鞴(ふいご)とは、昔の火をおこすため道具のことを
指します。
旧暦の11月〜12月には、鍛冶屋や鋳物師など火を扱う職業人が稲荷神社に詣でて、無病息災の祈願も兼ねて「ふいご祭り」を
行う習わしだそうです。
この日は、宇都宮の二荒山神社境内で刀工による
「ふいご祭り」が挙行されましたので見学に。
茶の湯でいうところの、湯を沸かす茶釜のように
刀鍛冶にとっての技量が暗示されるのが鞴でしょう。
お互い地味な道具ですが、これがいかに重要で作法を
引き立てている道具か、というわけです。
鞴によって、高温に熱せられた精鉄をトンカチして
これを鍛えるわけですが、私も実際に見るのは初めての事。
いつしか周囲も、人盛りとなっていました。
火を使う行事ですから、観覧席をよく見ると現場立会いの
消防関係者も。想えば彼らも火を扱う職業ですね。
刀一本を鍛えるわけにはいきませんから、
最初の障りの動作だけを奉納して、この儀は
終了。
刀鍛冶による実演を鑑賞できましたので
来年も無病息災といきたいところです。