翌年早々に安孫子の工場のようなところに異動になった。 残業100時間以上が当たり前の環境から、残業のない職場になった。 ただし、通勤時間は片道2時間以上あった。
同じ千葉県内の移動に過ぎないのだが、 乗り継ぎ等の都合や、駅から30分以上歩く必要などから、 そんなに時間がかかるのだった。
引っ越したり、実家から通う等という方法もあったのだろう。 しかし、残念ながら職場環境にうまく適応できなかった。 疲れきっていて、頭が回らないのである。
職場の相手先の主任等に相談しながら仕事をするなど 仕事についての基本的なことができていれば、 職場に残ることは難しくなかったと思う。
ただ、そんな基本的な社会人スキルも身に付けていなかったため 仕事の責任を一方的に押し付けられる形で退職させられた。
実家に戻って、休むことにした。 1年ぐらい休むことにしたのだ。
これまで、高校浪人や大学浪人などの1年間の休みを経験していたこともあり 今回も、人生をお休みするつもりで、家の中ですごすことにした。
客観的には、ひきこもりである。 ただ、自分では1年経ったら復帰するつもりであった。 そのため、長引くかせることはなかった。 期限付きで休むことは、上手い方法ではある。
ところが、 この年の12月末に、有名な事件があった。 世田谷一家殺人事件である。
この事件をテレビで見ていた私は、酷く心に衝撃を受けてしまった。 その結果、1月が始まってから一睡もできない状態になったらしい。
眠れない状態になったのは、コーヒーが効きすぎているためなのと、 そんなに睡眠をとる必要がなくなったのだろう、程度の気構えでいたため 全く、問題にしなかったのが祟った。
何者かがとてつもなく遠くから近づいてくる感覚に襲われたのと同時に 普段、考えたことのないことが頭に浮かんだ。
魂が抜けて死ぬことがあるんだ。
そして、2週間が経過した後、実際、私は魂が抜けて死ぬことになった。 |