宮澤賢治、風の世界

宮澤賢治の作品を彩る言葉と風を追って宮澤賢治の世界を訪ねよう。 賢治は風という言葉に何を託したか。風を描くためにどんな言葉を選んだか。 賢治は何を求めて風の中に身を置いたのだろう。 そこに少しでも近づきたくてページを埋めていく。
 
永野川2017年5月中旬

16日

薄曇りでしたが風もなく暖かです。9時ころ早めに家を出ました。

昨日まで雨が続いていたので、二杉橋では水たまり状態で、鳥の姿はありませんでした。ウグイスも少し上流で小さな声が聞こえるのみ、帰りに下ってきたとき2羽らしい声が聞こえました。

この流れの無い状態はどうして起こるのでしょう。少し上流ではではいくらか流れが見えるのですが何処で止まってしまうのでしょう。

 ムクドリ:昨年までは少なかったくムクドリが、このところ目につきます。。二杉橋から登ったところで3羽、公園2羽、滝沢ハム近くで5羽、永野川西岸で3羽、結構賑やかに鳴きながら移動しています。気にするとうるさい存在になりそうです。

 キジ:二杉橋上の川岸で、少し小さめの1羽、四方を見回している感じです。若鳥のようです。

メジロ、シジュウカラ、コゲラ:公園東駐車場付近には、サクラがたくさんあり、今日はシジュウカラ3羽とメジロ1羽、コゲラ1羽を見つけました。いつもは通らないところで、道順が違うと出会う鳥も違います。今度はなるたけ通って見ようと思います。

セグロセキレイ:やはりサクラのなかで、一瞬聴いたことのない囀りが聞こえ、次々に変化する声で鳴き続け、最後にセグロセキレイの囀りと解ったとき、やっと電線で囀る姿を見つけました。

イカルチドリ:高橋付近で声が聞こえ振り返ると、元河川敷の畑のあった場所に、2羽の姿が見え、自転車を止めてから戻ったらもういませんでした。今日はこの2羽のみだったので残念です。

 カワセミ:調整池で立ち止まったとき、目の前の岸から突然飛び出し向こう岸の排水溝に留まりました。やはり、ラッキーと思ってしまいます。その後、一瞬飛び立って大きなフォバリングを見せてくれましたが、岸の樹のなかに消えてしまいました。

カワセミは美しさから清流の鳥と思ってしまいますが、意外とこの濁った池に多いのです。 赤津川では、どこかでずっと声が聞こえる気がしていて、2,3分後に川をくだっていく姿を

捉えました。ここも以前のように清流ではありません。

 カイツブリ:調整池で、カワセミを目で追っていたら、突然繁殖声が聞こえ、声なのに視線が遮られた様な気にがしました。気づくと潜水していたカイツブリが、水から浮き上がってきまし

た。

 ホオジロ:公園のワンド跡の草むらで、高い草のてっぺんでホオジロが典型的な声で囀っていました。姿も典型的で、絵本のようでした。

 カワウ:公園に入ると、上空を西に向かうカワウの姿がありました。このあたりでは、というか私のなかでは害鳥でもなく、少し珍しい鳥です。大岩橋の上流で、砂防堤に留まって羽を乾かす姿が見えました。じっと動かず、同じ姿勢で、長く感じましたが2、3分で飛び立ちました。

カルガモ:ますます少なくなって今日は全部で9羽、でも5羽で飛ぶ姿もありました。

 ヒバリ:赤津川の定位置、少し上流、2カ所で囀っていましたが、幾分少なめで静だった気がします。

 ツバメ:やはり公園の中が多く3,1,5,2,1,3,3,と飛び、永野川では2羽、赤津川では5羽のみでした。

 もう少なくなったはずのヒヨドリが賑やかに鳴いていました。

公園のユリノキがオレンジと黄色のグラデーションの花をつけました。外来種ですが、ひときわ目立って季節の花となっています。野バラも咲き始めました。ハリエンジュはもう花を落とし始めて、結局今年は香りを楽しめませんでした。

 公園の草刈りが始まって、またしばらく鳥は少なくなりそうです。

 河川工事は、ほぼ終わったので、あとは自然の回復を待つことしかありません。オオヨシきりが来てくれますように。

 

鳥リスト

キジ、カルガモ、カワウ,カイツブリ、ダイサギ、イカルチドリ、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシボソカラス、ハシブトカラス、シジュウカラ、ヒバリ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ムクドリ、スズメ、セグロセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ

 








永野川2017年5月上旬

 

用事ができ、川に着いたのが10時になり、少し暑いくらいでした。

カルガモ:二杉橋の近くは相変わらず水が流れていない状態で、カルガモが2羽浅瀬で動きません。調整池で1羽、赤津川でも田の縁で3羽、1羽、とどれも動かず、営巣の前の状態なのかと思います。数はぐっと減ってしまいました。あるいはどこか見えないところでもう営巣中でしょうか。

コガモ:少し登ったところでコガモのペアが岸辺にいました。この2羽のみで、他の場所にも見られませんでした。

ウグイス:二杉橋のあたりから上の睦橋までで、5カ所で囀っていました。『野鳥』誌に鳥の囀りの違いについての記事がありましたが、よく聞くとここだけでも短いもの、1音節多いものなど、確かに3種類くらいの声があります。これは地域差ではなく、鳴き始め、熟練の違いでしょうか。大岩橋付近でも1羽囀っていました。

ムクドリ:ムクドリが4羽、第五小側から川を越えて飛び、1羽が巣材を加えているようでした。ムクドリが公園で2215羽、滝沢ハム付近で5羽、赤津川でも1羽、活発に動いていました。繁殖期でしょうか。ここには、ムクドリが群れてくるようなことは珍しく、あまり有害生物とも捕らえられていません。ただ1羽でも声は大きく住宅近くだったら嫌われるでしょう。

メジロ:高橋近くの民家の屋敷林の大木で、メジロが3羽ほどで囀る声が聞こえました。ここでは滅多に現れないメジロですが、今日は公園のさくらの木でも1羽の囀りが聞こえました。

ハシブトカラス:公園の調整池付近でハシブトカラスがインスタントラーメン1個を咥えてきて、地面に下りました。どこかにゴミが不法に捨てられていたのかも知れません。その後、どうしたかを見届けませんでした。カラスのカウントをしなければと思いながら、声の多さと実際の数とがうまくつかめず、手を抜いてしまっています。

ホオジロ:公園のワンドあとの草むらで、ひときわ大きな声で囀っていたので、しばらく探したのですが見つかりませんでした。その後、公園の2カ所、いつもの定位置、上人橋付近でも囀り、大岩橋の河川敷林では地鳴きでした。

ツバメ:永野川には見えませんでしたが、公園に入ると増えてきて、4,4,3,3、1,1と舞い、赤津川に入ると6羽の群れが見えました。

スズメ:川では水浴びするスズメがいて、その後、岸の低木の枝に留まっている姿は黒っぽくなり別の鳥にみえました。今日は群れて飛ぶ姿はありませんでした。

イカルチドリとイソシギ:公園の中州に1羽、遠かったせいもありますが、アイリングは確認できなかったので、イカルチドリとします。合流点でも鳴き声がきこえました。

合流点で、イソシギが1羽、一カ所にとどまって、羽繕いをしているときも、やはり、尾を上下させていたのは発見でした。久しぶりでした。

ダイサギ・チュウサギ・コサギ:ダイサギが上人橋付近で頭上を飛んでいきました。大きく足先まで黒です。その後下りているものが1羽、大きく嘴の感じでダイサギと確認しました。

赤津川の田んぼで、チュウサギ、少し小さくて嘴の感じもチュウサギ、黄色い嘴のさきから黒くなっていました。1羽だけでしたが、今季初です。

永野川の中州に先回と同じ場所に、今日もコサギと思われるものがいましたが、どうも足先まで黒くなってきたように見えます。大きさも嘴も飾り羽の様子もコサギのようにみえるのですが。

シメ:公園で頭上を越して2羽の鳥が対岸に飛んだが双眼鏡に入れようとしていたら、モズがいたのでまたこちらに戻ってエノキの中にかくれてしまいました。腹面がしろく見え、大きさなどから、またいつものシメのいる場所だったので、シメが残っていたのか、と思ったのですが、あるいは別の鳥だったのかも知れません。尾が長いような気もしました。もしかしてコムクドリ?もう少しよく観察できないと意味が無いような気もしてきました。

カワラヒワ:今日は大岩橋ちかくの田の電線で1羽が囀っていました。定位置の五小のサクラにはいませんでした。

ヒバリとセッカ:いつもの赤津川岸の田でヒバリは2カ所で囀りました。またセッカの上昇音と下降音の両方を聴くことができました。

 コゲラ:滝沢ハムの林でコゲラの声がしました。久しぶりです。他のカラ類などはいませんでした。

 

 アマガエルでは無い声―物まねでよく聴くカエルの声―が聞こえ始めました。ウシガエルもなきました。

 ハリエンジュの蕾が膨らみ始め、もうじきむせかえるような甘い香りで包まれることでしょう。

 ヨシやススキも伸びてきました。今は他の草を押さえて、ヨシがまとまってよく育っているような気がします。ヨシ原がどの位育つか楽しみです。

 

鳥リスト

キジ、カルガモ、コガモ、カイツブリ、キジバト、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、イソシギ、イカルチドリ、コゲラ、モズ、ハシボソカラス、ハシブトカラス、ヒバリ、ツバメ、ウグイス、セッカ、ムクドリ、スズメ、セグロセキレイ、カワラヒワ、シメ、ホオジロ








賢治と京都


 浜垣誠司氏はHP「宮澤賢治の詩の世界」に、賢治の父政次郎が1921(大正10)年4月、1月から家出、上京していた賢治を誘って、関西旅行に出たことに関して何度かお書きになっています(注1)が、最近、二人が京都で泊まった旅館の周辺の詳しい地図があって(注2)、行ってみたくなり、京都旅行の計画の中に入れました。

 旅館は、三条通り、加茂川に架かる三条大橋から西へ3軒目、南向きの「布袋館」で、現在は「加茂川館」となっています。十返舎一九『東海道中膝栗毛』の弥次さん、喜多さんが宿泊した宿「編笠屋」と同じ場所でもあるそうです。

東海道の終点だった三条大橋近く、付近には「池田屋騒動跡」の碑、「佐久間象山先生・大村益次郎卿遭難の碑」があり、弥次さん喜多さんの銅像もあります。周辺は、ある時期までは観光の拠点で、修学旅行の宿泊場所でもありました。

二人は、3日(注3)に伊勢神宮に詣で、二見浦に宿泊し、4日に列車と琵琶湖湖南汽船を乗り継ぎ下阪本で下船、比叡山に登って、延暦寺で伝教大師千百年恩忌に詣でたと推定されます。そこから徒歩で京都側に下りて、夕刻「布袋館」にたどり着きました。

浄土真宗信者の父政次郎の目的には、開祖親鸞上人が、夢でお告げを受けたと言われるゆかりの寺、3カ所を訪ねることがあったようです。

まず、比叡山無動寺の「大乗院」は1200(正治2年)、親鸞が参籠した際夢に如意輪観音が現れ、お告げがあったとされています。ここには比叡山参詣の最後に詣でました。

「布袋館」から1.2キロほど「頂法寺六角堂」は、翌1201年(建仁元年)、親鸞が百日参籠を行った際、95日目の夜の夢に救世観音が現れお告げがあったという重要な親鸞ゆかりの寺ですが、二人が詣でた記録は残っていません。これは日蓮を信奉する賢治への配慮もあってのことだったのかも知れません。

翌日、政次郎の購読していた『中外日報』の本社を訪ね、そこで大阪府、磯長村、「叡福寺」への行き方を調べた記録が残っています。「叡福寺」は聖徳太子の墓所で、親鸞が参籠したとき、夢に聖徳太子が現れてお告げがあったと言われます。賢治の信仰する日蓮にもゆかりの寺で、父子共通の目的だったと思うのですが、なにかの手違いのためか、詣でた形跡は無く、奈良に直行して一泊し、7日に帰京します。 

 伊勢神宮から、聖徳太子、伝教大師、親鸞まで、ゆかりの地を訪ねようとした政次郎は、日蓮宗に傾倒していく賢治に、幅広く信仰の場を感じさせたかったのでしょうか。親となった今では、宗派を変えて家出までした息子に、ひたすら寄り添う政次郎の気持ちの方がよくわかります。

賢治が布袋館に宿泊したと思われる4月4日、サクラは咲いていたのでしょうか。この関西旅行で詠んだ短歌(歌稿B 763804)を見ると、ひたすら寺院や神社に触れた喜びを真摯に詠んでいます。抜粋し記します。

 

    伊勢

764かゞやきの雨をいたゞき大神のみ前に父とふたりぬかづ
     かん

  比叡

  根本中堂

775ねがはくは 妙法如来正偏知 大師のみ旨成らしめたま
      へ。

  大講堂

776いつくしき五色の幡はかけたれどみこころいかにとざし
     たまはん

778うち寂む大講堂の薄明にさらぬ方してわれいのるなり

780おゝ大師たがひまつらじ、たゞ知らせきみがみ前のい 
     の りをしらせ

  法隆寺

787摂政と現じたまへば十七ののりいかめしく国そだてます

 

奈良ではアシビの花や柳の芽吹きを詠んでいます。

 

奈良公園

791月あかりまひるの中に入り来るは馬酔木の花のさけ
         るなりけり

794 ここの空気は大へんよきぞそこにてなれ、鉛の鹿の
         ゼンマイを巻き

798さる沢のやなぎは明くめぐめども、いとほし、夢は
         まことならねば

 

サクラを詠んだ短歌はありません。4月初旬にサクラが咲くのは、温暖化が進んだ近年のことでしょうか。サクラが咲いていたら短歌に詠んでいたかもしれません。賢治がサクラを詠むのは、帰京した直後の短歌(歌稿805811)です。

 

805エナメルのそらにまくろきうでをささげ、花を垂るる
     は桜かあやし

806青木青木はるか千住のしろきそらをになひて雨にうち
       どよむかも

807かゞやきのあめにしばらくちるさくらいづちのくにの
        けしきとや見ん

808ここはまた一むれの墓を被ひつゝ梢暗みどよむときは
       ぎのもり

809咲きそめしそめゐよしのの梢をたかみひかりまばゆく
        翔ける雲かな

810雲ひくく 桜は青き夢の

(つら) 汝は酔ひしれて泥洲
        にをどり

811汝が弟子は酔はずさびしく芦原にましろきそらをなが
        めたつかも

 

盛岡高等農林学校の時の恩師の関豊太郎と友人保阪嘉内と、改修される前の荒川堤での花見の時と推定されます(注4)。

保阪嘉内は大正7年盛岡高等農林学校を退学処分となった後、大正8年12月東京駒場に1年志願兵として入隊、大正9年満期除隊後、大正10225日には郷里で山梨教育会の書記として事務職に就いていました。

関豊太郎は、大正99月〜昭和1711月まで、滝野川村西ヶ原(東京都北区)にあった農商務省農事試験場に勤めて、土性研究を行っていました。

なぜ嘉内が上京し、関豊太郎と花見の宴が行われたかは不明です。雨の中に散るサクラに不思議な輝きを見いだし、憂いを含み酔うこともできない友人や、反対に酔いしれる恩師の姿が詠われ、屈折しています。

その後も、サクラに対しては〈桜の花が日に照ると/どこか蛙の卵のやうだ〉(七八〔向ふも春のお勤めなので〕(「春と修羅第二集」)という感覚です。

 

2017年4月4日、京都のソメイヨシノはまだ七分咲きでしたが、周辺はサクラ一色、色々な国の観光客が肩をならべ平和な風景でした。月並みな感覚を持ち合わせる私どもは、その中にどっぷり浸かっていました。

賢治が、もしそんな風景に身を置いたら、一瞬でも、平凡で平穏な気持ちを持てたのかも知れません。                    (小林 俊子)

 

注1、浜垣誠司HP『宮沢賢治の詩の世界』
   2006年4月16日「京都における賢治の宿(1)」
   2006年4月17日「修学旅行に使われた布袋館」     
  添付資料「父子関西旅行に関する三氏の記述」(佐藤驕@ 
      房、小倉豊文、堀尾青史の記述を比較したもの)

注2、浜垣誠司HP『宮沢賢治の詩の世界』

   2017年3月17日「親鸞の夢告の地」

 

注3、旅行の日程は、堀尾青史『宮沢賢治年譜1991年版』(筑摩書房)の推定による。

注4、宮澤俊司「隅田川」(『宮沢賢治 文語詩の森 第二集』柏プラーノ2000)

 

 







永野川2017年4月下旬

30日

12日ぶりの永野川です。少し間を開けてしまいました。少しむっとするくらいですが、よい天気です。10時ころ家を出ました。

二杉橋上では、川の流れは止まっていて、昨夜の雨がたまっている感じでし、コガモが5羽、2羽、2羽、と群れていました。赤津川でも2羽、3羽、と群れて、あるいはここでカップルを作っているのかも知れません。

カルガモ:二杉橋、上人橋から赤津川までほとんどが2羽連れで、8組、3羽が2組、これもカップル作りでしょうか。

ウグイス:少なめで二杉橋付近で2カ所、1羽は谷渡りで鳴いていました。他は公園と大岩橋では囀りです。

ツバメとイワツバメ:増えてきました。ほとんどが2羽か1羽ですが、公園一帯と赤津川に多く全部で25羽になりました。

イワツバメが公園の上空を飛んでいました。今季初めて、尾の形等で確認しました。

キジ:公園一帯、赤津川、あちこちで見えて、ほとんどがでしたが、唯一、赤津川で1羽が道路をゆっくり歩いて、草むらに消えました。

コサギとダイサギ:大岩橋下に、コサギらしい、少し小さめで嘴が黒い個体を見つけました。でもこの時季、ダイサギなども嘴は黒いので、足先を見ようと頑張って見ていると、いつも見るような鮮やかな黄色ではなく黒ずんでいました。帰って図鑑で見ると、幼鳥は黄緑色とのことですから、この色はやはりコサギだったと思います。

帰りの上人橋で大きめのおそらくはダイサギで間違いない個体に会いました。足は先まではっきりと黒でした。

ムクドリ:普段はあまりここでは見かけないのですが、上人橋近くの田で5羽、公園の芝生で4羽、赤津川でも1羽、と散らばっていました。

イソシギ:赤津川で、下流から飛んできた鳥がやっと岸辺に留まって、しっぽを上下しながら歩きました。ひさしぶりのイソシギでした。

イカルチドリとコチドリ:公園で歩くコチドリ、はっきりとアイリングと濃い黒い顔の模様を確認できました。

イカルチドリは上人橋付近で下の河原で鳴いている声を聞くのみでした。

シメ:調整池の回りの桜の木で、チッチという声がして、しばらく待つとシメが見つかりました。この場所で見るのは珍しいですが、川沿いの定位置からは300メートルくらいしか離れていません。公園でも、上人橋付近でも1羽やはり桜から飛び立ちました。

モズ:公園、大岩橋でもいずれも木の高いところにいて、キチキチという高い声で鳴いていました。

ヒバリとセッカ:いつもの赤津川の田んぼで、いつもより大きな声で沢山聞こえました。3カ所で7羽くらいかと思います。

一瞬ですが、セッカの声も聞こえました。やはり田んぼは鳥の楽園なのかもしれません。

 

観察に来る間隔が空いているせいか、渡りのヒヨドリやツグミの群れを見ないうちに、すっかりいなくなってしまいました。

公園のオドリコソウが、数を減らしながらも、蕾を付けてきました。知る人が知ったら嬉しい花なのですが。開発や整備すすむばかりで、いつまで残ってくれるかわかりません。

調整池のヒドリガモもいなくなり、もう夏鳥の季節です。

 

鳥リスト

キジ、カルガモ、コガモ、カイツブリ、キジバト、ダイサギ、コサギ、バン、イソシギ、イカルチドリ、コチドリ、モズ、ハシボソカラス、ハシブトカラス、ヒバリ、ツバメ、イワツバメ、ウグイス、セッカ、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、シメ、ホオジロ








永野川2017年4月中旬

18日

朝まで降り続いた雨がようやく上がり10時に出かけました。強風の予報でしたが、幸い風もなく暖かでした。雨のおかげでようやく川に水が戻ってきました。

今日のニュースは、アカゲラ!

大岩橋の河川敷林で、道路脇にいた鳥が、一瞬飛んで5メートルほど先の木の幹にとまり、鮮やかな赤が目に入りキキツという声も聞こえました。1分ほどで、林の奥に姿を消しましたが、これだけで嬉しい日になりました。

ここでは以前から2度ほどアカゲラに会っています。でも、もうこの時季では夢のようです。それに以前ここがもう少し豊かな林だったころでしたから。一度はブルドーザーで慣されてしまったこの場所ですが、林が再生してきたのかも知れません。

どうかもう切らないでほしいと思います。林の場所としては許されないところなのでしょうが、生物のすみかという観点からはやはり大切なのではないでしょうか。伐採に変わる方法もあるのだと思います。

 

今日は鳥種の別に記録してみます。

キジ:最初に二杉橋上の岸で1羽、上人橋上の河川敷でも1羽、公園の草むらから声が2カ所、赤津川岸の田んぼでも1羽、やはり季節になると出てくれるのですね。

カルガモ:かなり水が増えてきたので、どこでもゆったりと泳いでいました。た。二杉橋上4羽、上人橋3羽、公園の川、合流点で8羽、赤津川で8羽、今年は少なかった気がします。

コガモ:二杉橋から上人橋までの間に、5、1、9、2、赤津川でペア二組、まだまだ残っています。

ヒドリガモ:二杉橋から上人橋でペア1組、調整池西で9羽、一時より減ったままです。

カイツブリ:調整池で1羽、もしかしてここで孵ったものだろうか、などと夢想します。公園の川でも1羽漂っていました。

キジバト:大岩橋の河川敷林に大きな鳥影、キジバトです。私がいる間4分以上ずっと動きませんでした。

カワウ:合流点の定位置に1羽です。

ダイサギ:今日は合流点で1羽のみ、はっきりした大きさも特徴もダイサギでした。

イカルチドリ:公園の川の中州で1羽、アイリングがはっきりしていないのでイカルチドリだと思います。ただ顔の黒い部分がはっきりしている感じです。合流点の河川敷でも1羽、帰り道の高橋付近で1羽。

コゲラ:公園の川を南から北に鳴きながら渡っていきました。同じ個体かも知れませんが、上流の岸の低木にも縦登りする1羽を発見しました。

モズ:上人橋近くで電線に1羽、大岩橋の河川敷林で1羽。赤津川では、1羽がキーキー、1羽はキョッツキョッツというかなり大きな声で鳴いていました。

オナガ:ここでは珍しいのですが、高橋脇の民家の前の田に1羽単独で下りていました。

ヒバリ:赤津川の両岸で2カ所ずつ、錦着山裏の田でも囀っていましたが声のみです。

ツバメ:やっと増えてきました。二杉橋から上人橋までで5羽、公園のパークハウスで7羽が営巣場所を探しているように周辺を飛び回っていました。合流点から赤津川で9羽です。イワツバメには今季はまだ会えません。

ウグイス:二杉橋の上の藪で5カ所からさえずりが聞こえました。本シーズンです。大岩橋の近くの山林でも1カ所で聞きました。

エナガ:公園の桜の木に小さな動きがあって、声がしてエナガ3羽見つけました。大岩橋の河川敷林にも2羽、分散している印象です。

セッカ:公園の北側の芝生でなぜか上昇音が聞こえました。この芝生というよりは草むらでは、ヒバリも鳴きます。手が入れられる以前は完全な草原で、ヒバリももっと沢山いたことを思い出します。

ムクドリ:同じ田で2羽一緒に歩いていました。

ツグミ;公園の児童遊園脇の芝生で3羽、姿勢良く歩いている感じです。今年は少なかった気がします。

セグロセキレイ:二杉橋から上人橋までの間に4羽、公園で1羽、水が多いと戻ってきます。

ホオジロ:上人橋の近くでいつも囀るものが1羽、他の鳥が全くいなくなった公園のハリエンジュにも1羽で囀っていました。公園の草むらで2羽、大岩橋の河川敷林で2羽、いずれも雌でで地鳴きでした。

シメ:公園のクルミに動きがあってシメを見つけました。少し上流の桜にも1羽、シメに会うのももう少しの間です。

カワラヒワ:第五小付近の電線でなぜかいつも囀っています。

アオジ:二杉橋うえの岸の草むらから飛び出して留まりました。いつもここで鳴いているのは多分アオジだったのでしょう。

 

山は芽吹き始めた薄緑とまだ残っている桜で彩られ、とても美しく、木々は小さな芽が育ち初めて、見ていても楽しい季節です。

思いがけずアカゲラにも会うことができ、まだ残っている冬鳥、やってきたツバメにも会えて、とっておきのひとときとなりました。

 

鳥リスト

キジ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、カイツブリ、キジバト、カワウ、ダイサギ、イカルチドリ、コゲラ、アカゲラ、モズ、ハシボソカラス、ハシブトカラス、オナガ,シジュウカラ,ヒバリ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、セッカ、ムクドリ、ツグミ、スズメ、セグロセキレイ、カワラヒワ、シメ、ホオジロ、アオジ