宮澤賢治、風の世界

宮澤賢治の作品を彩る言葉と風を追って宮澤賢治の世界を訪ねよう。 賢治は風という言葉に何を託したか。風を描くためにどんな言葉を選んだか。 賢治は何を求めて風の中に身を置いたのだろう。 そこに少しでも近づきたくてページを埋めていく。
 
永野川2023年5月上旬
5日 
9:30〜12:00 晴 25℃
 
 サギのコロニーは声がだんだん大きくなってきて、サギの種類もダイサギ、アオサギ、コサギ、ゴイサギと、揃ってきました。
周囲の方たちが協力してくれているのか、無関心なのか、でも存続できているのは珍しいと思います。
 
 二杉橋から入るとウグイスの囀りが聞こえました。上人橋までの間で三カ所確認出来ました。
 遡って行くと、カワラヒワの囀り、ツバメが2羽、5羽です。
 睦橋付近の、まだ工事が完了してない感じの浅瀬に、ダイサギがやってきました。下りたところが深かったようで飛び上がり、三回くらい降り直してやっとよいところに降りられたらしく、盛んに歩き回って、獲物を捕られていました。少し上にももう1羽のダイサギが見えました。アオサギが上空を飛んでいきます。
 浅瀬で暫くぶりにハクセキレイ1羽確認、イカルチドリらしい声もして、浅瀬が戻って来た感じです。
 少し上にコサギが2羽、少し離れた場所にいました。暫くして1羽だけ上流に飛んでいったのでツガイではないようです。
 ワンド跡の近くから合流点を見ていると、合流点の岸の草むらで今季初オオヨシキリの声が聞こえました。まだ1羽か2羽程度、ヨシもまだ枯れ葉を隠すほどは伸びていません。無事に営巣できるでしょうか。でも来てくれてとても嬉しいことです。こんどは反対側の岸から見るようにすればもう少し離れてよく見られるかも知れません。
 公園の西池、コガモ6羽、東に2羽でした。この2羽は両方とも雌のように見えましたが、1羽が眼や羽の模様がはっきりしていて、雌雄で、エクリプス?と思ったのですが、渡りの前にはエクリプスはならないということなので、やはり♀2羽、光線の関係か、近距離で見たせいで違って見えたのかも知れません。コガモと並ぶようにして、コガモと見まがうほど大きなウシガエルが顔を見せ、太い声を出していました。
 大岩橋河川敷の草むらでホオジロが上に出てきて囀っていました。進んでいくと大砂橋付近までの間に計3カ所で囀っていました。ウグイスも一カ所で囀りました。
 メジロと思われる囀りも二カ所、以前ここで、オオムシクイの声をきいたので、家に帰って鳴き声図鑑で聞きましたが、やはりメジロのようでした。
 ゴイサギ1羽が上空を飛んで行きました。ここでのゴイサギは珍しいですが、コロニーが出来たせいかもしれません。
 公園の草むらの方でガビチョウが復活、サクラ並木ではモズのひと声。ウグイスも三カ所で鳴きました。
 滝沢ハムの池ではコガモが6羽、カルガモが2羽、林でムクドリが1羽動いていました。
 赤津川では陶器瓦店の少し下の川岸で、バン1羽確認できました。額板が赤くなり始めています。上流にはコサギが1羽でいました。
 ヒバリの囀りは二カ所のみ、時季のせいか気温のせいか、この頃少なくなりました。
 帰りに公園近い位置で、カワセミが1羽、下って行きました。小さなご褒美です。
 帰りに見た合流点の浅瀬に、コチドリが1羽。貌の模様で確認できる位置でした。アイリングを確認出来ず、残念でした。
 
 気温は高くなりましたが、まだまだ過ごしやすい日々です。工事関係の車はありませんでしたが、行楽の家族で賑やかで、少し鳥が少なかったかも知れません。でも、公園で過ごす人達が増えるのはとても嬉しいことです。いつか自然を大事に思う人が増えてくるかも知れません。
 
バン:赤津川、陶器瓦店の二つ下の橋付近で1羽。
カルガモ:合流点3羽、大砂橋近く6羽、滝沢ハム池2羽、計11羽。
コガモ:公園西池6羽、東池2羽、赤津川2羽、2羽、計12羽。
ダイサギ:睦橋付近2羽。
コサギ: 睦橋付近2羽、赤津川1羽、計3羽。
アオサギ:睦橋付近1羽、大砂橋近くの浅瀬1羽、計2羽。
イカルチドリ:大砂橋近く中洲1羽、
コチドリ:合流点1羽。
モズ:赤津川田に1羽、公園サクラ並木に1羽、計2羽。
カワセミ:赤津川、泉橋下流に1羽。
スズメ: 特に目立った群れはない。
ムクドリ: 滝沢ハム池1羽、赤津川に2羽、計3羽。
ハシボソカラス: 特に目立った群れはない。
ハシブトカラス: 特に目立った群れはない。
ヒバリ:赤津川2カ所。
ツバメ:永野川2、5羽、赤津川3羽、計10羽。
ヒヨドリ: 特に目立った群れはない。
ウグイス:二杉橋から上人橋まで3カ所、公園草地に3カ所、大岩橋河川敷1カ所、計7カ所。
オオヨシキリ: ワンド跡近く川岸に1羽。
ハクセキレイ:永野川睦橋付近1羽。
セグロセキレイ:赤津川2羽。
カワラヒワ:二杉橋付近1羽、公園草むら1羽、計2羽。
メジロ:大砂橋付近山林に囀り2羽。
ホオジロ: 大砂橋近く川岸で囀り2羽、大岩橋付近河川敷の草むら1羽。計3羽。
ガビチョウ:公園草むらで1羽。

 
 







鳥の声――賢治とW.H.ハドソン――
 三三六 春谷暁臥  一九二五、五、一一、(「春と修羅第二集」)
 
  酪塩のにほひが帽子いっぱいで
  温く小さな暗室をつくり
  谷のかしらの雪をかぶった円錐のなごり
  水のやうに枯草をわたる風の流れと
  まっしろにゆれる朝の烈しい日光から
  薄い睡酸を護ってゐる
    ……その雪山の裾かけて
      播き散らされた銅粉と
      あかるく亘る禁慾の天……
  佐一が向ふに中学生の制服で
  たぶんはしゃっぽも顔へかぶせ
  灌木藪をすかして射す
  キネオラマ的ひかりのなかに
  夜通しあるいたつかれのため
  情操青く透明らしい
    ……コバルトガラスのかけらやこな!
      あちこちどしゃどしゃ抛げ散らされた
      安山岩の塊と
      あをあを燃える山の岩塩……
  ゆふべ凍った斜子の月を
  茄子焼山からこゝらへかけて
  夜通しぶうぶう鳴らした鳥が
  いま一ぴきも翔けてゐず
  しづまりかへってゐるところは
  やっぱり餌をとるのでなくて
  石竹いろの動因だった
    ……佐一もおほかたそれらしかった
      育牛部から山地へ抜けて
      放牧柵を越えたとき
      水銀いろのひかりのなかで
      杖や窪地や水晶や
      いろいろ春の象徴を
      ぼつりぼつりと拾ってゐた……
        (蕩児高橋亨一が
         しばし無雲の天に往き
         数の綵女とうち笑みて
         ふたたび地上にかへりしに
         この世のをみなみな怪しく
         そのかみ帯びしプラチナと
         ひるの夢とを組みなせし
         鎖もわれにはなにかせんとぞ嘆きける)
      羯(ぎや)阿(あ)迦(ぎあ)居る居る鳥が立派に居るぞ
      羯阿迦 まさにゆふべとちがった鳥だ
      羯阿迦 鳥とは青い紐である
      羯阿迦 二十八ポイント五!
      羯阿迦 二十七!
      羯阿迦 二十七!
  はじめの方が声もたしかにみじかいのに
  二十八ポイント五とはどういふわけだ
  帽子をなげて眼をひらけ
  もう二里半だ
  つめたい風がながれる
 
 『新校本全集』年譜によると、このとき賢治は29才、この前日、盛岡に18才の森佐一(注1)を誘って、岩手山に向かいます。まず、小岩井駅まで列車で行き、小岩井農場、姥屋敷(地名)を抜けて夜通し歩き、岩手山神社柳沢社務所で仮眠を取りました。翌朝、高原と谷間を歩いき、焼走り溶岩流、大更を経て、列車で好摩に向かいました。
 この詩に前後して、三三五「つめたい風はそらで吹き」一九二五、五、一〇、三三七「国立公園候補地に関する意見」 一九二五、五、一一、が作られています。
 この詩では、早朝の岩手山麓を、眠気に包まれながら、水のようにつめたくさわやかに流れる風の中、太陽光を浴びています。
 夜間、ずっと飛び続けていた鳥がいなくなったのに気づき、夜の行動が、「石竹いろの動因」――繁殖活動――だったと思い当たります。石竹いろ」は賢治の作品では、性を象徴するものです。その後、若い佐一もまたその衝動に揺れていたことを温かく思いやっています。そんな二人を包むものは、またたくさんの鳥です。鳥の鳴き声は「羯阿迦」を6行書き連ねることで表します。
 
    羯(ぎや)阿(あ)迦(ぎあ) 居る居る鳥が立派に居るぞ
    羯阿迦 まさにゆふべとちがった鳥だ
    羯阿迦 鳥とは青い紐である
    羯阿迦 二十八ポイント五!
    羯阿迦 二十七!
    羯阿迦 二十七!
 
 「羯阿迦」には「ぎやあぎあ」と振仮名が付けられているほか、下書稿㈢では「Gyagya」とローマ字表記となっているので、鳥の声を表そうとしているのは確かです。
 漢字表記は、仏教用語を思わせます。管見した限りですが、仏教で心を一つに集中して散乱がない状態を「定(じょう)」といいます。定は、もともと古代インドの宗教的実践として行われてきたものを仏教にも採用したもので、境地の深まりに応じて様々な名称の定が説かれ、異名が存在します。慧沼((648〜714)『『成唯識論了義灯』巻五(大正蔵巻43)には定の異名が七つ挙げられていて、その中の「質多翳迦阿羯羅多」(心一境性)、にこの文字が見えます。賢治がこの教えを知っていたことは推測できますが、この詩の中では、心にあったこの文字、その音を鳥の声のオノマトペに当てたのだと思います。
 もう一つ、「鳥とは青い紐である」は何をさすのでしょうか。 この時、一緒だった森佐一の次の記述はこの時の情景を明らかにしています。
 
笹やいろいろのつる草、若い白樺や、はんの木が、谷間いっぱいに生え、うぐいすが、そっちこっちで鳴いていた。ひとつの谷間に入ろうとしたときだった。ギャーギャーと、突然鳴いて、飛んだ鳥があった。尾の長い大きい鳥である。宮沢さんは、突然、
 ≪トリトハ アオイヒモ デアル≫
と、リンリンとした声を出した。そして手帳に何か書いている。
 光が冷めたい水の層のように気圏の底にみち、鳥の声は、青い長いヒモをなびかせたように流れるのであった。ああそのひもの多いことヒモヒモではありませんか。青い真田紐のよう紐、鳥の声は、ヒモのように波打って空を流れるものではありませんか……。≫ (『宮沢賢治の肖像』 津軽書房 1974 p.276)
 
 確かにその時飛んだ鳥は、尾が長く、季節や声からしてオナガを思わせます。でも賢治が表そうとしたものは、鳥の声という聴覚から、 ≪ヒモでありませんか。青い真田ヒモのようなヒモ、鳥の声は、ヒモのように波打って空を流れるものではありませんか……≫という視覚表現にしているのです。
 また森氏は同書のなかで、賢治が、蜂の方言名「すがる」の「る」は、弧を描いてスーと飛び去っていく感じを表すと話していたことも証言していますし、童話「十力の金剛石」では、ハチスズメが弧を描いて飛ぶ様子を〈ルルルルルルル〉と鳴る青い輪となるとも表現しています。あちこちあを白く説あちこちあをじろく接骨木が咲いて〕(「春と修羅 第二集」)には、次のような表現があります。

 
そらでは春の爆鳴銀が
甘ったるいアルカリイオンを放散し
鷺やいろいろな鳥の紐が
ぎゅっぎゅっ乱れて通ってゆく

 
 このような、耳から聞いた音を目で見たように感じ、また目で見た情景に音を感じる――共感覚――は、賢治の多くの作品に見られ、表現を豊かなものにしています。
 
 W.H.ハドソン(注2)『鳥たちをめぐる冒険』(黒田晶子訳、講談社 1977)、178ページ 第十七章「ハリエニシダムシクイ、またはハリエニシダの小妖精」で同じ感覚を見つけました。
 ハドソンはハリエニシダムシクイ(注3)を求めてイギリス南部の荒野を歩いています。声を求めて3日目に、ハリエニシダ(注4)の繁みのなかに、たくさんのツガイを見つけ、囀りを充分に聞くことができました。メレディスという人物がヒバリの声を「銀の鎖――/無数の音の環の切れ目なくつらなった」と言ったことを引き合いに出して、ハリエニシダムシクイの声を次のように記しています。
 
「一つのふしが非常に速く繰返されるので、一連の囀りは鎖と言うよりはむしろしっかり編まれたひものように思える。さらに比喩を許してもらうなら、それは黒か灰色の地に、輝かしい色を編み込んだ一本のひもである。ひもの両端からは、銀、金、深紅のいとがのぞいている。黒っぽい糸は低いなじるような、うなるような声、はなやかな色の糸は明るくて甲高い繊細な声である。
 
 と細かな連想を繰り広げます。さらに個性的な鳥たちの囀りを言葉では表しきれず、イメージを伝えることの難しさを記しています。
 
 賢治が、空の広さや青さや風をバックにして音からの連想を広げていたのとは、少し違うかも知れませんが、鳥類学者でもあるハドソンが、このような美しい連想を繫げていくことを初めて知りました。ハドソンの作品に惹かれるのは、このような、対象への鋭い観察と豊かな感覚のせいなのかも知れません。
 
 一方、浜垣誠司氏は、スペインの写真家シャビ・ボウの作品を紹介しています(注5)。鳥の飛行を撮影した連続写真を1枚に合成することで、空間上にその美しい軌跡を定着するもので、これが賢治の言う「鳥の紐」の具現ではないかとされました。
 また鳥のサイト「e-Bird」では、鳥の声の声紋も知ることができます。これは科学的に証明される音の視覚化です。
 賢治の共感覚的表現はそれとは少し違って、賢治の感覚を通して表現された世界です。私には共感覚はありませんが、すべての対象に向かうときの感覚を大切にして、いろいろなことを感じ取れればよいと思います。
 
注1:森佐一(1907〜1988)、ペンネーム、森荘已池。
 盛岡市生まれ、旧制盛岡中学校(現岩手県立盛岡第一高等学校)在学中、『盛岡中学校校友会誌』に北小路幻や青木凶次、畑幻人など様々なペンネームで詩や短歌を投稿し編集にも携った。
 1925年2月に、詩誌『貌』の発刊を計画、賢治に詩の寄稿と同人費の依頼をしてきたことで、親交を結ぶようになる。『貌』は7月に発刊された。賢治はその年発刊した草野心平の『銅鑼』の同人に森を推薦し、森の詩は第8号から掲載される。
 賢治の死後は、1939年から『宮澤賢治全集』(十字屋書店版)の編集に携る。様々な賢治に関する証言を集め、「宮沢賢治氏聴書き」ノートに詳細に書き記し、筑摩書房版『宮沢賢治全集』月報に11回連載、『宮沢賢治の肖像』(1974 津軽書房)にまとめた。
 他に、1940年に、小説集 『店頭(みせさき)』が芥川賞候補となり、1944年には『蛾と笹船』『山畠』で第18回直木賞を受賞、1994年、第4回宮沢賢治賞を受賞。

注2:William Henry Hudson,(1841〜1922)作家、ナチュラリスト、鳥類学者。
 アルゼンチンで生まれ少年時代を過ごした後、イギリスに渡る。その後、アルゼンチンやイギリスの鳥類などに関する優れた著作を残した。『ラ・プラタの博物学者』、『はるかな国 とおい昔』、小説『緑の館』など。 

注3:ハドソンは「オナガムシクイのことである。」と記している。イギリス南部からフランス、スペイン、モロッコ、チュニジアにかけて分布、声は細く囀りは美しく、ハリエニシダの中を好んで営巣することからハドソンが愛して命名したとも推定される。
 オナガムシクイは英名:Dartford Warbler 。del Hoyo ほか『(2006)Handbook of the Birds of the World vol.11』によれば、スズメ目 ヒタキ科 ズグロムシクイ属。全長:12.5cm  体重:6.8-10.5g。
 科名、属名は変更が多く、『日本鳥類目録第7版』(2012)の記述から類推して、ズグロムシクイ科に変更されていると思われる。

注4:マメ科の常緑低木。 南西ヨーロッパ原産で,乾燥した砂地や荒れ地によく生える。日本には明治の初期に渡来し,観賞用として庭園樹や生垣に用いられる。幹は高さ 0.5〜1.5mでよく分枝し多数のとげがある。春から初夏にかけて葉腋にエニシダに似た花を数個つける。
 
注5:HP「宮沢賢治の詩の世界」2018年1月7日)
 
参考文献
中村元『佛教語大辞典』縮刷版 東京書籍 1981
岩本裕『日本佛教語辞典』 平凡社 1988
渡部芳紀編『宮沢賢治大辞典』勉誠出版 2007
インターネット百科事典Wikipedia
 
テキストは『新校本宮澤賢治全集』による。

 
 







2023/04/29 23:20:42|その他
永野川2023年4月下旬
25日 9:30〜12:00 晴15℃
 
 気温が下がってきましたが、風もなく探鳥日和です。
 合流点付近中洲にはあまり鳥影がなく、カルガモ1羽、コガモ2羽が、永野川のワンド跡の裏側に見えたのみでした。水たまりのような流れにニシキゴイが1尾泳いでいました。どこから迷い込んだのでしょうか。近くには鯉のいる場所を思いつかないのですが、水路で繋がっているはずです。
 赤津川に入るとカルガモ、コガモが所々に見えた。まだコガモは渡っていないようです。
 陶器瓦店の所の橋近く、カイツブリ2羽見え繁殖声がしていました。ここで繁殖して、雛が見られるとよいのですが。
 モズが1羽、樹木に留って尾をクルリクルリと回していました。
 ヒバリが少なく2カ所のみで囀っていました。気温が低いせいでしょうか。
 ムギが育って青さを増していました。水を引いた田もありました。季節の変わり目です。
 
 公園に入るとウグイスの声聞こえてきました。川沿いの草むらでも2カ所、今年はここが主な住処となるのかも知れません。
 滝沢ハムの池には、コガモがのみでしたが、ここも13羽集中していました。キジの声は続き地の田の方からでしょうか。
 
 大岩橋上の中洲をよく見たいと思い、皆川寄りの橋詰めから川を遡ってみました。はじめは草の丈が高くなっていて川は見えません。少し空いた場所からカイツブリ2羽、ここでは初めて見ました。反対側から見えていた場所は、護岸に遮られて見えませんでした。
 大砂橋を廻っていつもの場所でコチドリ3羽、セグロセキレイ1羽、確認しました。イソシギが1羽、少し小さく見えましたが、胸の白い切り込みと、尾を振る姿で確認しました。
 河川敷の草むらで、草のてっぺんに囀るホオジロ1羽、その他見えないところで2羽、1羽がホオジロとは少し違う気きがして、アオジかも知れないので、家で鳴き声図鑑で確かめたのですが、確信できず、ホオジロに入れました。
 
 公園では、やっとセグロセキレイ2羽確認しましたが、他には見えませんでした。
 公園のワンド跡で突然キジの雌が飛び立ちました。飛び立たなければ気づかなかったのですが……。
 上空をアオサギが1羽飛んで行きました。
 公園の川岸の木からムクドリが7羽対岸に飛び立ちました。群れ始めたのでしょうか。
 公園の池では西にカルガモ2羽,東4羽、小ガモが西に2羽、東に10羽。今日は本当にコガモが多い日です。
 
 上人橋の下でコサギが1羽、浅瀬を歩いていました。飾り羽が出ていました。睦橋近くでも1羽。別の個体と思います。
 ダイサギの嘴が黒くなっている個体を2カ所で見ました。川が浅瀬になっているので、餌を採っているように見えました。
 二杉橋上でまたコガモ6羽と3羽の群れが見えました。皆集まって渡っていく前でしょうか。
 ツバメも増えてきました。まだヨシは育ち始めたばかり、オオヨシキリの営巣に間に合うでしょうか。
 赤津川河畔の草むらには蝶がたくさん羽化しています。今日はアオスジアゲハを1羽見つけました。食草を調べるべきでしたが、見落としました。
 
キジ:公園ワンド跡♀1羽、滝沢ハム池で♂1羽。
カイツブリ:赤津川で2羽、大砂橋近く川で2羽、計4羽。
カルガモ:合流点1羽、赤津川、2羽、3羽、1羽、大砂橋近く4羽、
 公園西池2羽、東池4羽、計17羽。
コガモ:合流点近く1羽、赤津川5羽、滝沢ハム池13羽、公園西池2
 羽、東池11羽、二杉橋付近9羽、計42羽。
ダイサギ:睦橋付近2羽。
コサギ: 上人橋付近1羽、睦橋付近1羽、計2羽。
アオサギ:公園上空1羽。
イカルチドリ:大砂橋近く中洲1羽、睦橋付近2羽、計3羽。
コチドリ:大砂橋近く中洲に3羽。
イソシギ:大砂橋近く中洲に1羽。
モズ:赤津川田に1羽、永野川睦橋付近民家に1羽、計2羽。
スズメ: 特に目立った群れはない。
ムクドリ: 公園に7羽、滝沢ハム付近林2羽、計9羽。
ハシボソカラス: 特に目立った群れはない。
ハシブトカラス: 特に目立った群れはない。
ヒバリ:赤津川2カ所。
ツバメ: 赤津川1羽、1羽、3羽、3羽、4羽、3羽、永野川3羽、5羽、計23羽。
ヒヨドリ: 特に目立った群れはない。
ウグイス:公園草地に3カ所、大岩橋河川敷3カ所、計6カ所囀り。
セグロセキレイ:公園2羽、大砂橋付近中洲1羽、永野川睦橋付近3
 羽、幼鳥1羽、計7羽。
カワラヒワ:大岩橋河川敷林1羽、永野川睦橋付近1羽、囀り計2羽。
ホオジロ: 大砂橋近く川岸で囀り2羽(1羽アオジか?)、永野川睦橋
 付近囀り1羽、計3羽。

 







永野川2023年4月中旬
16日 9:30〜12:00 晴 19℃
 
  御衣黄がピンクに変わり、花びらが1枚2枚と、舞はじめていました。

 悪天候の予報が心配してでしたが、なんとか雨は降りそうではないので出かけました。
 幸い徐々に晴れてきて風もなく永野川に着いたときは良い探鳥日和になりました。
 サギのコロニーは、賑やかさを増し、ゴイサギの姿も見え始めました。
 
 二杉橋から入ります。川岸の草むらはなくなりましたが、今季初、ここでもウグイスの囀りが2カ所で聞こえました。どこか小さな植え込みに戻って来たのかもしれません。
 川には、コガモ5羽、カルガモ1羽、2羽、ダイサギ1羽、雨も降り川の状態は悪くないのですが、少ないですね。
 睦橋付近の民家で、今季初ホオジロが囀っていました。カワラヒワも2カ所で囀りました。
 ツバメが3羽遡っていきました。以前は川面いっぱいに飛んでいたこともあり、川岸で営巣している場所もありましたが、少なくなりました。その後も、池2羽と公園1羽、赤津川1羽で7羽に終わりました。
 キジバトが3羽上空で飛びました。
 錦着山付近でコジュケイの声が聞こえました。
 公園の東池にはカルカモが3羽、西池に、ヒドリガモ1羽、マガモの♀1羽、コガモ3羽、のみ、季節が変わります。
 公園のサクラの木で聞き慣れた声がしました。ここでは珍しいオナガ、2羽いました。
 公園のワンド跡で、キジの声、シーズンが来ました。
 ウグイスが2カ所で囀りました。
 大岩橋の河川敷林の向こうでヒバリのさえずりが聞こえました。ウグイスも一カ所で囀り、キジも2カ所で鳴いていました。
 河川敷の草むらで、今日はホオジロが上に出てきて林と行き来していて、4羽確認できました。
 道を少し登ったところの山林の大木にコゲラ2羽、メジロの声も聞こえました。ここには鳥たちが集まるようです。もう少し耳を鍛えなければ、と思います。
 大砂橋下の中洲で、コチドリらしい声がして、待つと2羽現れました。さらにイカルチドリが1羽遡っていきました。
 アオサギが2羽、離れたりついたりしていました。
 カワウが上空を昇って行きました。
 セグロセキレイが1羽囀って動いていました。
 滝沢ハム近くのサクラ並木でシジュウカラの声が2種類聞こえました。1羽は囀りだったのですが、もう一つは確認出来ません。もう一度聞きたいけれど確実ではないのが辛いところです。
 滝沢ハム池、今日はオカヨシガモ♀1,♂2、アオサギ1のみでした。
 赤津川ではカルガモ2羽、3羽,2羽、コガモ6羽、6羽,2羽とカモが集まっていました。
 モズが2カ所で、キキキという短い声で鳴きました。
 通り道の目の前をキジが鳴いて一直線に横切って田んぼを移動していきました。かなり大きな個体でした。
 
 季節が移っていき、囀りが多くなります。耳を澄ましたいと思います。
 
 
キジ:公園ワンド跡1羽、大岩橋河川敷林2羽、赤津川田んぼで1羽、 
 計4羽。
コジュケイ: 錦着山近くで1羽。
カルガモ:赤津川、2羽、3羽、2羽、二杉橋付近1羽、2羽、公園東
 池1羽、2羽、合流点
2羽、計15羽。
ヒドリガモ:公園西池1羽。
コガモ:二杉橋付近5羽、公園西池3羽、滝沢ハム池3羽、赤津川6 
 羽、6羽、2羽、計25羽。
オカヨシガモ:滝沢ハム池♂2羽、♀1羽。計3羽。
マガモ:公園西池♀1羽。
ダイサギ:二杉橋付近1羽、合流点1羽、計2羽。
アオサギ:大砂橋下中洲に2羽、滝沢ハム池1羽、赤津川1羽、計4
 羽。
イカルチドリ:大砂橋近く中洲に1羽。
コチドリ:大砂橋近く中洲に2羽。
モズ:赤津川、田に2羽。
コゲラ: 大岩橋近く林縁大木に2羽。
スズメ: 特に目立った群れはない。
ハシボソカラス: 特に目立った群れはない。
ハシブトカラス: 特に目立った群れはない。
オナガ: 公園サクラ並木に2羽。
ヒバリ:大岩橋河川敷に1羽、赤津川2羽、計3羽。。
ツバメ: 二杉橋3羽、公園池に2羽、公園1羽、赤津川1羽、計7羽。
ヒヨドリ: 特に目立った群れはない。
ウグイス: 二杉橋付近2カ所、公園2カ所、大岩橋河川敷林1羽、計5
 羽。
セグロセキレイ:大砂橋付近中洲1羽囀り。
カワラヒワ: 二杉橋付近2羽、公園1羽、赤津川2羽、計5羽。
シジュウカラ:滝沢ハム近く公園2羽。
メジロ:大岩橋上山林の大木に2羽。
ガビチョウ:公園草地1羽、大岩橋河川敷林1羽、計2羽。

 







永野川2023年4月上旬
8日 9:30〜10:00 曇 15℃
 
 やっと天気が小康状態になりました。
 まず、水道庁舎まえのサクラ、御衣黄を見ました。上の写真です。薄緑色一色で、もうじきピンクになりそうです。少し樹勢が弱っているように見えます。
 合流点にでは、ダイサギが2羽、少し離れた場所で歩いていました。セグロセキレイも1羽見え、アオサギが1羽上空を飛んでいきました。
 そこに、今季初、ツバメが3羽、川から舞い上がってきました。その後公園入り口付近でも川から舞い上がってきました。やっと会えました。探鳥のタイミングのせいもあるのですが、昨年は3月17日に見ていますから、大分遅れています。
 赤津川に入ると、カルガモ2羽、2羽,4羽、ツグミが浅瀬のカルガモの近くにいたのは初めて見ました。コガモも1羽、2羽と見えました。バンも陶器瓦店の橋の下の水中に見えました。
 ヒバリは3カ所で囀っていて、その他上空を囀りながら飛ぶ姿にも会えました。
 電線にムクドリ2羽、繁殖時期でしょうか。
 滝沢ハム池もめっきりカモが減って、コガモが1羽、オカヨシガモの♂♀2羽のみでした。少なかったのでオカヨシガモはよく観察できました。どこかでキジが鳴いています。
 公園の草むらでモズの鳴き声が聞こえました。
 大砂橋の近くの中洲で、イカルチドリとは違う感じの鳴き声がしたので少し待つと、3羽のチドリが現れました。イカルチドリよりも顔の黒がはっきりしていて、ずっとそこを3羽で走り回っていました。アイリングを確認出来なかったのですが、顔立ちと鳴き声と動き方で―鳴きながら走る―でコチドリと確認しました。渡りの鳥のうえ、この距離より遠ければ確認出来ないので、本当に久しぶりでした。
 河川敷の草むらの動きがめっきり減ってしまったようで、ホオジロの地鳴きが1羽分くらい細い声で続いていました。
 カワラヒワが河川敷林で囀っていました。 
 公園の西池にヒドリガモが8羽、西池には20羽、1羽だけ、他とは違うカモがいて、ヨシガモでした。緑色の頭と、尾羽がバサバサした感じがするくらい豊かです。少し乱れているようにも見え、怪我でもしているのでしょうか。季節の最後に会えてこれもご褒美です。
 東池にはマガモが1羽、カルガモが14羽、カモたちは去って行くようです。
 公園東駐車場の樹木にシジュウカラ2羽、ここも意外と鳥が常駐しています。
 ふと右手の林の近くの歩道を見ると、見慣れない鳥が歩いていて、慌てて双眼鏡に入れました。シロハラでした。今日は珍しいお客さんに会える日です。
 永野川にはダイサギが1羽、コサギが2羽、コサギは常駐している感じです。バードリサーチのお話ではもしかすると近くのコロニーで繁殖する可能性もあるとのことで、そうなると嬉しいですね。
 
 何とまた雨が降ってきました。なんとか、サギのコロニーに廻ろうと急ぎました。サギは林の中にたくさんいるのですが、上には全く出ていなくて観察できません。林の中に行く勇気はありません。
 最後の雨は辛かったのですが、予定地は全部回れましたし、ツバメ、コチドリ、シロハラ……。会えて幸いでした。
 
キジ: 滝沢ハム池近く1羽、大岩橋河川敷に1羽、計2羽。
バン:赤津川陶器瓦点近くに1羽。
カルガモ:赤津川、2羽、2羽、4羽、滝沢ハム池2羽、公園東池14 
 羽、計24羽。
ヒドリガモ:公園東20羽、西8羽、系28羽。
コガモ:赤津川1羽、2羽、滝沢ハム池1羽、計4羽。
オカヨシガモ:滝沢ハム池♂♀2羽。
マガモ:公園東池1羽。
ダイサギ:合流点2羽、大砂橋近く2羽、永野川1羽、計5羽。
コサギ: 永野川二杉橋近く2羽。
アオサギ:合流点付近上空1羽、赤津川1羽、公園西池1羽、計3羽。
コチドリ:大砂橋近く中洲に3羽。
モズ:公園草むら1羽。
ムクドリ: 赤津川田の電線に2羽。
ハシボソカラス: 特に目立った群れはない。
ハシブトカラス: 特に目立った群れはない。
ヒバリ:赤津川5羽。
ツバメ: 合流点付近1羽、2羽.3羽、計6羽。
ヒヨドリ: 特に目立った群れはない。
ウグイス: 公園川岸の草むら2羽囀り、大岩橋河川敷林で1羽、1羽、 
 計3羽。
セグロセキレイ:公園川に1羽、赤津川2羽、滝沢ハム池1羽、大砂橋
 付近に中洲で2羽、計6羽。
カワラヒワ: 大岩橋河川敷林1羽、公園草地に1羽、計2羽。
シジュウカラ:公園東入口樹木に2羽。
ツグミ:赤津川に1羽。
ホオジロ: 大岩橋河川敷林に1羽。
ガビチョウ:公園草地に2羽。