初めまして、「カミさん」です。ちょこちょこと名前だけは出ていましたが、今回映画レビューのため登場しました。適当で独断と偏見に満ちたレビューですが、その点はご容赦を。ヘビの成長記録も書く予定です。 ワタクシは幼いころから映画が大好きでして、今でも週に2、3本は見ています(新作は殆ど見ませんが・・)。一口に映画鑑賞と言っても、一番のお気に入りはB級映画。このジャンル、我々が幼い頃はテレ東の専売特許で、真っ昼間に化け物がバシバシ登場していたものです。放送コードがとてもフリーダムだった時代のお話です。 以前は大味なハリウッド物から小難しいものまで色々と見ておりましたが、この年になりますと、物の道理ですとか大概のことは分かってるもんで、愛やら恋やら絆やらを見せられてもカッタルイと言いますか。そんな中でB級映画はワタクシにとって一服の清涼剤。B級映画=カッタルイというのは遠くの棚に上げておきます。くだらなさの中にもそれなりの何かがある、それがB級映画の素晴らしさです。多分。
この手の映画はDVDで鑑賞することが一般的なわけで、TVが居間に一台という我が家では、必然的にダンナもお付き合いすることが多くなります。しかし、不慣れなダンナは早々に意識を失うかリタイヤ。完見するハードルは中々高いようです。なので、レビューに加えて、彼がどこまで見ることができたかという「ダンナ指数」を★で表してみました。B級映画には慣れていないけれど、これから鑑賞してみよう!という奇特な方の参考になれば幸いです。 ダンナ指数:★★★★★完全鑑賞 ★★★★3/4鑑賞 ★★★半分鑑賞 ★★1/4鑑賞 ★5分以内 (大体上映時間90分が多いです)
ちなみに、私の満足度は★10個で表します。★5個で及第レベルです。尚、基本的に早回しなし、字幕にて鑑賞しております。 第一回は「モンスターマウンテン」です。モンスターマウンテン(原題 Behemoth)
2011年 カナダ 90分 アルバトロス配給
安心と信頼のアルバトロス配給。題名から想像する通り、ジャケットを見て感じる通り、どこをどう見ても立派なB級テイストでございます。ちなみにこの映画、SyFyチャンネル(米のケーブルテレビチャンネル)の人食いシリーズの23作目だそうです(英wikiより)。いわゆるTVムービーというやつで、最近のモンスターパニック物はこの手のものが多いです。 この映画は何かのDVDの予告で見た時から気になっていました。ワタクシはアメリカのTVドラマ「ユーリカ」(これもSyfyだ)が大のお気に入りでして、その準主役であるネイサン・スターク博士役のエド・クィンが主演していたからです。同じく「ユーリカ」のロボット保安官アンディのタイ・オルソンも出ています。それと忘れてならないのが、「Xファイル」のスモーキングマンで知られるウィリアム・B・デイヴィスさん。今回はモルダーも真っ青な役で出演しておられます。
話を戻してモンスターマウンテン。ジャケットにはイカ(タコ?)とヘビと何かを足して割ったようなモンスターが描かれ、中々迫力があります。山のような化け物というと「デッドリースポーン」を思い出しますが(これは文句なく良いB級映画です)、この映画では山お化けはラストのみの登場でした。今回はこれがメインですから、最初からドーンと馬鹿デカイやつが出るに違いない!と期待が膨らみましたが、もちろん裏切られました。
<私的見どころ>
・ユーリカとXファイルの俳優さんたちのその後を見ることができる
・一応新しい化け物を見ることができる
・倒れる犬の演技 内容は「地球を懲らしめようとする(してるんだと思う・・)ベヒモスをやっつける話」です。
ちなみにベヒモスとは旧約聖書に出てくる怪物のことで、作中で語られるマヤとは全く関係ありません。地球破滅→マヤ出しとけや!というアメリカン的ないい加減臭が漂っています。カナダ制作だけど。
主人公は元軍人の地元の山に詳しい何かの技師(多分)です。地質学者の元カノが出てきますので、これで最後はヨリが戻ってブッチューラストが容易に想像できます。主人公には元大学教授の主人公の父親がいます。彼は妻が死んでからショックで少し言動がおかしくなり、皆からまともに相手にされていません。まあ怪物研究なんぞしている方なので、前から変わり者程度には思われてたんじゃないかと。元は国家の機密を扱う重要人物だったのに・・・いやそれはXファイルのお話。その元教授を優しく見守るウェイトレスの若い女性と主人公の妹カップル、化け物退治に来た軍人さんが主な登場人物です。どっかで見たな〜という俳優さんばかりなので、B級にしては悪くないメンバーかと思います。
しかしです。低予算らしくCGがチャチなのはご愛嬌、設定がトンデモなのは想定の範囲内なのですが、待てど暮らせど化け物が出てこない。この手の映画は、マヌケで使えない警察や行政が事態を悪化させ、そいつらごと住民がバックバックモンスターに食われていくのが見たいものなのです。なのに、1時間経っても「ホビット」の最後のスマウグの目もどきと、巨大なゲソのみ。ちなみにこの映画、きちんと住民を避難させています。逃げ惑う街中壊滅シーンを取らずに済むもんね・・・。お金なかったんだね・・・。
ストーリーですが、地震の多い片田舎が舞台です。最近はやたら頻発しています。主人公がチームで測量をしていたら地震で木の枝がポキッ、下にいた友達に当たり、その時は足の負傷だけだった友人が、車に乗せるときには死んでいました。そうこうしていると、元カノらしき地質学者の女が地震の観測に現れます。元カノ、地上90cmの範囲で二酸化炭素が噴出していると発言。だから横になっていた友人は死んでしまったと。この時の犬の演技は必見です。ちなみにこの「地上90cm CO2」、この後は忘れ去られている感じがします。
全世界で大惨事が起きていてその原因の中心がここらしく、この状況を打開すべく派遣された軍人(一人だけ!)に山のガイドを頼まれる主人公。しかし、元カノ地質学者と途中で出会い「危険なので避難しましょ」という意見に速攻同意。エ? 道の説明だけして軍人さんを残し山を下ります。が、雨の冬(秋?)山にキャンプに行った妹カップルを救いに再度山へ向かう主人公。何したいのだ。妹カップルですが、70分過ぎに男の方がベヒモスに襲われ死亡。あーやっと一人いなくなったヨ。そういえば前にもう一人襲われてた気がしますが、すごく印象が薄いのでよく覚えていません。
えー元教授の父親とウェイトレスですが、避難命令後早く逃げればいいものを、ウェイトレス、「これは私の責任」とかヌかしてレジの金を数えています。もちろん逃げ遅れて建物に閉じ込められます。ウザい。ベヒモスにとっとと食われろという思いがこみ上げますが、何だかんだ生き残ります。
そーこーするうちに軍人さんがゲソに叩かれ死亡。「この最終兵器でやっつけろ」と武器を託される主人公ネイサン(すでにこの映画での名前を忘れた)。途中で妹を拾い、3人でレンジャーの基地に行ってヘリで逃げる、その前にベヒモスを倒すってことになります。レンジャーの基地には今用意しました♪と言わんばかりのヘリが待っていました。そして、隣に乗ったことがあるだけでヘリのエンジンをかけられる元カノ地質学者。すごいねー。(棒)
ここで時計を見ると既に80分近く。もうゲソだけなんだ・・とあきらめモードに入るワタクシ。
そんなワタクシを憐れんだのか、ラスト15分を切ってやっと出ましたベヒモス君。正面から見るとちょっと鳥っぽくも見えるのがアレですが、造形は悪くありません。確かにデカい。山の上に鎮座するモンスター。いや怪獣か。しかし、残念ながら質量として大きいとは感じません。距離が離れすぎてて人との絡みもほぼ無いから怖くもない。山の上でゲソがうねっててヘビもどきがウガウガやってるだけなので迫力半減なのです。ついでに、軍の秘密兵器がなんちゃってロケットランチャーのような代物。せめて戦闘機呼ぼうよ〜。しかも妹が「パパがやっつける方法を教えてくれてた! 喉の奥で矢が放たれて心臓を引き裂き、龍は死ぬ」と訳分からんことを喚き、ネイサンがランチャーを発射し喉に入って命中して終わり・・。こんなんであっさりやられちゃうベヒたん・・。
このベヒモス君、3万年前と1万5千年前にも出現してるそうです。伏線は全くありませんでしたが。でも、地球が人類に鉄槌をくらわすための生物だったら、地球のためにはまた眠らせておくた方が良かったんじゃないでしょうか。有史以前からの貴重な絶滅危惧種だし、次暴れるのは1万5千年後だし。眠らせ方知らないけど。
以上、すんごく酷い出来ではないけれども、モンスターモノとしては物足りない感アリアリの映画でした。
お気に入り度: ★★★(さっさと化け物を出すべし)
ダンナ指数: ★★★★★(珍しく完見。恐らくユーリカを見ていなければ★★)
次回はユーリカつながりで、「レイクプラシッド3」の予定です(主人公カーター保安官が出ています)。