現在の医療現場では、「病院の3分医療」ということが取りざたされています。患者さんを待合室で長時間待たせておいて、実際の診察はたった3分で終わりということです。中には患者さんを問診して、直接患者さんの体に触れることもなく、薬を出して終わりというお医者さんもいるとか…。その薬もほとんどは化学薬品で副作用があるものを、保険の点数を稼ぐために必要以上にたくさん出しているお医者さんもいるとか…。もちろん、みんながみんなそういった非人道的なお医者さんばかりではないと思います。私もかつて同じ「先生」と呼ばれる公立学校の教員をしていましたので、その辺の事情はよくわかります。 私は、診療はまず患者さんを問診した時に、いかにより深く患者さんに「共振、共感、インラケチ」できるかにかかっていると思います。「共振」とは、波長を合わせること。「共感」とは、読んで字のごとく共に感じること。「インラケチ」とは、マヤ民族のあいさつで、「私はもう一人のあなたです。」という意味です。いかに患者さんの痛みを自分のこととして感じられるかです。私の場合、若いころのスポーツ障害が原因で、ほとんど全身くまなく1度は痛めた経験がありますので、たいていその痛みが分かります。中でも腰痛に関しては「共振、共感、インラケチ」しやすいです。ただし、私もかつて経験したことのないような重症の患者さんを目の前にしたときには、「共振、共感、インラケチ」することと同時に、「患者さんを消して不安にさせるような発言をしないこと」「けして症状や病名に驚かないこと」などに気をつけています。
|