芳賀功師のお話から 主要テキスト:ヨハネ17章21節
T.福島第一バプテスト教会 今月出版されたばかりの本 「流浪の教会」 を紹介します。3月11日東日本大震災で大きなダメージを受けた教会の物語で、 地震と津波、そして原発事故に伴う避難命令という三重苦に遭っているのです。 この教会は福島原発から3km内にあり、あの水素ガス爆発事故と同時に閉鎖を余儀なくされ、教会員は離散せざるをえなかったのです。 この試練をどのように乗り越えつつあるのかこの本から教えられます。
U.教会と被災の概要 1947年に宣教師により開拓され、60年後には信徒数500人に到り、2008年福島県浜通り大野町に、100年先を見据えたという立派な会堂が建てられたのです。 しかし、水素ガス爆発に伴う放射線量は、許容基準値をはるかに越えた値で、政府から2時間以内の非難指示を受け、着の身のまま教会を去ることになりました。 こうして500人の信徒は会津、山形、ほか各地に離散、奥多摩福音の家にまで導かれた方々は60人でした。
V.1つとなるため 奥多摩福音の家に導かれた信徒に対して、S牧師は、ただ、ただ、 「神が共にいて下さる」 という確信に満ちたメッセージを語られたそうです。 その時、S牧師の心に与えられていたみことばは 「父よ、あなたがわたしにおられ、わたしがあなたにいるように、彼らがみな一つとなるためです。・・・・・・そのことによって、あなたがわたしを遣わされたことを、世が信じるためなのです。」 (ヨハネ17章21節)だそうです。 困難な事態であるのに、神の意思が理解できていたから 「神が共にいてくださる」 という確信を失わなかったのでしょう。
W.神と共に歩む秘訣 神と共に歩む秘訣を整理しておきたい。 第一は、神が一人ひとり行くにも帰るにも、見えない姿で二人三脚のように共に寄り添って下さり、神と一つになるときに奇跡を見せてくださいます。 そのためには神様としっかり紐を結び、タイミングがあわなく転んだ時、神は抱き起こして下さることを信ずるのです。 第二はヨハネ10章29〜30節、 「・・・・・わたしと父とは一つです。」 イエスはこのように宣言しています。 全てを失った福島バプテスト教会の失望と落胆はどれほどでしょうか。 しかしキリストと私とは一つであることをあくまで信じて神と共に歩むのです。 第三にこの教会は、教会も教会員も伝道する地さえ皆失ってしまいました。 まさに私たちにはとても理解できない流浪の教会です。 しかし、神とイエスが一つであるように、イエスと結ばれて互いが愛し合う事によって,どのような患難をも乗り越えられると信じ確信しておられるのです。 それは私のために十字架で死んでよみがえって下さった 「主と共に歩む人生」 を旅しているようで、行き先は御国であるということだと思うのです。
X.建物ではなくて教会に 最後にS副牧師夫人は 「私は全てを失って恵みを得ました。その最大の恵みは教会という建物ではなくて、私たちは今教会にいるという恵みです。神様は今共にいますが、いないと思ったことは一度もありませんし、また不安もなく被災してからもこんなに恵まれています。被災しないと味わえない現実です。」 と話しされました。
結び 私たちはどのような大きな患難や試練があったとしても、神と共に歩むことです。 「それは、父よ、あなたがわたしにおられ、わたしがあなたにいるように、彼らがみな一つとなるためです」 編責H&K
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