花ど真ん中の里便り

栃木県は日本の花ど真ん中です。
 
2021/08/19 9:09:17|その他
鉱毒証言 夏至五月渡良瀬
 庭田源八著「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」は
レイチエルカーソン著「沈黙の春」に
優るとも劣らない貴重な書、要旨、引用継続
します。
 
 夏至五月の節に相成りますと、竹の子等が
多く出ました。皆根が腐て何れも引抜まする。
鉱毒藪には竹子は一分位しか生ません。
 
 又田植えの節、燕が多く飛び歩行(あるき)
ましたもので御座りますが、虫や蜘蛛類抔が
少なき故か、燕も至て少ふ御座ります。
 
 鉱毒証言 渡良瀬四季のハザマ
 鉱毒証言 清明三月渡良瀬
 鉱毒証言 小満四月渡良瀬
 鉱毒証言 芒種五月渡良瀬
 







2021/08/18 9:09:02|その他
鉱毒証言 芒種五月渡良瀬
「芒種五月の節に相成りますと、
野にも川にも蛍が夥しく居りまして
子守や子供衆は蛍狩りに〜
 
 鉱毒の為(蛍は)少しも見えませぬ。
 
 此節に到りますると、大麦は丈五尺位
ありました。並みの馬につけますには
余程高く付けませぬでは、穂が引きずり
ました。
 
 下野国足利郡吾妻村大字小羽田は、
関東にても有名な肥土でありましたが、
只今は鉱毒被害の為め、何も生えませぬ」
 
 [引用]「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
     庭田源八、著







2021/08/17 8:51:29|その他
 鉱毒証言 小満四月渡良瀬
 「小満、四月、中の節。山林
田圃などには、蛇が多く居りました。
只今鉱毒地には更に御座なく候と申し
ても宜敷位でござります。
 
 此花(うつ木、卯の花)の頃は
時鳥(ほととぎす)があちこち啼いて
飛びちがいましたもので〜
 
 只今では、虫や蜘蛛が鉱毒の為
居りませぬ故か、一と声も聞きませぬ。
卯の花も咲きませぬ。
 
 蟷螂(かまきり)や、けら、百足(むかで)、
蜂、蜘蛛等が夥しく(おびただし)居りました。
鉱毒地には、只今一切居りませぬ」
 
 [引用]「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
     庭田源八、著
 
 







2021/08/16 10:18:35|その他
鉱毒証言 清明三月渡良瀬
「清明三月の節になりますると
三月の節句に草餅を春(つ)きまするに、
蓬が多くありまして、摘みましたもので〜
 
 只今では鉱毒地には蓬が少なき故
利根川堤や山の手へ行って、〜。
近年は無拠(よんどころなく)
青粉と申すものを買ひまして(略)
 
 鯉など年中はねて居りました。
只今では毒鉱土砂沈殿し、河底埋塞の為
浅くなりました故、魚は居りません」
 
 [引用]「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
     庭田源八、著
 
 
 
 







2021/08/15 11:24:08|その他
鉱毒証言 渡良瀬四季のハザマ
  「立春正月の節。雪が一尺以上
降りますと青竹弓でブツハキと
云ふをこしらへ、(小鳥)餌をあさるを
待ち受けて急に糸を引きますると
矢がハズレ〜」
 
 「近年鉱毒被害の為小鳥少なく、二十歳
以下の者この例を知るものなし」
 
 「啓蟄二月の節に相成りますと(略)
渡良瀬川に亀が多くおりました。只今にては
十四五歳位の童児抔は亀甲と申す生きて
居れるを見たものは少ないで御座りましょう。
即ち鉱毒被害なるべし」
 
[引用]「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
     庭田源八、著