優しい風ー山の彼方へ

四季折々に野山を歩いています。 時々、優しい風にあい、心が和みます。 山の彼方に何かがある、そんな憧れに、自然の中に分け入った記録です。
 
2009/05/15 6:44:45|その他
小繋山

松田側ダムから眺める山々は、緑の山肌に陽が当たり、キラキラと輝き、奇麗だった。高沢林道に入ると、丁度、鳴神山手前が工事中で、時間帯通行になっていた。木品登山口を過ぎ、少し走った、〈こつなぎ橋〉手前、山際のスペースに車を止めた。
 すぐに支度をし、橋を渡る。左に小さなログハウスがある。その先に、左へと広い山道があり、〈鳴神山〉へと書かれた古い道標があった。コツナギ沢に沿って、左岸を歩いていく。沢の水音が心地いい。岸辺にクワガタソウが咲いていた。
 登山道には、ヤマブキソウが咲いている。緑の中に一際目立った黄色を見せている。沢が近くなり、卯木が顔を見せる。白い清楚な花を付けている。沢を何度か渡り返しながら、歩いていくと、小さな滝の流れが現れた。白い飛沫がなかなか美しい。
 山葵田を過ぎ、やがて、沢から離れ、左へと緩く登り始める。とても気分がいい。ロープが出てきて、その中に、ピンクの花の群生がある。〈カッコソウ〉の可憐な花たちだった。登るにつれ、急な斜面は、ピンクの色が多くなってきた。三人のハイカーが写真を撮っていた。
 カメラを向けてから、少しの急登で、石の祠の建つ峠、〈椚田〉に飛び出した。右へと方向を変え、桧と広葉樹林の間の尾根を歩いていく。小さなピークを越え、細い尾根を過ぎると、広葉樹の斜面になり、緑の木々の中を登り始める。
 今が盛りの様に、ヤマツツジが辺り一面に咲いていた。緑色と赤色との競演はため息がでるようだ。何度も足を止め、カメラを向けた。風が強くなってきて、木々が揺れ、緑の葉が揺れ、ヤマツツジの赤も揺れた。時々、木の泣く音が聞こえてきた。
 やがて、枯れ木の立つ、『小繋山』山頂に登り着いた。上方を仰ぎ見ると、青空をバックに、緑の葉が賑やかに踊り、ヤマツツジのピンクの花も、負けじと枝をしならせている。腰を下ろし、しばらく風の声を聴いていた。今日は、色々な花に出合い、新緑の中を気持ちよく歩けたな、そんなことを思いながら、再び、真っ青な空を見上げた。






     コメントする
タイトル*
コメント*
名前*
MailAddress:
URL:
削除キー:
コメントを削除する時に必要になります
※「*」は必須入力です。