まず、室田武さん(1943〜2019) 足利高校卒、同志社大学名誉教授が、1983年、 「現代エコロジーの先駆者・熊沢蕃山」講演で 田中正造との共通性をお話しになった部分、 引用させて頂きます。 日本の治山、治水の歴史上重要な貢献をした 二人の巨人(蕃山1619〜1691。正造1841〜1913) が,ほとんど同じ場所(古河と谷中村は目と鼻の先)で 亡くなっているのは、興味深い。 鉱毒事件は、足尾の山がはげ山になり、鉱毒水が 流れてくる。大雨が降ると洪水が〜、正造自身、 直訴したり〜、それでも何も解決しない〜、 蕃山の場合も、幕府の森林伐採禁止令を巡って、 折り合いがつかなくなり、蕃山と正造の時代は 2〜3世紀違いますが、二人の考えは、非常に 共通し、最後に亡くなった場所が、近くで 興味深い歴史の偶然と言えます。 砂漠化が急速に進行しているなかで、ある意味で 蕃山の時代以上に大事なことで、鉱毒事件の由来を 生涯を賭けて問いただし続けた田中正造の遺志を 現代に蘇らせることにもつながると思います。 |