私の語りの本が出来ました。
『間中一代さんの栃木語り』
野村敬子 ・ 霧林宏道 編著 発行 瑞木書房 発売 慶友社
定価 本体2500円 + 税
栃木市民活動センターくららで販売中です。 勿論、書店でも予約でき、アマゾンでも買えます。
以下の紹介分は版元ドットコムからの転載です。
紹介
國學院大學栃木学園奨学出版 栃木口承市民文芸の現代を記録する。
語り手の見えないと言われた栃木に新たな「言語文化」を創生しようとする軌跡を辿りながら「間中一代という語り手」発見
女性たちの語りの活動は社会化して言語芸術の新たな座標を求め続けている。
本書は、講座での間中一代さんの語りを中心に、地域ボランティアでの語りも翻字して紹介する。 先の研究者が無視した現代語り、多様な場面と情熱を再確認した。 現代社会の複雑な場面が、間中一代さんの語りの側面を多様にして、語り口も多彩にしている。 世の中にたったひとつの、自分だけの物語 内容 栃木語り伝承拠点地図 間中一代さんの現代語り 栃木伝説(32話) 昔話・世間話(57話) 活動資料(4話)・活動記録 間中一代さんのひとこと 研究ノート 伝説のダイナミズム 栃木語り再生 語り手の力で採話の文字昔話を口承文芸「声」に戻していく自己改革。 間中さんの挑戦は幼い頃、祖父からの聞き覚え体験に根差す耳の想像力による。
目次
栃木語り伝承拠点地図 6 間中一代さんの現代語り─風邪予防のマスクや手洗いのように─ 8 栃木伝説 1 イデン坊の足あと 24 2 磯山の天狗の足あと 25 3 赤麻沼の龍 26 4 弘法池 29 5 栃木の地名由来 31 6 ざっこ・なご 32 7 九十九曲り 34 8 思川の大蛇 37 9 旗かけ桜 40 10 御前の木 42 11 寺尾の地名の由来(初音山・尻内・駒岡) 43 12 牛に乗って来た坊様 43 13 新名地の馬頭観音由来 48 14 弁慶太刀割の岩 51 15 七尋蛙 54 16 星宮神社の鰻 57 17 巴波川の鯰 60 18 夢のお告げの仏様 62 19 岩舟地蔵 64 20 岩舟の生き地蔵様 67 21 田植え地蔵 70 22 餅呼び地蔵 72 23 牧の長者と千駄塚 74 24 よし草 77 25 雷様の恩返し 79 26 録事尊の話 81 27 大中寺の七不思議 83 28 酒を買いに来た鬼 89 29 綾川石 92 30 風呂桶を持ち上げた栃木山 94 31 荒痛薬師 96 32 塩庚申 99 昔話・世間話 1 時鳥の兄弟 104 2 雨蛙不孝 106 3 蛙の蜂退治 107 4 月の兎 108 5 蟹の恩返し 109 6 五匹の鹿の話 111 7 烏を食べた爺様の話 113 8 猿に見込まれた娘の話 115 9 耳の遠い婆様の話 117 10 田螺長者 120 11 蓬と菖蒲 124 12 食わず女房 126 13 お藤さま 131 14 大歳の火 135 15 雉も鳴かずば撃たれまい 137 16 三枚のお札 139 17 鬼子母神 145 18 鬼婆と櫛と帯 147 19 肉付きの面 149 20 雪娘 151 21 雷様の旅立 154 22 貧乏神と福の神 155 23 福の神と貧乏神 157 24 このしろ 158 25 若返りの水 160 26 百物語 163 27 狐のお産 165 28 二十一 167 29 占い婆様の話 168 30 猫と南瓜 169 31 河童の酒買い 171 32 さぎ草原の狸 172 33 おお深けえ 176 34 豆腐とこんにゃく 177 35 木の又の手紙 178 36 頭に柿の木 179 37 饅頭こわい 182 38 鰻のにおい代 185 39 めでたうれしやの話 186 40 めでたい正月 187 41 ふうふう、ぱたぱた、あちちの話 188 42 和尚さんおかわり 190 43 仕置きされた阿弥陀様 191 44 七甕長者の話 195 45 馬ぐそ長者の話 195 46 けちんぼ爺さん・のんべ爺さん 196 47 月をひろいに行った爺様 197 48 セッツブーン(節分) 199 49 朝茶いっぱい 202 50 グジの話(法事の使い) 204 51 狐に化かされた話 206 52 小豆っとぎ婆ぁ 207 53 原車の話 209 54 江戸しりとり唄 210 55 やん目売ります 211 56 蛇の話 212 57 白い梅の咲く頃 214 活動資料 1 琴平神社 218 2 太平山名物 卵焼き・焼き鳥・団子のいわれ 221 3 しもつかれの話 222 4 九尾の狐としもつかれ 227 5 ビール麦(二条大麦)の父・田村律之介 228 活動記録(二〇〇二〜二〇一五年) 234 研究ノート 伝説のダイナミズム─「岩船地蔵説話」を中心に─ 霧林 宏道 246 栃木語り再生 野村 敬子 273
間中一代さんとの出会い 岩瀬 陽香 297 あとがき 299
著者プロフィール
野村敬子(ノムラケイコ)
野村敬子(のむら けいこ)昭和13年、山形県真室川町生まれ。國學院大學卒業。口承文芸学研究者。編著『全国昔話資料集成24 真室川昔話集』岩崎美術社、『真室川の昔話 鮭の大助』桜楓社、『韓国民話 明淑さんの むかしむかし』かのう書房、『フィリピンの民話 山形のおかあさん・須藤オリーブさんの語り』『チュ・ママの台湾民話』『キムさんの韓国民話』星の環会、『渋谷ふるさと語り─二十一世紀の孫たちへ─』渋谷区、『渋谷むかし口語り─区民が紡ぐ昭和─』渋谷区教育委員会、『ふるさとお話の旅 東京・東京江戸語り』『ふるさとお話の旅 山形・絆 語り』星の環会、『語りの廻廊─「聴き耳」の五十年─』『栃木 口語り─吹上 現代故老に聴く』(共編)『江戸風鈴 篠原儀治さんの口語り』瑞木書房國學院大學栃木短期大学講師 日本口承文芸学会会員
霧林宏道(キリバヤシヒロミチ)
昭和37年、栃木県生まれ。栃木県立石橋高等学校、國學院大學卒業 宇都宮大学大学院教育学研究科修士課程修了 説話文学研究者。主な論文「『日本霊異記』の編纂背景とその意図」『國學院雑誌』90巻2号(1989/02) 「『日本霊異記』撰者景成の志向したもの―聖武天皇に関する叙述をめぐって」野村純一編『伝承文学研究の方法』(2005/03) 「景戒の『日本霊異記』編集姿勢」『伝承文学研究』55巻(2006/08) 「日本霊異記から今昔物語へ」『平成二十年度教育研究報告 國學院大學で中世文学を学ぶ』第2集(2009/03) 「『扶桑略記』における『日本霊異記』説話の享受」『國學院雑誌』114巻11号(2013/11) 「縁起の生成についての一考察―岩船山地蔵縁起を中心に」『野州国文学』52号(1993/10) 「藤原秀郷百足退治伝説成立についての一考察―『太平記』所収説話を中心に」『宇大国語論究』11巻(1999/09)他現在 栃木県立石橋高等学校勤務 上記内容は本書刊行時のものです。 |