表千家 梅月軒 茶道教室
 
2011/08/22 14:50:37|梅月便り
ほんとに涼しいのですが
涼感点前の第2弾。


この日のお軸は「清風生八極(せいふうはっきょくをしょうず)」


八極とはあらゆる所、涼しい風はいたる所から生じる
という盛夏に掛ける禅語です。


先日、猛暑真っ只中の毛利庭園を訪れた際に、次回の稽古の軸はこれにしようと思い立ちまして。


茶道は「茶禅一味(ちゃぜんいちみ)」と説かれるくらい
禅と深くかかわるものです。


つまり茶道のあらゆる作法は「修業」であるとの真理。


茶室に掛けるお軸も絵や和歌などもありますが
参禅した僧が書いたものや千家などの宗匠が書かれた
禅語や漢詩の一節もあります。


これらの掛物を床の間に掛けることにより、脱俗した
禅の空間をより表したものとなり、それを体感するに至るのです。


茶道の悟りを説くのは、長らく携わる私でも難しいところですが、これら利休居士の教えを求道し、会得することでしょうか。













2011/08/20 23:30:10|梅月便り
涼感点前

今日は昨日まで暑さがうそのような肌寒い陽気となり
久し振りにクーラー要らずで過ごせたのではないでしょうか。


筆不精のせいで、すっかり茶道の話題がご無沙汰になってしまい
申し訳ないです。


さて、夏場のお点前では、涼を感じる演出をするのも醍醐味
それは視覚であり、聴覚でありと五感で感じるものがあります。


そこで、この時期に合わせて涼やかに感じる道具として「義山水指」を用いる。
「ギヤマン」とした方が、皆さんお馴染みのことと思います。


茶道のイメージとしては陶器、ですから意外と思われた方も多いのでは。


蒸し暑〜いこの時期に限り、相応しい義山水指の水面は、客人からも覗けることから
視覚の涼しさを感じていただけます。


涼やかセットとして葉紋だけでも美しい「双葉葵」の図柄を基調とした平棗と
表千家流の煤竹茶杓を使用し、稽古場の暑さをひと時なりとも凌いでくれます。







2011/08/14 21:00:01|些事ブログ
下彦間 名主屋敷(その2)
勾配のある坂道を汗かき登って参りますと
白壁の土塀に囲まれた屋敷に辿り着きました。

石垣も立派で旧来名主の邸宅にはふさわしい。

直弼も駕籠で登り、潜ったであろう四脚門も重厚な造りです。
おそらくこの表門と母屋に式台(貴人を迎えるための玄関)が
あるようなのですが、それらを急ごしらえで増築したのでしょう。

帰り道には当主と思われる方が運転した軽トラと
すれ違いましたが、挨拶は交わせませんでした。

実に桜田門外で落命する7年前の出来事。
茶道にも精通し、自ら領内を意欲的に巡見して廻った
直弼の人徳が偲ばれる。

そう想い帰り際、何度も振り返っては高台の屋敷を望見し
下彦間を後にいたしました。







2011/08/13 20:02:00|些事ブログ
下彦間 名主屋敷(その1)
下彦間を含む安蘇郡15か町村は寛永10年(1633)以降
彦根藩井伊家領となりました。

宇都宮神社の西、久保川を挟んだ高台には、今でも当時に名主を努めた
齋藤家の屋敷が眼下を見下ろしている。ついでとばかりに神社から
足を運んで伺ってみることに。

名家に歴史ありとはいったもので、この名主宅には嘉永6年(1853)
日光東照宮参代の帰途に安蘇領内を巡見した彦根藩主井伊直弼が
宿泊したという、すごいお話があります。

領内巡見は5日間、この間の宿泊所は4ヶ所、うち2ヶ所が本陣で
後の2ヶ所は名主宅とした。この宿泊所、休憩所とも、巡見に際して
多くが新築されたといい、巡見2日目に宿泊所となった下彦間の齋藤家も
井伊直弼を迎えるために新築したという。

このときの建物が現在残っており、安蘇郡内で直弼が宿泊・休憩した建物で
現存する唯一の建物といわれる、大変貴重で由緒ある歴史遺産です。


つづく







下彦間 宇都宮神社(その2)

元和の宇都宮城改修工事に使用した木材や石材は、実は飛び地領である安蘇郡田沼の山間から切り出したものを使用したのです。


そこで、今回私は一つの仮定を立て、ここを訪れてみたのです。もしかしたら宇都宮城改修工事を経て、余料でこの宇都宮神社を造営したのではないかと。


 しかし、見事にその痕跡発見には至らず、境内に存在する 「元禄十六癸巳年 奉造立石燈」(1703)「享和二壬戌三月」(1802)の石塔「天保三辰年正月吉日」(1832)の石碑 これも確かに古いものだが、社殿造営に関する記述や文字を確認することは出来ませんでした。


また勧請するにあたり、支城の吉水城に任地していた家臣たちが使者として、この辺に赴いた可能性もあるでしょう。


これから手掛かりを求めては探訪の日々とします。調べを進めて、この先祖にまつわる歴史、事績を検証して参ります。