[天災に出会ったときに」
受け継ぐ農地での適作は、干ばつに強いという理由から
「ぶどう」に決めて、大規模土地改良と、ぶどう園造成の初期から
成木になるまでの数年間は、農外収入で生活しながら、
未来への希望を抱いていました。
ところが、棚を埋めた巨峰の大収穫を待つばかりになった直前に、
雹(ヒョウ)害で、壊滅状態を経験しました。
収穫目標に達する年という時の挫折でした。
自然と生きる苛酷さを味わいながら、試練に耐えられたのは、
大勢の仲間、同業者の肉体的・精神的に協力を得られたからです。
農業熟練者の「不屈さ」にすごく支えられ、その後長く続けられました。
「いつまでも在ると思うな親と金。無いと思うな運と災難」という教訓を
その時に教わりました。
あぁ・・・なるほど、このコトだな
望むのは家族の健康。 元気で働ければ借金もすぐになんとかなる。
家族が支えあえば、復興するまでの精神面の辛さが半減します。
光明が見えて闘争心に火がつくって感じで
「負けてたまるか!」と・頑張れました。
雹害は、借金返済の期間が長くなってしまった、試練です。
農業人になってから、記憶に残るもっとも大きな出来事で、
「ハウス」「雨よけ」へと施設化を図るきっかけになりました。
施設化の栽培面積が進み、安心していられると思ったら
強風が多くなったようで、夜中でも目が覚めて神経がすり減ります
強い寒気の影響だと風後に寒い朝がやってきますので、
暖房機が正常に稼働しないと低温になって、大減収になります
自然界の脅威にさらされなければならないのが残念ですが、
苦労から・・・思い通りの結果になった時の喜びは、たとえようのないほど
毎年頂点をめざし、 なおも高みを目指したい。
農業の奥深い面白味があるからかもしれません。
ケヤキの木の芽吹きで天候を占う 4/27談
大正生まれの商人に聞いた話です。
コンピューターの無い時代の春から夏の天気の予想に、
ケヤキの木の芽吹きの様子を指標にして占ったそうで、
確率も100%じゃありませんが、結構当たるようです。
大きく目立つケヤキの木に注目して、芽の出方や萌芽・展葉を
みていくと、一斉に芽生えて順調に緑になっている年には晩霜もなく、
梅雨入りや梅雨明け、という流れがほぼ平年通りに順調なのです。
反対に、幾枝だけが早く萌芽して、不揃いな展葉をしていると、
晩霜が春野菜に被害を及ぼしたり、麦秋に雹害があったり、
稲にイモチ病が大発生したり・・・と、
低温害が発生しやすい年になるのだそうです。
だいぶ前に聞いた話を思い出しながら見てた時、
確かに今年のケヤキの芽吹きは不揃いが目立っていました。
商人は先を読めないとだめだから最低でも夏までの
天候の傾向を知って、仕入れに失敗しないようにしないと
儲からないという御説でした。
地球温暖化で想定外の夏の暑さが多くなっていますが、
地球の冷却機能も着実に機能しているとしたら、
寒暖の幅が大きくうねった状態で繰り返しやってくるのは、
至極当然のことのように思えます。
〜「いつまでも無いと思うな、運と災難」〜
天災は忘れた頃にやってくる・・・って。
平年より遅い時期になってからも低温による被害が
起こる確率が高い年かも・・・(ー_ー)!!