宮澤賢治、風の世界

宮澤賢治の作品を彩る言葉と風を追って宮澤賢治の世界を訪ねよう。 賢治は風という言葉に何を託したか。風を描くためにどんな言葉を選んだか。 賢治は何を求めて風の中に身を置いたのだろう。 そこに少しでも近づきたくてページを埋めていく。
 
種山ヶ原の風たちU―Wind Gapの意味―  
若き耕地課技手のIrisに対するレシタティヴ(「春と修羅第二集補遺」)
 
測量班の人たちから
ふたゝびひとりぼくははなれて
このうつくしいWind Gap
緑の高地を帰りながら
あちこち濃艶な紫の群落
日に匂ふかきつばたの花彙を
何十となく訪ねて来た
尖ったトランシットだの
だんだらのポールをもって
古期北上と紀元を競ひ
白堊紀からの日を貯へる
準平原の一部から
路線や圃地を截りとったり
岩を析いたりしたあげく
二枚の地図をこしらえあげる
これは張りわたす青天の下に
まがふ方ない原罪である
あしたはふるふモートルと
にぶくかゞやく巨きな犁が
これらのまこと丈高く
靱ふ花軸の幾百や
青い蝋とも絹とも見える
この一一の花蓋と蕋を
反転される黒土の
無数の条に埋めてしまふ
それはさびしい腐植にかはり
やがては粗剛なもろこしや
オートの穂をもつくるだらうが
じつにぼくはこの冽らかな南の風といっしょに
あらゆるやるせない撫や触や
はてない愛惜を花群に投げる
 
  「種山ヶ原」下書稿一パート二から発展した〔行きすぎる雲の影から〕(「春と修羅第二集補遺」)は、「種山ヶ原の風たち」Tで取り上げた、〔朝日が青く〕と、比較的近い風景が描かれていますが、パート二から三となり、そこから発展した「若き耕地課技手のIrisに対するレシタティヴ」は、放牧場整備のために除去されるIrisについて語られます。
 耕地課とは 昔の稗貫郡か江刺郡の役所の一つの部門で、農学校の教員だった賢治がこの日、耕地課の測量の手伝いをする目的で訪れていたことが推察でき、「耕地課技手」は賢治自身です。そこで目にしたものは、Irisの群落でした。
 Irisはアヤメ科アヤメ属の植物の総称で、ここでは高原に自生する花種で、「紫の群落」をつくっています。詩中で賢治は「かきつばた」と言っています。
この詩の先駆形、「種山ヶ原」下書稿パート二は
わたくしはこのうつくしい山上の野原を通りながら
日光のなかに濃艶な紫いろに燃えてゐる
かきつばたの花をなんぼんとなく折ってきた
じつにわたくしはひそまる土耳古の天の下の
ひとりの貪欲なカリフであらう
それはなるべく(数文字不明)
華麗な花を奪ひあつめて来たのだから、
且つはいくたびこのなだらな高原を刺し
その黒褐の量や表土の深さを記録して
勝利に酔ったひとりのカリフでわたくしはある
……中略……
あゝわたくしはいつか小さな童話の城を築いてゐた
何たる貪婪なカリフでわたくしはあらう  
  ……寂かな黄金のその蕋と
    聖らかな異教徒たちの安息日……
わたくしはこの[一きれの→削除]数片の罪を記録して
風や青ぞらに懺悔しなければならない
 
まだ花の美しさに心を奪われて摘み取り、大地を突き刺して測量してカリフの如く酔っていると言う感覚が強く、懺悔の心は最後の一行のみ、風や青空に対してのものでした。
 定稿「若い耕地課技手のIrisに対するレシタティヴ」では、この測量のあとに来るものに想いが及び、さらに現実的な強い言葉による懺悔が書かれます。「巨きな犂」によって覆され、地中に埋められ黒土に変わり、作物を実らせることに貢献するIrisなのですが、賢治の胸の中には咲き乱れるIrisの残像とともに怒りとも切なさともつかないものがこみ上げています。
 まず「古期北上と紀元を競ひ/白堊紀からの日を貯へる/準平原の一部から」と土地の成り立ちから考えます。遠い歴史と太陽の遺産である大地、人間の都合で人間の社会に組み込まれていく大地への哀惜と、輝く紫色の消失への悲しみが、力強い言葉の端々から感じられます。「種山ヶ原」下書稿では、描ききれなかった想いを、あらためて詩稿をつくることによって表したのだと思います。
 
「若い耕地課技手のIrisに対するレシタティヴ」下書稿には、後半がありました。
 
二列の低い硅板岩に囲まれて
   たゞ恍として青ぞらにのぞむ
   このうつくしい草はらは
   高く粗剛なもろこしや
   水いろをしたオートを載せ
  向ふのはんの林のかげや向ふのはんの林のかげや
   くちなしいろの羊歯の氈には
   粗く質素な移住の小屋が建つだらう
   とは云へそのときこれらの花は
  無心にうたふ唇や
   円かに赤い頬ともなれば
   頭を明るい巾につゝみ
   黒いすもゝの実をちぎる
   やさしい腕にもかはるであらう
   むしろわたくしはそのまだ来ぬ人の名を
   このきらゝかな南の風に
   いくたびイリスと呼びながら
   むらがる青い花紅のなかに
   ふたゝび地図を調へて
   測量班の赤い旗が
   原の向ふにあらはれるのを
  ひとりたのしく待ってゐやう
 
 開墾された土地には人間の生活が始まり、そこにIrisと同様に可憐な女性が登場することを想像しています。定稿では測量と、その後の開墾の予想の事実だけを描き、そこに広がっていたIrisの美しさと、開墾の無残さを一層強く感じさせます。

 この詩で、「風」に関する言葉は、唯一〈このうつくしいWind Gap/緑の高地を帰りながら〉のみでした。Wind gap は地学用語で「風隙」、水隙の対語で、水のない谷です。誤解を避けて幾つかの解説をそのまま記します。
 
尾根筋の鞍部で,かつては川の流路の一部であったが 争奪を受けて恒常流を失った化石河川。横ずれ断層に より形成された閉塞丘により形成される場合がある。(応用地質用語集委員会応用地質学用語集 」(2029,11,25 日本応用地質学会JSEG_yougo.pdf)
 
谷地形は河川の侵食により形成されるため、谷底には水流があるのが普通である。このような谷のことを水隙と呼び、それと対比させる形で水流のない谷のことを風隙と呼ぶ。水流により谷が形成された後に、何らかの地学的なイベントが起こり、水流が消失すると形成される。河川争奪により、河川の水流がなくなることによってできる場合や、活断層の運動によって谷が切断されできる場合がある。地形学的な意義は、風隙が稜線付近に連続的に存在する場所には、活断層があることが多い。そのため、活断層調査において、その分布が調べられることが多い。(ウィキペディアの解説)
 
 風隙の成立段階においては、風そのものとは関係ないようです。
 それで、英語の意味から調べてみようと研究社『新英和大辞典』 第五版 (大型版初刷 1982年9月)のWind Gap の項を見ると
 
川の流れが変わったためにもとの谷底部分が山の背の一部にV字形の鞍部になっている所、
風の通り道になる尾根の切れ目。
 
とありました。賢治がこだわったのは、この「風の通り道」だったのではないでしょうか。
 
 詩の下書稿「種山ヶ原」のパート二の書かれた第一葉裏面にもWind Gapのメモがあります。
さらにwind gapは、もう一例〔青ぞらは〕一九二七、四、二二、(詩ノート 下書稿) に
    
青ぞらは
ひとの白い咽喉を射る
山鳩ねむげにつぶやくひるま
風の〔軋〕りと wind gap の上の巨きな石窟 . . .
 
があります。
 下書稿では最初pass (峠)としたものを、wind gapに変え、「空谷」を併記してあります。
 
 管見した限りでは、「風隙」を用いた詩はなく、賢治は「wind」という「風」を表す言葉を大切に使ったのだと思います。
 
 賢治は「風」という言葉、または文字への愛着で、「風」の付く言葉を使っているかとも考え、ネット上で拾った地質学用語、風成、風積、風洞、風りょう石、『土木工学辞典 』(日刊工業)に掲載の用語、風荷重、風琴振動、風域図、風洞試験、『地学事典』(古今書院  昭和63)に掲載された風圧、風化殻、風化阿系列、風化残量、風隙、風穴、風成層、風簸、風化層、風食、風塵、風成砂、風積土、風魔、を拾い出してみました。さらに「応用地質学用語集 」には五十余りの「風」を冠する語があり、これらの事項は何らかの風の影響を受けているのですが、詩には登場しません。童話では「青木大学士の野宿」に、岩石の風化そのままの意味で使われています。
 
 賢治は、この詩では風によって生じる状態ではなく、風の吹く状景に惹かれていたのだと思います。今後、広く文献にあたって詳考したいと思います。
 
 「レシタティヴ」は、オペラやオラトリオで叙述や会話の部分に用いられる朗読調の歌唱。叙唱です。賢治が多くの西洋音楽のレコードを持ち、豊富な音楽体験があることはよく知られたことです。西洋音楽に自作の詞をつけたり、作品中にも音楽用語がたくさん使われています。例えば「風林」(『春と修羅』)では「向ふの柏木立のうしろの闇が/きらきらつといま顫えたのは/Egmont Overture にちがひない」と、光の状態を比喩的に音楽用語で捉えています。
 賢治が特に気に入っていた楽曲の「レシタティヴ」を探してみたのですが、膨大な賢治の音楽体験を数日で探すことは困難でした。今後の課題です。
 ここでは、語の意味そのままに、歌い込むようにIrisの美しさを描こうという気持ちを表したのではないかと思います。またレシタティヴ―序唱―と言うことは、この後もっとこの詩を発展させようという意気込みだったのかも知れません。
 
 以上の二点から見ても、賢治の表現や風への想いを感じ取ることが出来る作品だと思います。
 
参考文献 石井竹夫 宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の発想の原点としての橄欖  
    の森 −カムパネルラの恋 前編−『人間・植物関係学会雑誌』17 (2) 15〜21ページ、2018、3
     佐藤泰平『宮沢賢治の音楽』 筑摩書房 1995
 
 
 







永野川2021年1月下旬
22日 薄曇 16℃
錦着山 13:30〜14:00
公園  14:00〜15:00
 
 曇りの予報だったのに、よい天気になりました。午後になったのですが、番外で、錦着山と公園だけでも見ようと思って出かけました。
 
 錦着山はいつものヒヨドリの声がほとんどせず、不安になりましたが、それだけ静かで、神社への階段付近でシメの声を聞きました。落葉樹の大木でシメが3羽、確認したのですが、すぐに飛び去ってしまいました。北側を廻って頂上に行く途中で、たくさんの小鳥が飛び頂上に向かっていきました。
 頂上の西の広場で、メジロ7羽、エナガ3羽、コゲラ1羽、シジュウカラ2羽まで確認出来ました。場所も季節的にもよい探鳥地だと思います。
 
 錦着山裏から合流点に出ました。
 田の電信柱に一瞬小型のワシタカが田から飛んで停まってくれました。顔の模様からチョウゲンボウと確認しました。近くで見られて幸いでした。ハヤブサの仲間の特徴的な顔で、これは識別できます。胸の模様は縦班であることを始めて確認出来ました。
 合流点から上人橋、公園に続く草むらが一面に刈り取られて、広い平原状態になっていました。見通しがよくなり、ケリが2羽、白い羽を見せて移動して、他にアオサギが1羽、ツグミが1羽、キジバトが1羽、モズが1羽、点々と見えて、なぜかよい探鳥地になったような錯覚に見舞われました。でも、この草むら状態が、どんな風に変わっていくのか不安です。通り抜けられていた、通行止めの柵が厳重になり、自転車で通るのはとても危険でしたがなんとか通り抜けて公園の方に出ました。次はこの風景をどこから見ればよいのでしょう。
 
滝沢ハムの池付近。
 池にはカルガモ26羽、コガモ18羽、ヒドリガモ2羽,ダイサギが5羽、来ていました。
 広葉樹にはツグミとシロハラが近い場所にいました。またの機会に来れば、また別の鳥が来ているかも知れないと思い、楽しみです。
 滝沢ハムの敷地内の大木のてっぺんにダイサギが1羽停まっていました。ダイサギが集まってくることは公害と見なされるので、そうならないように祈ります。
 
 大岩橋上は既に夕暮れに近い雰囲気でした。
 カケス4羽くらいと思われる声が聞こえました。
 電線に留まっていた鳥が一瞬聞き覚えのない声で鳴きましたが、モズの鳴き真似だったことが分かりました。他の小鳥類は確認出来ませんでした。
 
 公園の川で、対岸にシメ3羽、ツグミ1羽、キジバト1羽、川の浅瀬に、ハクセキレイ1羽、セグロセキレイ1羽、キセキレイ1羽、イカルチドリ1羽、何か勢揃い、といった感じでした。その後、イカルチドリが2羽、声を上げて舞い上がり、また下りて歩いていました。
 サクラ並木にエナガが4羽確認出来ました。
 公園の池には、なぜかコガモが1羽のみでした。本当になぜ?と思ってしまいます。
 時間もコースも違いましたが、また違う気分で、少しゆったりと鳥を楽しめた気がします。それにしても、川の工事が気になります。一日も早い終了と自然の回復を願います。
 
26日
永野川赤津川 9:30〜11:30 晴 13℃
 
 曇りの予報でしたが、晴れていたので決行です。
 二杉橋から入ると、上流の工事と、冬場の水涸れで(伏流水のため)河床が広く見えていました。
 岸の藪はほとんど刈り取られているのですが、ウグイスが地鳴きしていて少し救われました。また少し刈り残された草むらでカシラダカの声が聞こえました。
 上人橋までの間、ハクセキレイ、セグロセキレイが1、2羽、飛び交っていて、アオサギ、ダイサギが羽を休め、アオサギ1羽が大きな民家の大木のてっぺんに停まっていました。
 上人橋上の河川敷ではダイサギが12羽の群れがいました。
 
 東駐車場への道が通れないので、先に公園の池に廻りました。東池にはカルガモが35羽、ヒドリガモが8羽、西池にはヒドリガモ8羽、今年はヒドリガモが少なめです。
 西池にカワウが3羽、カワウは久しぶり、ここではこの3羽は珍しいことです。
 川に下りてくると対岸の木にシメが2羽。シジュウカラも3羽、やはり川は良い場所です。シメは大岩橋の河川敷林で3羽見つけました。
 
 大砂橋と大岩橋の中間辺りの対岸でカケスの声が聞こえ、動きがあって低木の上に出てきました。羽は見なかったのですが、茶色の顔が確認出来ました。
 ジョウビタキの声が聞こえ、雌が養護施設のフェンスに停まっていました。声のみのことが多い場所で、姿を見るのは珍しいことです。
 
 滝沢ハム近くのサクラ並木でコゲラが盛んに鳴いていました。
 少し離れている、川の北岸の低木でエナガの声が聞こえました。なんとか双眼鏡に入れることが出来、5羽確認しました。
 滝沢ハムの池近くの雑木で、ホオジロが3羽飛び交っていました。
 池にはコガモ17羽、カルガモ4羽、ダイサギが2羽、重要な水場となっているようです。
 
 赤津川ではかなり大きな工事となっていますが、水たまりでアオサギが餌を狙っているのか佇んでいたりするので、たくましいな、と思うと同時に気の毒になります。
 工事がない民家が近い辺りで、コガモ10羽、カルガモ4羽がみえました。
また岸辺の草にはアオジが動いていたし、カワセミも1羽久しぶりに暫く目の前を行き来してくれました。
 錦着山裏辺りまで来て田んぼにムクドリが9羽、ツグミが1羽採餌して歩いました。ごく普通の風景ですが、気分が安らぎます。
 カワラヒワの数も増えてきました。
 鳥たちは、変わって行く環境の中で必死に生きているように思えます。一刻も早く、充分な環境が回復しますように。
 
カルガモ:公園東池で35羽、西池で1羽、滝沢ハム池で4羽、赤津川で4羽、7羽、計51羽。
コガモ:滝沢ハム池で17羽、赤津川で10羽、計27羽。
ヒドリガモ:公園西池で8羽。東池で8羽計16羽。
マガモ: 赤津川でカルガモに混じって1羽。
カワウ: 公園西池3羽。
キジバト: 公園1羽、滝沢ハム1羽、赤津川1羽、計3羽。
アオサギ:永野川で1羽、1羽、1羽(民家の木の上)、公園池で1羽、川で1羽、1羽、赤津川で1羽、計7羽
ダイサギ:永野川で4羽、1羽、公園12羽、滝沢ハム池2羽、計19羽。
モズ:大岩橋付近田で1羽、赤津川で1羽、計2羽。
カワセミ: 赤津川で1羽。
コゲラ: 滝沢ハム付近サクラ並木で1羽。
ハシボソカラス・ハシブトカラス特に目立った群れはない。
カケス: 大砂橋近くの対岸の低木で1羽。
ヒヨドリ:今月に入ってめっきり減ってきている。
ウグイス: 二杉橋付近1,大岩橋付近山林で1計2羽。
ムクドリ: 錦着山裏の田に9羽、
スズメ: 錦着山裏の田100羽+、赤津川岸に100+、移動の群れが多い。
ハクセキレイ: 二杉橋上に2,公園池に1,計3羽
セグロセキレイ:二杉橋上に1羽、1羽、公園川にに1羽、3羽、2羽、1羽、 計10羽。
カワラヒワ:睦橋付近7羽、公園中洲で3羽、7羽、大岩橋河川敷林で4羽、赤津川で35羽、計56羽。
シジュウカラ:公園1羽、1羽、1羽、大岩橋河川敷林で1羽、計4羽。
ジョウビタキ:大岩橋付近で1羽、
エナガ:公園川岸低木に5羽。
シメ:公園の対岸の木に1羽、1羽、大岩橋河川敷林に3羽、計5羽。
ツグミ:公園芝生1羽。錦着山裏の田に1計2羽。
ホオジロ:滝沢ハム付近林で3羽。
カシラダカ: 二杉橋上岸の草地で1羽。
アオジ: 赤津川岸の草地で1羽。
 
 
 
 
 







永野川2021年1月中旬
14日 10:00〜12:00 晴 10℃
 
  予報通り、気温が上がってきて、動くのも大分楽でした。
 赤津川からはいりましたが、錦着山裏の田ではスズメが100羽単位で動いていました。赤津川の田でもやはり同様の羽音が聞こえました。
 暖かいせいか、多くの鳥が群れて目立つところに出てきました。
 まず赤津川の田で、この頃あまり見られなかったハクセキレイが10羽、群れて採餌していました。
 同じ田にケリも4羽現れました。
 合流点近くの河川敷にホオジロが一度に7羽、1羽と次々に現れて、向こう岸の河川敷に消えて行きました。このような数を見るのはこの頃めずらしいことです。
 また滝沢ハム池周辺の雑木林で、カシラダカが次々と草地から出てきて5羽となりました。
 キジバトも4羽現れ、キジまでが木の枝に飛び移りました。
 池にはコガモも36羽来ていました。
 ここは、この頃私のお気に入りの場所になりました。
 ムクドリが公園で14羽、永野川で10羽、赤津川で2羽とたくさん見えました。
 イソシギは、公園の川で1羽,永野川で2羽、複数でいるのを見るのは珍しいことです。
 カワラヒワは赤津川7羽、公園2羽、大岩橋河川敷林5羽、でこちらはあまり増えてきません。以前は100羽単位の群れも見えたのですが。
 同様にカルガモ、ヒドリガモもこの頃少なくなりました。 
大岩橋付近山林でノスリの声がしていました。もう一つ、トーンの違うピーという声がしたのですが姿は見えませんでした。チュウヒに近い声なのですが、ワシタカ不明種としました。
 永野川、赤津川とも工事が本格化してきました。公園のなかや、滝沢ハム周辺はまだまだ楽しめそうです。探鳥シーズンを、なんとか有効に過ごしたいと思います。
 
キジ: 滝沢ハム付近林で1羽。
カルガモ:滝沢ハム池で6羽、赤津川で10羽、計16羽。
コガモ:滝沢ハム池で36羽、赤津川で10羽、公園で2羽、永野川二杉橋付近で4羽、計52羽。
ヒドリガモ:公園西池で2羽。
マガモ: 赤津川でカルガモに混じって2羽、永野川で1羽、計3羽。
キジバト: 滝沢ハム林で4羽。
アオサギ:永野川で1羽、1羽、公園川で1羽、2羽、滝沢ハム池で1羽、大岩橋1羽、計7   
 羽。
ダイサギ:永野川で2羽、2羽、公園川で1羽、1羽、大岩橋付近で1羽、計7羽。
イカルチドリ:永野川睦橋付近で2羽、
イソシギ:公園川に1羽、永野川二杉橋〜睦橋手前に2羽、計3羽。
ケリ:赤津川田で4羽。
トビ:赤津川田で低空を1羽。
ノスリ:大岩橋付近山林で1羽。
不明種ワシタカ声:1羽。
モズ:滝沢ハム林で1羽、赤津川で1羽、計2羽。
ハシボソカラス・ハシブトカラス:特に目立った群れはなかった。
ヒヨドリ:数は多いが、特に目立った群れはない。
ウグイス: 大岩橋付近山林で1羽。
ムクドリ: 公園のサクラに14羽、永野川中洲に10羽,赤津川2羽、計26羽。
スズメ: 近着山裏田100羽+、赤津川岸に100羽+、群れで移動するものが多い。
ハクセキレイ:赤津川田に10羽、公園川に1羽、大岩橋付近1羽、計13羽
セグロセキレイ: 赤津川1羽、公園川に1羽、1羽、二杉橋〜睦橋で1羽、計4羽。
カワラヒワ:赤津川7羽、公園中洲で2羽、大岩橋河川敷林で5羽、計14羽。
シジュウカラ: 大岩橋河川敷林で2羽。
シメ:公園の対岸の木に4羽、大岩橋河川敷林に1羽、計5羽。
ツグミ:公園滝沢ハム付近1羽。
ホオジロ:合流点付近河川敷草地に7羽、1羽、計8羽。
カシラダカ: 滝沢ハム池付近の林に1羽、1羽、2羽、1羽、計5羽。
 







永野川2021年1月上旬
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
6日 10:30〜12:30 薄曇 5℃
 10:30まで用事があったので遅くなってしまいましたが、明日からの天候がよくないようなので出かけることにしました
 心配した風も、時折北風が吹く程度でした。川岸で西風に吹かれるよりは安全です。
 二杉橋付近から睦橋辺りまでの西岸がかなり広く護岸工事が始まっていて、岸のほとんどの木や草も除去という言葉がぴったりなほど綺麗になっていました。洪水に対して、護岸工事よりも、掘削による流水量の増加が効果的、という声も前から聞こえるようですが、一向にその気配はなく、木や草による、土手の強化のことも検討されません。でも専門的知識を求める力も無いので、心配しているのみです。しばらくは岸辺の鳥は望み薄で、川原も工事が入れば鳥は近寄らないでしょう。
 今日はまだ工事が本格的に始まらないのか静かで、セグロセキレイ、ハクセキレイ、ダイサギ、アオサギが其処此処で見られました。ダイサギはやはり多いですね。
 二杉橋のすぐ近くの東岸には少し草むらが残っていて、一瞬カシラダカが現れて消えました。貴重な場所です。
 公園に入るとやはりダイサギ、アオサギが目立ち、ハクセキレイも増えて来ました。
 カワセミが足元から飛び立ち対岸の低木に暫く停まっていました。待っていたのですが魚をとる気配はなく、飛び立ちました。少しのぼったところで、こちらの岸辺に1羽、さっきのものより少し大きめの個体が停まっていました。違う個体として2羽にカウントしました。
 ワンド跡で、カワラヒワの4羽と5羽の群れが見えました。
対岸の樹木にシメが4羽、一度に見られるのは、このところ珍しいことです。その他頭上を通って南に1羽、大岩橋の河川敷林で2羽、計7羽、今日はラッキーでした。
 今日のトピックスはワシタカ。
 まず公園の川の浅瀬に下りている、ヒヨドリ大のワシタカを見つけました。胸に茶色の横斑があることだけを確認出来たところで、岸辺の樹木に移っていき、背面がグレイで白い斑点が見えました。図鑑で一つだけ同じ写真が見つかり、ハイタカ雌一年換羽ということでした。今後は過眼線や尾まで観察できるようにしたいと思います。
 もう一例はノスリ。滝沢ハム近くの田の電柱に地面から飛び移って暫く停まっていました。た。ノスリも暫くぶりです。
 とりのなん子『とりぱん』情報によると、雪の前はワシタカが現れるとのこと。確かに明日の天気予報は低温と強風です。
 もう一つ、その近くにケリが3羽歩いていました。ここで見るのは初めてですが、ここは赤津川岸の田と続いているので充分考えられることです。
 公園の東池にはカルガモが25羽、西池にはヒドリガモが14羽。少なめです。或は結氷していたせいかもしれません。
 大岩橋河川敷林では、大きな草地が道から遠くなってしまって見えにくく、道際の草むらの中からホオジロの声が聞こえました。
 滝沢ハム付近のクヌギ林、コゲラの声が響いていました。林はすっかり葉を落としましたが、鳥影はありませんでした。
 滝沢ハムの池にはコガモが7羽のみ、赤津川にカルガモが28羽、マガモが雄雌、いくらか残っている水のある部分に群れていました。今年は受難の年なのかも知れませんが、少しでも飛来してくれることを祈ります。
 
 風も北風だったので、無事赤津川を過ぎました。明日からの寒さで、また冬鳥が増えてくるのでしょう。冬に弱い私はどこまで頑張れるでしょうか。
 探鳥を始めた20年ほど前に購入した防寒コートは暖かで手放せません。現在このメーカーの製品はとてもスタイリッシュになりましたが、昔ほど着やすくありません。鳥の前でおしゃれをしようとは思わないので、しばらくはこのまま頑張ります。
 
カルガモ:公園の西池で25羽、赤津川で2羽、25羽、6羽、計58羽。
コガモ:滝沢ハム池で7羽。赤津川で5羽計12羽。
ヒドリガモ:公園西池で14羽。
マガモ: 赤津川でカルガモに混じって2羽。
アオサギ:永野川で1羽、1羽、1羽、1羽、公園川で1羽、池で1羽、計6羽。
ダイサギ:永野川で1羽、2羽、2羽、1羽、公園川で1羽、1羽、1羽、大岩橋付近で1羽、滝沢ハム池で2羽、計12羽。
ケリ:滝沢ハム北側の田で3羽。
トビ:赤津川1羽。
ハイタカ:公園川で1羽。
ノスリ: 滝沢ハム付近田の電柱で1羽。
モズ:公園樹木で1羽、赤津川で1計2羽。
カワセミ: 公園川で1、1計2羽
コゲラ: 滝沢ハムクヌギ林で1羽。
ハシボソカラス・ハシブトカラス:特に目立った群れはありません。
ムクドリ: 永野川中洲に1、赤津川15羽計16羽。
スズメ: 公園の川の中洲の草むらに15、滝沢ハム北の田に30羽、30羽計75羽。
ハクセキレイ: 睦橋付近で1羽、公園で2羽、1羽、計4羽
セグロセキレイ: 二杉橋〜睦橋で1羽、1羽、1羽、1羽、公園で1羽、計6羽。
カワラヒワ:公園ワンド跡で4羽、5羽、大岩橋河川敷林で11羽、赤津川で22羽,計42羽。
シメ:公園の対岸の木に4羽、南岸に1羽、大岩橋河川敷林に1羽、1羽、計7羽。
ツグミ:赤津川で2羽。
ホオジロ:大岩橋河川敷林1羽。
カシラダカ: 二杉橋上川岸の草むらで1羽。
 
 







永野川2020年12月下旬
26日 10:00〜11:00 
 ここ2、3日、気温が下がって来ましたが、風もなく歩きやすい日でした。
 二杉橋付近はかなり水が減っていますが、清んでいます。
 カワラヒワが岸辺の草むらから7羽、11羽、と飛び出しました。
 少しのぼったところで西岸の木の枝にいる鳥が気になり、双眼鏡に入れるとシメでした。シメがここで見られたのは今季初めてです。公園の対岸の木にも3羽きていました。
 川岸でイソシギが1羽、ハクセキレイ、キセキレイが一瞬、鳴きながら飛び、セグロセキレイも其処此処で6羽、今日はよい日になりそうです。
 睦橋近くで、草むらではキジ2羽がけたたましく鳴き、一瞬で消え、岸辺の草むらでホオジロが2羽、上に出てきてくれました。
 今日のトピックスは、ダイサギです。
 二杉橋上空でダイサギが5羽遡って行き、その後、睦橋付近上空を、何と20羽の群れがやはり南から北へ向かい壮観でした。このところ10羽の群れも見ましたが、何か原因があるのでしょうか。上流の公園などでは、群れは見えず、あちこちで1羽、2羽見えるのですが、同一固体かは不明です。
 もう一つは、久しぶりのイカルチドリです。睦橋手前の中洲を、1羽、また1羽、浅瀬を走っていきました。公園の川の中洲でも3羽が一緒に行動していました。
 公園の桑の大木にシジュウカラが3羽確認出来ました。
 公園のエノキの枝にムクドリが2羽、群れではなく、一瞬、ツグミかと思いました。
 対岸の木の枝にツグミが1羽。シメも3羽、条件よく鳥が揃ったのに、急用ができ、ここまでとなりました。
 
27日 10:00〜11:30 晴 7℃
 昨日見なかった赤津川、公園の滝沢ハム側、大岩橋上、公園の池を回りました。時間も気温も同じ条件だったので、1日として記録をまとめることができました。
 今日のトピックスは、カケスです。大岩橋上で工事が始まってから聞こえなかったカケスの声が戻ってきました。そして山林で動きがあり、カケスが1羽、林縁に出てきてくれました。青い縞模様も、顔立ちもよく見えました。
赤津川では、アオサギが工事中の水の無い川で1羽、少し上で1羽ずつ2羽見えました。
 ダイサギも今日は群れでなく2羽、2羽、3羽、大岩橋付近で1羽に留まりました。
 ツグミは赤津川電線で2羽、滝沢ハム付近で1羽、大岩橋河川敷林で1羽、と分散していました。
 カルガモは赤津川に多く集まっていました。
 ケリが近くにいるのを知らずに移動していて、2羽が飛び立って気づきました。かなり多くへ行ってしまって、その後は見えなくなりました。
 滝沢ハム付近林で、ホオジロが木の枝に2羽、キジバトも1羽、シジュウカラも2羽、一瞬ですが、滝沢ハム植え込みの上をハイタカが横切って消えました。
 ここはかなりよい探鳥の場となっています。以前はヨシ原だったことを思うと残念な部分もあるのですが、それとは別に、多種の鳥を見やすくなったと言えるのかも知れません。池にも近付くことが出来、今日はコガモ14羽、ヒドリガモ9羽、と水鳥の有力な場所となっています。
 大岩橋河川敷林ではシメ、アオジを確認、ウグイスの声も聞こえました。大岩橋下の浅瀬にイカルチドリ1羽、昨日に続いての確認です。
 大岩橋付近山林でオオタカが1羽舞っていました。ハイタカとともに、今日はワシタカの日です。
 
 大砂橋付近の工事が始まり、以前カシラダカが見られた草地、対岸の林、竹林もすっかり取り払われました。これからはここでは期待出来ません。どこか草地を探さなければなりません。
 早く工事が終了し、再び自然が戻ることを待つばかりです。
 
キジ:永野川睦橋手前岸で2羽、公園で1羽計3羽。
カルガモ:公園の西池で21羽、赤津川で14羽、3羽、7羽、9羽、滝沢ハム池で1羽、計55羽。
コガモ:滝沢ハム池で14羽。
ヒドリガモ:公園東池で11羽、滝沢ハム池で9羽、計20羽。
キジバト: 滝沢ハム付近林2羽。
アオサギ:公園西池で1羽,川で1羽、赤津川で1羽、1羽、1羽、計4羽
ダイサギ:赤津川で2羽、1羽、3羽、永野川上空を5羽,20羽、公園1羽、1羽、計33羽。
イカルチドリ:睦橋付近で1羽、1羽、公園川3羽、大岩橋下で1羽、計5羽。
トビ: 公園上空1羽、赤津川1羽、大岩橋付近羽1計3羽。
ハイタカ: 滝沢ハム植え込みで1羽。
オオタカ:大岩橋付近山林で1羽。
モズ:赤津川で2羽。
カケス:大岩橋付近山林で2羽、林縁で1羽、計3羽。
ヒヨドリ:目立った群れは見えません。
ウグイス: 大岩橋河川敷林1羽地鳴き。
ムクドリ: 公園のエノキに2羽。
スズメ: 目立った群れは見えません。
ハクセキレイ: 睦橋付近で1羽、公園で1羽、赤津川で1羽、計3羽
セグロセキレイ: 二杉橋〜睦橋で2羽、1羽、1羽、1羽、公園で1羽、赤津川で1羽、1羽、大岩橋下1羽、計9羽。
キセキレイ:睦橋付近で1羽
カワラヒワ:永野川睦橋下で7羽、11羽、12羽、大岩橋河川敷林で1羽、15羽、計46羽。
シジュウカラ: 公園クワの大木2羽、1羽、滝沢ハム付近2羽、計5羽。
シメ:睦橋付近西岸の木に1羽、公園の対岸の木に1羽、2羽、大岩橋河川敷林に1羽、計5羽。
ツグミ: 公園の川岸の木で1羽、赤津川1羽、1羽、滝沢ハム付近1羽、計5羽。
ホオジロ:睦橋付近草むら2羽、 公園滝沢ハム付近2羽、計4羽。
アオジ: 大岩橋河川敷林1羽。