子猫だったミラが3歳になった頃、ロシアンブルーのステラがやってきました。 ミラがペットホテルで御世話になっていたペットショップで迎えました。 びっくりしたのはミラです。
何?この生き物は・・・!! 私、聞いてないわよ!!!
初日は先住猫のミラに気を遣い、ステラをケージに閉じ込めました。 ステラはケージの中でニャオーン!!ニャオーン!!と叫びました。 けれど初日はそのままにし、一晩中、そのままにしておきました。 するとステラは一晩中、絶叫していました。 狸は可哀想だと思いましたがネットでも本でも"新入り猫は慣れるまではケージに入れて先住猫と隔離するように"と書いてあります。
すると熊がステラを出してやろうと言い出しました。 そして 「ステラ、一晩中、鳴いて(泣いて)いたよ。何か、ステラも愛情に飢えているところがあるよ。こいつも可愛がってやらないと可哀想だよ」 と言いました。
ステラが愛情に飢えている・・・?
その時の狸は、生後すぐに母親を亡くした先住猫のミラのことしか頭にありませんでした。
とにかくミラの機嫌を損ねてはいけない。 一番、大事なのはミラ。 ステラは両親が揃っていて、ブリーダーさんの元で母猫から母乳を飲んで育ち、人間に飼われるようにペットショップで育った猫なのだから放っておいても大丈夫。
そんな風に考えていました。 ペットショップで"商品"として"買った"という感覚から、そのような思い込みがあったのです。 けれどステラも生身の猫、それも、まだまだ愛情が欲しい年頃の子猫です。 狸は熊の言葉にハッとしました。
"先住猫を優先するように"と言われますが、先住猫だろうと新入り猫だろうと当の猫たちには関係のないことです。 とりあえず、どちらも同じように可愛がるように努めました。 今でこそステラは抱っこ嫌いですが当時はお膝が好きでした。 狸の膝に乗っている子猫のステラをミラが引きずりおろそうとしたことがあります。 その時、同時に二匹の頭を撫でて 「ミラ、ステラだって大事な存在なのよ」 と声をかけるとミラは引きずりおろすのを止めました。
一方、狸がステラを可愛がると面白くないくせに、ミラはステラの姿が見えないと叫びながら探し回るのです。 狸は夜中に何度もミラに起こされました。 他の部屋で迷子になって鳴いている子猫のステラを連れてきて、ミラの前に置くとミラは安心したように寝ました。
子猫の頃はミラを立ててくれていたステラですが、今は若い分、ステラの方が強気です。 でも、それはミラがやり返す力がなくなってきたからだとわかってからは、ステラなりに少しずつミラの様子を見ながら喧嘩を吹っ掛けています。 ちなみに夜、就寝前のひとときに、紐につけたオモチャで遊ぶ時は二匹一緒です。 |