あるところに仲の良い姉妹がいた。 二人は連休ということもあり、高原のペンションに遊びに来ていた。
夜もふけ、遊びつかれた二人はそろそろ寝ようと寝室に入った。 妹はベッドの上に寝転がり、姉は部屋にある鏡台で髪を乾かしながらだったので鏡越しに会話をしながら、明日はどこに行こうかなどと話し合っていた。
「・・・ねえ。玄関の鍵って閉めた?」
会話の途中で突然、姉がそんなことを聞いてきた。 姉は依然として鏡を向いたままである。
妹は閉めたよと答えたが、どうしても気になるから見に行こうとしきりに姉が言い出した。
「めんどくさいよ。そんなに気になるならお姉ちゃん見てきてよ。」 妹はそう提案したが、夜中だし怖いからついて来て欲しいと何度も言われ、しぶしぶ起き上がってついていくこととなった。
二人で玄関へ向かう廊下に出た瞬間、姉が妹の腕を力強く掴み、玄関に向かって走り出した。
「いたたたた!!!何するのよ!!!」 姉は不満を言う妹を無視し、そのまま玄関から外に飛び出した。
何百メートル走っただろうか。 ようやく街の方まで抜けてきた辺りで、体力も限界に近づき二人は立ち止まった。
一体何事なのかと怒る妹に姉はこういった。
『私が座っていた鏡台の鏡から、あんたのベッドの下にナイフを持った男が横たわっていたのがみえたのよ!!!』
その後二人は地元の警察と共にペンションに戻った。 ペンションの中は釜でズタズタに引き裂かれており、男の姿はすでになかったのだった。
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