にも、残っていたのでしょう。それだけ烏瓜の花の闇に咲く白さ、はかなさは飛びぬけていたのだと思います。姉は自宅にも烏瓜を植えていたと思われ、
 
  ゆふべ見し烏瓜の蕾忘れゐて駈けゆけどすでに花の萎るる
  今日こそと夕闇の庭に出で見れば今し開きたるからすうりの花
  かそか震ふはなびらの先は糸のやう薄絹のやうに烏瓜咲く
 
 姉が詠った美しいものは、たくさん私の中に残っています。でももう思い出として語り合うことはできなくなったのだという事実を突きつけられます。
 この先を生きる者としては、今と未来の中にさらに美しいものを探していくことが、姉にもらった数々の恩恵に応えることになるでしょうか。

 
 
 







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