昔付き合ってた彼女と彼氏の一方的な理由で別れて彼女がそのショックでどっか遠くに行っちゃうんだって
それから数ヶ月したら彼女から「ねえ、帰ってきたのよ」って電話がくるだって
それで「今どこにいる?」って言うと、山の中だって言うわけ
それで指示通りに山の中に行くと一個の電話ボックスがあるんだって
電気もついたり消えたりしてるような電話ボックスで彼氏がその電話ボックスに入ると受話器が音を立てて床に落ちるんだって
それで受話器を拾ってみると誰かの声がする
受話器を耳に当ててみると、電話の向こうには彼女がいる
そうすると「来たんだね」って彼女が電話越しに言うんだよね
そうすると受話器からは変なあのテレビの砂嵐みたいな音が聞こえてきて彼女の声もかすれてきてしだいに男みたいな声になる
気味の悪くなった彼氏は電話ボックスから出ようとするんだけど扉が開かなくて彼氏は電話ボックスに閉じ込められる すると近くの街路灯が突然光りだしてその光の下に長い髪で白いワンピースを着て手に血まみれの包丁を持ってる彼女の姿がある
電話ボックスの中なのに彼女の歩く足跡が聞こえて その音は次第に大きくなって彼女が電話ボックスの手前に来たところで 彼女は血がべっとり付いた包丁を強く握り直して、電話ボックスの扉を開けようとする
彼氏は身の危険を感じて必死に扉が開かないようにするんだけど、力はなぜか彼女の方が強くて扉は開いちゃうんだ
そこで彼女はこう言う
「私は自殺しました、あなたのせいだ、殺してやる、殺してやる、殺してやる、私と一緒に」
そう言って彼女は包丁を彼氏に突き刺す 気づいた時、彼氏は朝の光の隙間の中で倒れていたんだって、どこも刺されていなくて電話ボックスも近くに無い、山の中でもない、いつ自分がこの場所に着たのかも覚えていないらしい
それで近くの電話ボックスに入って自分の家に電話をかけるんだけど受話器から聞こえてきたのは「やっと一緒になれるね」という彼女の声だった
そのすぐ直後に猛スピードの車が彼氏がいる電話ボックスに突っ込んできた
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