待合室で読んだ本です。
タイトルから想像がつく通り、小学生向けの本です。
小学校6年生のクラスが舞台となっております。
感情をうまく外に出せず、親や先生から見れば“子供らしさがなくて扱いにくい子”と思われがちな美月の視点から書かれています。
美月の親友の“はるひ”は、明るくて、自分が思ったことを素直に表現し、子供からも大人からも好かれる女の子です。
家庭訪問に来た担任の先生(中年の女性の先生)が、美月の家に来たにも拘わらず
「お宅のお子さんは、はるひちゃんと仲が良いのですよね。あの子は面白くて〜」
とはるひの話ばかりして帰るという場面が印象に残りました。
先生は贔屓しているという意識はないのだけれど、結果的には、はるひを贔屓していることになってしまい、ひょんなことがきっかけでクラス全員がはるひを仲間外れにするという内容です。
読んでいて、クラスの同級生の気持ちは勿論のことですが、悪者扱いされている担任の先生の気持ちが狸には他人事に思えませんでした。
設定では、前任の先生が大学を出たばかりの若くて美人の女性の先生で、生徒たちの話はどんなに些細なことでも真剣に聞いてくれて、人気があったということでした。
その先生が結婚して異動し、次の来たのが、中年の冴えないオバサン先生とのことでした。
でも、読んでいて、この先生にも悪気はないのですよね。
はるひみたいな、無邪気で裏表がなく、それでいて頭が良くて“言えばわかる”子に惹かれる気持ちが伝わりました。
今、狸が毎朝、読んでいる朝日新聞の小説「沈黙の町で」に登場する女子中学生も、こんな感じです。
ソフトボール部で活躍し、成績も優秀で学級委員を務め、それでいて、テニス部で活躍する瑛介に密かに思いを寄せる・・・という、これこそ親が求める中学生生活のお手本みたいな姿です。
事故死したいじめられっ子の祐一の母親が、
“息子をこんな風に育てたかった”
と思うという描写が印象に残りました。
狸の母も、良く、こんな感じの同級生を見ては
「普通の娘さんって、あんな感じなのねえ。あっけらかんとして明るいわねえ。狸と全然違うわねえ」
と溜息をついていたのが思い出されました。
明るく振舞って、それが大人受けする同級生に対する子供たちの僻みがテーマのようでしたが、狸にとっては
“気がついたら、気に入った生徒を贔屓していた。そのことで他の生徒を傷つけていたことに全く気がつかなかった”
という、担任の先生の描写の方が印象に残りました。