2014年にNHKBSで放映されたプレミアムドラマ「その日のまえに」 は俺にとって一番大好きなドラマだ。3月23日(日)30日(日)其々50分で 前後編で放送され、檀れいと佐々木藏之介が主演だった。 その前に2007年にラジオドラマ化、2008年に映画化されていたようだが 偶然観たTVドラマが自分の心の琴線に清々しく吸い込まれていった。
このドラマの檀れいは美化し過ぎかもしれないが、正子そのものだった。 彼女の扮する平凡な主婦がある日突然膵臓癌で余命一年と宣告された。
妻が逝ったのは50代前半だったが、檀れい扮する主人公はそれより10才 いや15才も若かったのかもしれない。2人の息子は小中学生だった。 「なんでママだったんだろう。長生きしている人は沢山いるのに、なんで ママなんだよ。僕はずっつと以前からママが死ぬのは解っていたよ」と 話す幼い子供の言葉が胸を突き刺した。「でもね、これが人生なんだよ」 と諭す佐々木藏之介扮する父親の言葉が自棄に遣る瀬無かった。
檀れい に抑々好感を持っていた事もあったが、演じる彼女の思考が常に 前向きでプラス思考なのが亡妻に重なって、愛おしく懐かしくもあった。
我が妻もまさに宣告された余命を振り払い、癌に対し「直そうとする意志 を強く露わにし、常に前向きに戦う姿勢を崩さなかった。
或る時、子供と病室の外で妻の癌について悲観的な話を話していたら、 「私は直そうとして頑張っているんだから、悲しむような話はやめてよ」 と強く窘められた。
正にその言葉は腹を痛めて子供を産んだ母親の生きようとする強い心に 他ならなかった。
我が家の場合、幸いにも子供たちが成人していたので、其々に救われた。
妻が近々検査入院するかもしれないと云っていた矢先、急に変調をきたし 救急車で寺©自医科大学病院に運ばれ、それまで妻の病の事を何も知らな かったが、医師から「多発性骨髄腫」で余命2年半と宣告を受けた。
頭が真っ白になり、病院からの帰り道、余命宣告の悲しみを抑えきれずに いると、娘が「おとうさん。何かな死んでいるの。お母さんはまだ、生き ていけるのよ。事故や病で急死する事を思えば、まだ生きられるんだから その時間を大切にしてあげたらいいでしょう」と諭された。
その言葉が支えになり、残された時間を悔い無く過ごし、4年以上も2人の 想い出を創れたことが今にして思えば最大の幸せだった。
そんな想い出を振り替えさせてくれたドラマだ。
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