本堂再建日記

千二百七十年以上の歴史を持つ大慈寺には、百六十年以上も本堂がありませんでした。 そして時がたち平成二十年、檀家さんたちのご理解とご協力を得て、本堂を再建することになりました。 その再建決定の日から落慶法要の日までを逐一、全国の皆様に知っていただくために、大慈寺の住職が作成しているサイトです。
 
CATEGORY:チベット仏教

2014/02/14 23:29:07|チベット仏教
太陽の光のような
 知人が翻訳されました『太陽の光のような心の訓練』(Parade books)が出版されました。
 著者はホルトゥン・ナムカー・ペルというチベット人で、有名なツォンカパの直弟子です。
 その内容は、そもそもツォンカパの開いたゲールク派の前身であるカダム派の、ロジョンの教えを説明したものです。
 ロジョンとは、心の訓練として訳されるようですが、完全に自我をなくすことを目的とした訓練のことのようです。
 知人であり訳者の日山智善さんは、この教えに傾倒されて、毎日の実践の中で生かされている方です。
 最澄様の「己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり」という言葉がありますが、そういう種類の言葉が羅列してあり、さらにそれを解釈されております。
 評価などできる身分ではないですが、感想を述べさせていただきますと、仏教入門というよりは、更に奥深くのことが書かれており、かつテキストに基づいていますので、研究書としての価値も同時に持っているように感じました。
 ご縁のある方はどうぞお読みください。






2012/12/20 23:20:24|チベット仏教
偉人のなしたこと
 チベット仏教最大の宗教者は、ツォンカパといっていいというのが大勢の意見であると思います。
 そのツォンカパは、文殊菩薩と一体になろうという努力と修行をしておりました。
 文殊菩薩というのは、智慧の仏ではありますが、人間であったということはありません。
 その文殊菩薩から様々な啓示を受けるのですが、それとは別に、尊敬する仏教者、アティーシャを礼拝しておりました。
 インドにおいても、チベットにおいても、仏菩薩とは別に、生きた先人である宗教者、仏教者を礼拝するというのがしきたりです。
 それは師匠、グルにあたりますから、それがあるのでしょう。
 日本においても、弘法大師さんや、元三大師さんをお祀りするということがありますが、同じような意味あいもあるのでしょう。
 そしてツォンカパは、既になくなっているアティーシャより親しく言葉をいただき、自分の宗教に確信を得たということです。
 日本でも時々同じようなことを聞きます。これは全世界共通なのでしょう。






2012/11/16 23:58:01|チベット仏教
チベット仏教が残してくれたこと

 チベットに仏教が入ってしばらkたちますと、インド流と中国流の二つの仏教が混在することになりました。
 それで一体どちらが正しい仏教なのかという議論を、それぞれの代表がしてしたことがありました。
 その結果、インドの仏教の正統なものとして、中国から来た仏教、僧侶すべてを国外追放にしたことがありました。
 もう千年以上前のことですから、それがいいかどうかという問題は起こりませんが、しかし今現在、その時にインド仏教を選択してもらっていてとてもよかたと思えることがあります。
 それは、インドでは仏教が滅びてしまいましたが、それをそのままの形でチベット仏教が維持しているからです。
 ですからインドで流行っていた仏教を再現しようとすると、チベット仏教から得ることが多くあるのです。
 そういう意味において、その時の判断は有益であったと思われます。
 歴史の評価は長い時間がかかりますが、これなどは、現在の仏教徒からしたら高い評価に値するものであると思います。







2012/10/15 22:46:40|チベット仏教
グル・リンポチェ
 チベット仏教には偉人が多数おりますが、最古の僧侶で信仰を受けている方はパドマ・サンバヴァでしょう。
 この方はインド人ですが、チベットで仏教を布教するのに妨げが多く、それを排除してなだめるために呼ばれた方です。
 名前はパドマ・サンバヴァで蓮華生と漢訳されますが、チベット人は、グル・リンポチェと大先生という意味で尊称します。
 特にゾクチェンで有名なニンマ派では、開祖とされて広く信仰を集めています。
 その理由が、法力に優れていたという点であり、日本で言えば弘法大師のような方といっていいのではないでしょうか。
 今でもチベットやその近辺でも、このグル・リンポチェの史跡と呼ばれる場所が何箇所もあり、聖域になっているようです。
 このグル・リンポチェは、現在のチベット問題を予言していたという伝承も残されています。
 そしてこのグル・リンポチェの生まれ変わりと呼ばれる方もおいでになるということで、ますます驚きました。






2012/09/21 22:38:53|チベット仏教
教えを離れる
 チベット仏教は日本人には馴染みが少ないかもしれません。しかしそのチベット仏教の歴史の中で最高の僧侶は、ツォンカパであるといって、否定する人はいないでしょう。
 14世紀頃に活躍した僧侶ですが、チベット仏教で有名なダライラマ初代の先生といったらわかりますかもしれません。
 このツォンカパは、とにかく優秀でした。師を求めてチベット各地を訪問いたしました。そこで仏教の教えという部分では、ほぼ最高のものを手に入れました。
 もしそこで満足するならば、著名な寺院に勤められ、著作を残せば名も後世に残ったことでしょう。
 しかしツォンカパが偉いのは、それを捨てるのです。いや、正確に言うと離れるのです。それ以降ツォンカパは、実践に比重を移し、瞑想を中心とした仏教にどっぷりとつかるようになります。
 これはなかなかできないことです。仏教の真理とは何か、悟りとは何かを求めたからこそできたことなのでしょう。ツォンカパはその後、神秘体験を得ます。






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