8月に入って、不安定な天候が続いています。
大丈夫かと思って出かけても、川を北にさかのぼると黒雲が増え雨に変わります。
観察を半分で切り上げ、翌日また出かけました。
公園内の永野川には川霧が出ていて美しく、新井町の休耕田に雨で水がたまり、アマサギ7羽とチュウサギ1羽が群れていました。ここではアマサギは珍しいのです。
囀りをやめたヒバリが2羽、田の縁に出ていて、しばらくぶりで、セッカが1羽、上昇と下降を繰り返していました。
翌日、昨夜までの雨が上がり朝からよく晴れ、太平山からは霧が昇り、絵画のようです。永野川は、水量が増え流れも速く、カルガモは流れに乗って楽しんでいるようです。
中旬、新井町の赤津川の河川敷の低木に、オオヨシキリが1羽出てきて、少し弱々しく鳴きました。久しぶりでまた会えた!という気持ちでした。バードリサーチのお話では、もう最後のチャンスだろう、ということでした。
二つの川の合流点近くで、久しぶりでカワセミが一瞬横切って行きました。
下旬になっても、雨に悩まされ、途中で中断を余儀なくされます。
公園の草地が終わったところに、キジの幼鳥が8羽、何かふざけ合うように走りまわっていました。ほとんどが茶色に見えますが、いくらか雄の色どりが見え始めたものもいました。こんなたくさんの数を一度に見るのは初めてです。一緒に生まれたのでしょうか。モズの幼鳥が2羽、親と一緒に行動しながら、たどたどしく鳴いていました。
二杉橋近くの民家の電線にムクドリ98羽ずらっと並んで壮観でした。群れが来ると、人間は拒否反応を示すだろうな、と思います。
もっとクズの花が咲いてもいいと思いますが、香りが伝わるほどではありません。
葛の花踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり
(釈迢空)
この歌を、深読みしないでそのままに読み、なにごともないようなこの風景の中にある美しさに昔から魅かれています。
鳥リスト
キジ、コジュケイ、カルガモ、カイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、アマサギ、イソシギ、イカルチドリ、カワセミ、モズ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、オオヨシキリ、ヒバリ、ハシブトカラス、ハシボソカラス、ムクドリ、ツバメ、スズメ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、ホオジロ
公園の記録
上旬
公園の土手の法面とその対岸の草地に除草剤をまいたようで、黒く、見苦しく枯れていました。2mくらいの、桑や、ニセアカシヤもそのまま黒くなっているのに、枯れていない草もあります。 どういう基準で撒いたのでしょう。
昨年の話では、維持管理課では、公園内は子供も利用するので、除草剤は撒かない、ということだったのですが。
これでは、景観上も衛生上も、草を刈らないでいることより、問題でしょう。
そんな中、キツネノカミソリが2、3株、花をつけていました。散布後、花芽が出たのでしょうか。キツネノカミソリは、小学生向けの植物図鑑によれば、「山の花」です。ここの植生の多様さを物語るのではないでしょうか。
除草剤について、維持管理課に、問い合わせていたのですが回答がありませんでした。それで、環境基本計画にもからめて、環境課にも問い合わせてみたところ、維持管理課で、自宅まで釈明に来て下さいました。内容は、咋年と同じで、周辺住民の要望によるもの、と繰り返されました。
いままでも年三回除草剤は撒いていた、というのですが、こんな兆候が現れたのは初めてです。おまけに木が黒くなっているのは気付かなかったといいます。現場に一緒に行って説明を受ければよかったと後悔しました。詰めが甘かったですね。
除草剤の薬品名につても回答はなく、地中に残留はしないもの、ということです。ただ、除草剤については来年度からは自粛の方向とのことです。
わざわざ自宅を訪ねてくれたのは、早く回答するため、といいますが、正式回答を避けたかったのだと思います。これも詰めが甘かったと反省しています。
芝塚山公園の木の伐採についてもお尋ねしてみました。
周辺住民の落葉への苦情からやったことだそうで、大変喜ばれたと言います。ここは最低でも樹齢50年を超えています。その成長の年月をどう思っているのでしょう。また、この木をよりどころに、どれほどの虫や鳥たちが生きて来たことか。丸坊主になった山を見て苦情を言う人は、誰もいないのでしょうか。
もうひとつ、びっくりしたことは、うずま公園のヤドリギも見苦しいので除去せよという声もあるそうです。おまけに、維持管理課ではヤドリギだけ減らすことは無理なので、伐採する以外にない、といいます。
ヤドリギの景観の美しさを感じない人もいるでしょうが、樹木の病気と考える人の存在、それを調べもせず、適切な処理を模索しない行政の姿勢にも怒りを覚えます。いろいろ考えて、鳥を見に行くのもつらくなりました。
下旬、除草剤の跡はだれも文句を言わないのか、黒くよごれたままで、こんな状態が普通になっていくのが怖いと思います。
川の北側の草地は刈り取りが終わっていましたが、昨年より少し広めに残っているような気もしますが理由はわかりません。
公園、その後
公園について、短歌を作り賢治作品も好きで、ヤドリギにも愛着を持つ方にも話を伝え、ヤドリギの美しさについて、関係者に広めて下さるようにお願いしてみました。
早速この方は、維持管理課、市の観光協会に出向いて下さいました。
維持管理課では伐採の予定はないという返事のみだったそうです。でもこれは現在の状況のみで、今までの対応をみれば、何かあればすぐ伐採に動くと思います。
観光協会には、ヤドリギについての観光客の好意的な感想も寄せられているそうで、よい感触を得たということでした。
何か有効なことを始められれば、私も頑張ってみようと思います。
私はこれとは別に、市民活動推進センターの方にもお願いをしてみました。
公園のアダプト制度に関わる方にも伝えていただけそうです。
除草剤散布後の写真と、ヤドリギの写真をお持ちしました。
話を聞いて下さる方がいることが、まず嬉しいことでした。
少しずつでも先が見えてくることを祈ります。