先日、狸の実家の母が目の手術に伴う入院をしました。 二日目に手術があり、数日間の入院のはずでした。 しかし、高齢になった母は手術の後、諸事情により予定より早く退院することになりました。 2年程前にやはり目の手術で同じ病院に入院した時は何事もなく、落ち着いていたのですが・・・今回は同じ病室の患者さんに御迷惑をかけたようです。
そういえば、ちょうど1年前の今頃、ふと母が 「私、自分でも、だんだん自分が惚けてくるのがわかるのよ・・・」 と言っていました。 その言葉を聞いたとき、狸はすぐに打ち消さなければと思いましたが言葉が出ませんでした。
10年前、不治の病気になった父の呼吸が止まった瞬間に母の全身の力も尽きてしまったようでした。 それでも、どうしても子の立場からは、父に全身全霊を傾けて尽くしていた母の姿を求めてしまいます。 "今は一時的におかしいのだ。時間が経てば必ず元気でしっかりしていた母に戻るはず"と考えてしまいます。
でも、今の現実を直視して、そこからどうするかを考えて決めていかない時になっているようです。 十代の時は、祖母を介護している母を見ていた自分なら、どんな母も受け入れることができると夢想していました。 けれど実際には戸惑ってしまいます。
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