一見、民家の長屋門だと思ってしまう、この立派な門
実は歴っきとした、旧足利藩庁の表門なのです
明治以降に発生した大火で焼け残った表門だけが、民間に払い下げられて
この場所に移築されたというもの。時代とともに周囲も市街地化されて、今は
住宅地の一角に佇んでいるのです。
失礼して裏から拝見
近づいてみると、無骨な武家の風格が漂う表御門
これだけの藩庁の遺構が残っているのは大変希少。しかし、残念なのは大通り
からもまったく見えないこと。いや実に勿体ない。
現物を見学してきた後は、足利商工会議所友愛会館を尋ねます。
実は、ここの展示室には先ほどの足利陣屋の復元模型が展示されているため。
2002年に足利市役所のロビーで展示されていた記事を見つけ、行方を調べて
いたところ、足利市の観光協会の方に情報提供いただいき、ここ友愛会館に
展示されていることを突き止めました。
これがその「足利戸田藩陣屋屋敷推定模型」
足利陣屋大門通り研究会と建設士会足利支部が中心となり旧藩士家に伝わった
図面を基に作成されているとのこと。
あの「表御門」を軸に復元されており左右に御長屋、中央に母屋と土蔵その周りを
囲むように馬屋と火薬庫、武術稽古場まで完備されていたことで陣屋屋敷とはいえ
城郭の機能を凝集した堅固なつくりであったことが、伺い知れます。
とても精巧に作成されているため、こういうのって時間を忘れて見入ってしまうんで
すよね。