オーディオテクニカのVM型カートリッジの最高峰である「AT−15Ea」を何十年も使っておりますが、このカートリッジ、同クラスでは最高と当時のオーディオ雑誌で名ミキサーでもある菅野沖彦氏が語っておりました。
今までは気にせず使っていましたが、最近改造したパイオニアのプレーヤーで改めて鳴らしてみると、右チャンネルから「ブーン」というハムノイズがします。え〜!!こんな雑音出ていたっけなー・・・といろいろやりましたが改善しません。(他のカートリッジは問題なく再生しています)
落ち着いた潤いのある音を出してくれるこのカートリッジ、捨てるには惜しすぎます。断線でも・・・とテスターで見てみても問題は発見できません。一般的にはハムノイズを抑えるために右側の端子が外部アースしてありますが、このカートリッジはボディが金属製なので内部アースになっています。テスターでも確かにそのような測定結果になります。
当然、ヘッドシェルも当時からオーディオテクニカの最高峰であるマグネシウム合金で作られています。そういえばこのプレーヤーの出力線を低容量線に変更してあります。この辺の取り回しは非常に難しい技術でノイズには頭を悩ませます。
もしかして・・・と思い、ヘッドシェルをもう一つの高級シェルのLT13に変えてみることにしました。このシェルは不思議な仕様でシェル自体がアースされていません。これはアルミの塊から削り出したという出自によるものです。
結果、案の定ハムノイズはきれいに取れました。不思議な結果になりました。アースするとハムノイズが発生し、アースされないとハムノイズが消える・・・常識とは正反対の結果に!オーディオというのは、なんと難しい世界なのでしょう。一般常識が通用しません。奥が深い世界ですね!50年も前の素晴らしい音が再生できなくなるのは耐え難いですもの、何とか解決して良かったです。 |