先日、テレビで往年の名野球選手であったベーブ=ルースの映画を録画しました。 『夢に生きた男 ザ・ベーブ』です。
ベーブ=ルースといえば病気で入院している少年を励ますためにホームランを約束して果たすという話が有名です。 彼に対して穏やかな人格者のイメージを狸は持っていました。 けれど映画では、まず、手をつけられない悪ガキということで父親に矯正施設(少年院)に連れてこられるところから始まります。 その施設の中で野球の才能を見いだされ、ベーブは施設を出てプロ野球選手への道を歩むことになります。
お腹がでっぷりしていて、でもホームランを軽々とスコーン!と決め、野球界では大スターになりました。 そしていつも取り巻きに囲まれて、稼いだお金でドンチャン騒ぎです。 最初の奥さんは平穏に農業を営んで平穏に夫と過ごすことを望んでいました。 ドンチャン騒ぎが大好きなベーブと静かに過ごしたい奥さん・・・思いはすれて違っていました。 ベーブにはなぜ、奥さんがドンチャン騒ぎを嫌がるのかが理解出来ません。 一緒に楽しめば良いのに・・・と首をかしげます。 けれど真面目で一途な奥さんにとっては賑やかなドンチャン騒ぎが苦痛なのです。 やがて最初の奥さんは、いつも取り巻きに囲まれて宴会を続けるベーブに愛想を尽かして離婚を言い渡しました。
そして最初の奥さんに去られて落ち込んでいるベーブでしたが今度は女優であった2度目の奥さんと再婚します。 2度目の奥さんは酸いも甘いも噛み分けた、度胸が据わっている印象の女性です。 ベーブがドンチャン騒ぎをしようが何だろうが咎めません。 むしろベーブの気持ちを察知し、上手に誘導していく様子が描かれていました。
お祭り騒ぎの場面を観ながら狸は “ベーブ=ルースは愛情に飢えて生きてきたのかな” と思いました。 父親に少年院に入れられ、後に母親も病気で亡くなり、少年院の中で入所仲間に“この中で親が面会に来ないのはお前だけ”と言われたルースにとっては、お祭り騒ぎをする間だけ、胸に残る寂しさのようなものを忘れられたように狸は感じました。 その一方で、追いかけてくるファンの子供たちには太陽のような笑顔で手を振り、買い占めて販売のスナックフードを惜しみなく振る舞う姿も描かれていました。 その姿がサンタクロースのように見えました。 |