宇都宮市東部の市貝町赤羽の一帯は、那須家の一族で
旗本芦野家の飛領。
この地の名主であった藤平氏が郷代官を務め、今もその代官屋敷が
「気の郷」という合気道の研修施設の一角に佇んでいるそうで、趣味の
陣屋散歩と参りました。
こちらの職員の方のご厚意で表門を潜るところまで案内していただきました
上棟は慶応4年(1868)と云い、元号が明治に変わるか変わらないかの時期です。
通例ならば幕府から厳重に禁止されている武家屋敷構えに違和感を感じましたが
考えてみれば、幕府の存在意義が曖昧なこの時期に造営されたものとすると
この上棟は納得できる話です。
表門、書院とも茅葺屋根が葺いてあり好一対の構え
しかし、茅葺屋根の四脚門とは珍しい。 軒下から見上げるとその幾重にも編み
こまれた竹や縄の構造のすごいこと。
最近では名だたる茶室でもないとお目にかかれないでしょう
特に目が行くのが式台の玄関書院。
茅葺屋根も高閣で大変立派なもの
職員の方の話によると、先の震災の際は施設や道場などの窓ガラスが外れたり
破損したそうですが、この屋敷だけはびくともしなかったとのこと。
匠の技術力の高さを物語っているではないですか。
住んでみたい度、かなり高いです。いろいろ大変そうですが。
冒頭でも述べましたが、この代官屋敷は、心身統一合気道気の郷という
合気道研修施設の中にあります。
当主の藤平氏が、この合気道流派の家元だそうで、広大な敷地には
道場をはじめ多様な研修施設が点在しています。
現在はラスベガスなどでも合気道を教えており栃木市にも道場があるそうです。