夕方、熊の帰宅後すぐに狸は動物病院にアビシニアンを連れて行きました。 アビにとっては初診になるため、ペットショップで引き渡された書類一式を持って行きました。 診察してもらったところ、細菌などはみつからず、これといった異常はないようでした。 そこで狸は、アビを引き取った時から薄々抱いていた疑惑を確認することにしました。 狸が 「先生、こんな時に基本的なことを質問するんですが」 と言った時、先生は 「はあ、何ですか?」 と聞きました。 その顔は“下痢のことなんだろうなあ”という顔でした。 狸は 「この猫、メスですよね?」 と聞きました。 その瞬間、先生の顔が“え!?そっち!?”という表情になり、熊もハッとした表情になりました。 そして先生は触診すると一言 「オスですね。」 とおっしゃいました。
実を言うと、アビシニアンをお店から引き取るとき、メス猫ということで引き取ったのです。 勿論、人それぞれの好みがあって、飼うなら絶対にオス猫!という人も大勢います。 しかし、我が家は飼うなら絶対にメス猫!と決めていました。 初日にお店で出してもらったのは正真正銘のメス猫でした。 鮮やかな毛色で優しい顔立ちのおとなしい猫でした。 その場は保留にして、翌日、飼う決心をして出してもらった時に違う猫を渡されたのです。
先生の言葉を聞いたとき、狸は咄嗟にどうしよう!という言葉が頭に浮かびました。 ちなみに、アビシニアンを飼いたいと思ったきっかけは、横にリンクを貼ってある「タクさんの趣味は園芸」の愛猫アビィ君&ルディちゃんのお話がきっかけです。 アビシニアン兄妹(姉弟?)のエピソードでアビシニアンに惹かれました。 狸が“猫には罪はないし、オスのアビィ君とメスのルディちゃんだって見た目はそっくりだし、このまま飼い続けるしかないかなあ。でも、飼いたかったのはメスだし、オスは怖いし・・・”などという思いが頭をぐるぐる回っている時、熊が一言 「愛情が湧く前に店に返そう」 と断言しました。 狸はその言葉にハッとし、病院で応急処置をしてもらって、お店に返す決意をしました。 アビシニアンには点滴をしてもらいました。 痛みなのか恐怖なのか、アビシニアンはニャアニャア絶叫していました。 狸はアビシニアンの前足をさすりながら 「怖いねえ。大丈夫だからね。ごめんね。こんなことに巻き込んでしまって」 と声を掛けました。 さするとアビシニアンの絶叫が止まりました。 病院から出てすぐに熊がペットショップに電話して、その日のうちにアビシニアンを返しました。 |