花ど真ん中の里便り

栃木県は日本の花ど真ん中です。
 
2021/08/29 9:07:09|その他
鉱毒証言 立夏四月渡良瀬
 立夏四月之節に相成りますと、
(立夏は二十四節季名で四月から
六月中まで夏に季節分けされている
 
「夏」
立夏(りっか)  4月節
小満(しょうまん)4月中
芒種(ぼうしゅ) 5月節
夏至(げし)   5月中
小暑(しょうしょ)6月節
大暑(たいしょ) 6月中
 
 又喚子鳥抔と申す鳥が、毎晩〜〜
ほう〜〜〜〜と啼き、かこ〜〜〜〜と
啼くのも有りました。
 
 近頃は御座りません。
 
 林や山藪抔には野蒜と蜻や蝶や蛞や
抔が、又枝蛙、蟻抔が多く居りました。
 
 鉱毒地には只今では少しもおりません。
 
[引用]
  「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
         庭田源八 著 
 参考
   喚子鳥(よぶこどり)=閑古鳥(かんこどり)
   蜻  (とんぼ)
   蛞  (かつ、おたまじゃくし、なめくじ)
   枝蛙 (えだかわず、モリアオガエル)
  
 







2021/08/27 7:40:17|その他
鉱毒証言 庭田源八さんの願い
 諸君希くは、我等栃木県
足利郡吾妻村大字下羽田一番
 
 庭田源八宅へ御臨覧願上升。
 
 一切付御べんめい致し升。
 
[引用]
  「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
         庭田源八 著 
 
 







2021/08/26 8:44:30|その他
鉱毒証言(補稿) 雨水正月渡良瀬
 雨水正月の中の節に当たりましては、
渡良瀬川の瀬と淀の間には、こうほね抔と
云う草が〜黄の花が水中よりぬけ出て咲き
ました。
 
 洪水度毎に鉱毒が沈殿致し、川々枝流も
同様、只今では更に御座りません。
 
 又沼抔にて、どんぶ虫と云ふがありました。
其虫を針に差し餌に致し置きますと(鰻)が
穴より出ました。
 
 鉱毒被害以来取れません。

   [引用]
 「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
  庭田源八 著 
 







2021/08/25 10:10:32|その他
鉱毒被害 寒露九月渡良瀬
 寒露九月の節、最早麦蒔き節に
御座ります。(略)又、蒔附きと
申しまして、(播種シーズン)
 
 是を(一斉に発芽した双葉の野菜)
うるぬき(おろぬき、間引き)まする
時は、なか〜〜多御座りますから〜
 
 諸親戚や懇意の人に呉れました〜
往還の端に出しまして往来の人に〜
只今に至りましては鉱毒被害のため
朝夕の汁の実でさい御座りません。
 
 竹木は枯れて減じ、稲の収穫は減じ、
藁も減じ、麦藁なし、小麦無し、菜種芥子は
なし、薪物なし、馬の喰物なし、なし〜〜〜。
 
[引用]
 「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
  庭田源八 著 
 







2021/08/24 9:13:31|その他
鉱毒証言 白露八月渡良瀬
 白露八月の節也。最早菜種を
蒔まする節に御座ります。
 
 鉱毒被害以来(菜蒔とんぼ)更に
居りません。一切御座なき故は
鉱毒被害の確実なる証拠なり。
 
 何れの作物(蕎麦、大豆)にても
収穫のあらざるなし。只今は、更に
鉱毒被害のため、一品にても取れません。
 
 又渡良瀬川へは、鮭が多く登り参り
ましたもので御座ります。鉱毒被害以来
二十歳以下の人々如此の例(庭田さんが
著書で伝統の鮭獲り漁法詳細に説明)を
しる者是なし。
 
 只今では、鰌も鮒も鰻も、鉱毒被害のため
少しも取れません。
 
 只今では(渡り鳥)更に参りません。
鉱毒被害のためなるべし。
 
[引用]
 「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
  庭田源八 著