高殿 円さんの「トッカン 特別国税徴収官」を読みました。
東京国税局京橋地区税務署に所属する鈴宮深樹(通称 ぐ〜子)はトッカン(特別国税徴収官)の鏡雅愛の補佐官をしています。
読みはじめに用語表などがあったので、難しい話なのかなぁと思いました。
しかし、話のテンポがテレビドラマを見ているような軽快さなので、楽しく読めました。
ぐ〜子はトッカンの補佐として、毎日激務をこなしていますが、本人の心の中には、自分の過去のことや、現在の仕事ばかりで、友人がいない寂しさや将来の見えない不安があります。
そんな時、滞納者から罠にはめられ、ぐ〜子は窮地に追い込まれます。やっとできたと思った友人が自分を罠にはめていた事実を知った上、自分では気づかない嫌な自分に気づかされ、自己嫌悪に陥ります。 しかし、ぐ〜子は自分の非を認めた上で前向きにすすむことができます。 ぐ〜子の周りにいる人々の温かさ、冷血と思われている鏡トッカンのやさしさ、ぐ〜子の素直さやひたむきさに、ちょっと涙が出ました。
本当の現場ではこんな風に行くのか分からないけど、みんながこんな優しい気持ちに慣れたらいいよね。と思う一冊でした。 |