花ど真ん中の里便り

栃木県は日本の花ど真ん中です。
 
2021/08/26 8:44:30|その他
鉱毒証言(補稿) 雨水正月渡良瀬
 雨水正月の中の節に当たりましては、
渡良瀬川の瀬と淀の間には、こうほね抔と
云う草が〜黄の花が水中よりぬけ出て咲き
ました。
 
 洪水度毎に鉱毒が沈殿致し、川々枝流も
同様、只今では更に御座りません。
 
 又沼抔にて、どんぶ虫と云ふがありました。
其虫を針に差し餌に致し置きますと(鰻)が
穴より出ました。
 
 鉱毒被害以来取れません。

   [引用]
 「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
  庭田源八 著 
 







2021/08/25 10:10:32|その他
鉱毒被害 寒露九月渡良瀬
 寒露九月の節、最早麦蒔き節に
御座ります。(略)又、蒔附きと
申しまして、(播種シーズン)
 
 是を(一斉に発芽した双葉の野菜)
うるぬき(おろぬき、間引き)まする
時は、なか〜〜多御座りますから〜
 
 諸親戚や懇意の人に呉れました〜
往還の端に出しまして往来の人に〜
只今に至りましては鉱毒被害のため
朝夕の汁の実でさい御座りません。
 
 竹木は枯れて減じ、稲の収穫は減じ、
藁も減じ、麦藁なし、小麦無し、菜種芥子は
なし、薪物なし、馬の喰物なし、なし〜〜〜。
 
[引用]
 「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
  庭田源八 著 
 







2021/08/24 9:13:31|その他
鉱毒証言 白露八月渡良瀬
 白露八月の節也。最早菜種を
蒔まする節に御座ります。
 
 鉱毒被害以来(菜蒔とんぼ)更に
居りません。一切御座なき故は
鉱毒被害の確実なる証拠なり。
 
 何れの作物(蕎麦、大豆)にても
収穫のあらざるなし。只今は、更に
鉱毒被害のため、一品にても取れません。
 
 又渡良瀬川へは、鮭が多く登り参り
ましたもので御座ります。鉱毒被害以来
二十歳以下の人々如此の例(庭田さんが
著書で伝統の鮭獲り漁法詳細に説明)を
しる者是なし。
 
 只今では、鰌も鮒も鰻も、鉱毒被害のため
少しも取れません。
 
 只今では(渡り鳥)更に参りません。
鉱毒被害のためなるべし。
 
[引用]
 「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
  庭田源八 著







2021/08/23 9:59:12|その他
鉱毒証言 処暑七月渡良瀬
 処暑七月の中の節、渡良瀬川、
鵜鳥と申まする鳥が多く、四季共
不断(普段)魚を取、是を餌に
喰べて居りました。
 
 田面抔(など)、沼川の辺り抔には
多くの白鷺が小魚を餌にして遊び
飛歩行ました。
 
 鉱毒被害のため、夕立致し大雨が
降りましても魚は取れず、白鷺も鵜鳥も、
少しも居りません。
 
 十四五歳以下の童児は、白鷺や鵜鳥の
生て居るのを見た者は御座いますまい。
 
 [引用]
 「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
  庭田源八 著
 
 鉱毒証言 渡良瀬四季のハザマ
 鉱毒証言 清明三月渡良瀬
 鉱毒証言 小満四月渡良瀬
 鉱毒証言 芒種五月渡良瀬
 鉱毒証言 夏至五月渡良瀬
 鉱毒証言 小暑六月渡良瀬
 鉱毒証言 大暑土用渡良瀬
 鉱毒証言 立秋七月渡良瀬
 
 







2021/08/22 9:29:42|その他
鉱毒証言 立秋七月渡良瀬
 立秋七月の節、田面の水を
干します時、田毎に水の落ち口に
うけ(筌)を置きますると、鰌、
小魚が多く取れました。
 
 近頃鉱毒被害のため、更に
取れません。
 
 土用明すると、すいんちょと云う
虫が多く、すいんちょ〜〜〜と
啼きました。又鈴虫と申ますは、
ちりちろん〜〜〜と啼きました。
又轡虫と云ふ、がしゃ〜〜〜と
啼きました。

 鉱毒地にはゐつしか居りません。
 
 [引用]
 「鉱毒地鳥獣虫魚被害実記」
  庭田源八 著

 鉱毒証言 渡良瀬四季のハザマ
 鉱毒証言 清明三月渡良瀬
 鉱毒証言 小満四月渡良瀬
 鉱毒証言 芒種五月渡良瀬
 鉱毒証言 夏至五月渡良瀬
 鉱毒証言 小暑六月渡良瀬
 鉱毒証言 大暑土用渡良瀬