こんばんは。
本郷に途中下車して向かったのは「東京大学総合研究博物館」です。
当館で特別展示されている「骨が語る人の生と死」展を観覧に来ました。
サブタイトル「日本列島一万年の記録より」と、あるとおり、石器時代から中世に至るまでの日本人の骨格標本と埋葬形式を一堂に会した展示会でした。
骨が語る人の「生と死」 日本列島一万年の記録より 東京大学総合研究博物館 (u-tokyo.ac.jp)かつて小説家「司馬遼太郎」先生の「日本人について」の講演を聴いた際、日本人のルーツや、その時代によってどのように寿命や生活が変わってきたのか述べられたのが心に残っていたのですが、今回その内容に迫るような展示を見ることが出来ました。
厳重な2重扉を入ると、博物館の様々な展示に目を奪われました。
地質学、古代生物学、そして考古学・・・個人的にはド・ストライクなところでしたね。
人骨の展示コーナーに進むと・・・息をのみました。
縄文人のスーパーマン的な太い骨格や、厳しい生存競争の傷跡、歯を削ったり抜歯したり小指を切り落としたりといった原始宗教的な一面、そして中世に至り骨格が変化してきたという展示などなど・・・
同じ日本人ながらこういった時代の波を乗り越えて、我々の先祖はその系統を現代まで連綿とつないできたんですね〜。
個人的にびっくりしたのは、室町時代の人が結核になりながらも治癒して、その後まわりの慈悲深い支えで命を長らえていた点と、信じがたい事ですが江戸時代には一般庶民の間での梅毒の罹患率が54%もあったであろう、という点です。
いやー、非常に意義深い展示でした。
こうしてじっくり古代の人の骨を実際に観て、その研究結果を読み解きながら考察する機会などなかなか無いですからね。
我々の祖先に対して理解が深まったように思います。